3歳でも分かる「産後のサポート」(54) 産後保険制度、やっちゃいなよ。 | 【バースプランは産後まで。】   


3歳児にも分かる「産前産後の子育て・家事サポート」講座


「産後サポート ままのわ」が、
今年の4月から、「杉並区の子育て応援券」対象になりまして、
1回のサポートあたり5000円まで応援券を利用できるようになったんですね。
5000円というと、2時間半に相当しますので、1回で3時間利用しようと思ったら、自腹金額は30分だけで済むという、産後家庭にとっては、非常に恵まれた補助となります。

そんな「杉並区の子育て応援券」、4月の適用スタート後にすぐ利用者第1号となるご家庭が現れまして、出産後5月から利用開始。
そこでいただいた応援券の換金申請を6月に行い、
そして今月、杉並区から、利用分の現金のご入金をいただきました。

「ままのわ」事業開始2年経って、初めて利用者への自治体の補助をいただくことができました。

これは本当に嬉しいです。


政府が、産後ケアセンターという施設を全国に配備したいという気持ちはよく分かるんですよ。
これ自体はとても重要なものだと私も思います。
育児に自信が持てないお母さんがたくさんいるのは事実ですから、出産直後にケアしてもらえると非常にありがたい。

ただ、建物を作るっていうことは実績になりますから、
早い話、
●●政権は2015年に全国に産後ケアセンターを十数か所設置して、少子化の原因と言われる産後女性支援の人手不足を解消する施策に取り掛かり、その結果、出生数は・・・まあ、さほど変化はないものの、とりあえず、何もやっていないというわけではないということで、少子化対策を抜本的に改革した、ということを大々的に報じたことによって、少子化対策はいったん終息し、心置きなく高齢化対策として高齢者入居施設の設置に臨むことができるので、安定した高齢者票を勝ち取るための施策を次々に打ち出すことが可能になりました。
・・・というシナリオは作りやすいかもしれない。
建物を建てるっていうことはこういうメリットがあるものです。

ただ、様々な理由で産後ケアセンターを利用できない人がいるのも事実。


でも、もし「訪問型サポート」に国からお金を出すとなると、確かにこれはかなり難しいんです。
何が難しいかって、実績にするのが難しいんです。

だって、もしも、産後ケアセンターが非常に不評だったとしても、建物ができてますから、「やった感」はあるじゃないですか。
あとは、運営者のせいにしちゃえばいいわけですから、ラクなもんです。

でも、訪問型産後サポートに予算を割いたとして、もし不評だったら、何も残らずに終わっちゃうわけですから、政権としては評判も悪いし実績にもならないし、そんなリスキーなことしたくないですよね。


そこで、どうすれば「訪問型サポート」が実績になるかを考えるわけじゃないですか。

よく言われるのは、
医療保険、介護保険、に次ぐ「産後保険」を作って、保険対象にするという案。

介護保険制度だって、実施されたのは西暦2000年ですからつい最近の話、保険制度を新たに作ることって、決して突拍子もないことではないんですよね。
で、難しいのは、何をモデルにするかっていうことです。
介護保険はドイツの保険制度をモデルとしたそうですから、そういう前例があると叩き台を作りやすいのでしょうが、産後保険制度(仮名)はどこを参考にしようかな~というところです。

オリジナルで作るとなると、とんでもない作業量になりますからね、すぐには実現できそうもない。


「訪問型サポート」の次の課題は、
全国どこでも受けられるのか、という問題です。
保険制度の難しい点は、日本国民誰もが平等に受けられないと成立しないことなんです。
保険って、国民からいただいたお金を、対象者が使わせてもらうというスタイルですから、
税金は等しく全員から徴収するけど、利用できる地域は限られています、ということになると、成立しないんですよね。
もちろん、国の予算が付きます、ということになれば、産後サポート業者が一気に増えるでしょうから、決まっちゃえば早いんでしょうけど、
今くらいの状況だと、あまりにも少なすぎて、政府の検討の俎上には上げづらいですよね。


それで、もし、予算がつき、業者も参入しやすくなったとして、
「訪問型サポート」、さらなる課題は、
どんな人がサービス提供できるのかという点です。

医療保険は、医師、歯科医師や看護師、薬剤師、ほか各職種(作業療法士などなど)がやれますよね、
介護保険はヘルパーさんやケアマネージャーさんがやりますよね、
では、産後保険は?

助産師さんですか?
助産師さんはお産と母乳ケア、子どもの発育相談等のプロフェッショナルですから、産後サポートに駆り出すのはもったいないです。
現状、自治体で産後サポートを実施している例、または委託をしている例を見ると、概ね「ヘルパー2級」を持つ人のいる介護事業者に委託する例が目立つようです。

自治体の仕事としては、なんらかの資格制限をつけないといけないですから、そういうことになるんでしょうけど、さすがにこれはいただけない・・・というのは利用者に聞けばすぐに分かることで、
・介護じゃなくて産後サポートなのに、おばあちゃんのような扱いをされて不快だった
・サポート中、ヘルパーさんがず~っと話しかけてくるので、休めなかった
・「私のころは赤ちゃんを日光浴させるように言われたわよ」など、古い育児知識を披露された

――などの経験をした産後ママの声をよく聞きます。
※もちろん、ちゃんとやっている事業者さんはたくさんあると思います

なので、ヘルパー2級で代用するとかじゃなく、産後サポート資格保持者でないとサポートできないというような制限を設けることになると思うんですよね。
個人的には、介護保険で言う「ケアマネジャー」のような職種も絶対必要だと思っていますので、最低限、産後ケアマネジャーと産後ヘルパーという職種がないと成立しないでしょう。
こういう公的資格設計って、すっごく大変で、プログラムをどうするか、そして、資格取得までに最低限必要なスキルなんかも決めちゃったりして、すごく時間かかるんですよね。


厚生労働省的に言うと、
「産後部会」「産後保険部会」「産後報酬調査専門審議会」「産後報酬基本問題小委員会」「産後給付費分科会」「全国産後関係主管課長会議」「産後対策推進協議会」
――などといった審議会が次々に立ち上がって、大学の教授や助産師さんや全国産後ママの会代表者などが意見交換し、次々に制度設計をしていくという。


そこまでやったら、確かに実績だと思いません?
いつも外国のまねをしている日本の法制度ですが、育休取得も出生率も他国に追いつけないからこそ、率先して法整備して、産後保険制度の先駆けになる
っていう議員さんがいたら、それは絶対に応援したいですよ。
でもね、高齢者からの指示は得られづらいでしょうから、目先の得票数が欲しい議員さんは手を出さないでしょうねぇ。


ちなみに、私個人的には、産後サポートを資格化すると、有資格者しかサポートできないような錯覚に陥るのがいやなので、
産後保険制度のような税金を使う事業にでもならない限りは、誰でも産後のお手伝いに行きましょうね~という、開かれたものであってほしいと思っています。


最後に、ご挨拶が遅くなりましたが、
杉並区子育て支援課の皆様、
区内の住人の子育て対策のために、他地域に登記している団体からもサポート参入を認めてくださるというご判断、本当にありがとうございます。
産後サポート充実の第一歩はそこだと思います。
他の自治体のお手本となるべく、これからもよろしくお願いいたします!






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