『物事の本質を見る』


 私はあらゆるものに対し常に本質は何なのかをよく考えるようにしています。

ビジネスでもそうですが五感で入ってくる情報だけでなく、よく考えて本質を見抜くよう心がけています。



 私がこのことを強く感じたのは2007年の7月に起った新潟中越沖地震の災害ボランティアに行った時でした。


 会社の夏休みで5日間の休みを貰っていたのですが、詰まっていた予定がことごとくキャンセルになり何もすることがなくなってしまい、ふてくされていた夏休み1日目に新潟中越沖地震が起きたのです。


アクセスインターナショナルジャパン社長のブログ-倒壊した家屋


 テレビを見ていると道路が陥没したり、家屋が倒壊したりととても悲惨な状態でした。それを見ているうちにいてもたってもいられなくなり、『これは運命かもしれない』と勝手に思い込んでその日のうちにひとりでに新潟に向かいました。


 翌日の朝に長岡市役所に出来たばかりのボランティア受付に何とか到着し、災害ボランティアが開始しました。


 初日は全く情報が無いためまず行ったのは、各自避難施設に行ってそこで何を必要としているかを把握してくることでした。そして驚いたことに私が行った避難施設で一番困っていたことは、救援物資で来た飲み水を捨てる作業でした。災害対策用に飲み水として隣町から送られてきた飲み水がカルキ臭くて飲めないので、私は着いてすぐにそのタンクに入った水をひたすら捨て続ける作業をしました。




アクセスインターナショナルジャパン社長のブログ-避難所の様子


 それから2泊3日避難所で被災者の皆さんと一緒に生活して色々なことを学びました。

その一つとしてメディアの報道と実際の現場の感覚の違いにとても驚きました。


 避難しているおばあさんから「私たちはどうせそこまで長生きできないのだから、あなたのような若者がわざわざ遠くからこんなところに来て、なんかあったらそのほうが心配だよ」と言われたり、地震をきっかけに地域の輪が広がりみんな前向きに協力し合う姿勢がとてもすばらしいなと感じていました。


 その一方でテレビでは悲しんでる一部の人たちだけをクローズアップし、それが全てのような見せ方をしていました。そこで、やはりメディアは視聴率を取ってスポンサー料で儲けるビジネスなんだなということを身を持って感じることが出来ました。つまり、事実を伝えることより人々の関心を集めることが目的になっているのです。


 それからはテレビやインターネットの目や耳から入る情報だけを鵜呑みにせず、しっかりと本質を見ていこうと思いました。メディアの情報は必ず送り手側の主観が入っているということを意識して見たり聞いたりするようにしています。



 また、これはビジネスでも同じことが言えると思います。私はいつも起きている事実に対して必ず本質を見て対策をたてたり指示をしたりするようにしています。本質を捉えずにに安易に判断していしまうと、判断を誤って取り返しのつかないことになってしまったり、対応に時間がかかってしまったりすることが多いからです。


 といいつつもしっかり捉えられないことも多いので日々苦労していますが・・・。