クレーム対応の専門家だからこそできる
心理カウンセリングがあるんです。


クレーム心理学の藍色シアンです。

その2の続きです。

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夜中まで続く、言葉の暴力の嵐。
そしてその暴力は、まともな思考も
壊してしまうようです。

何時間も扉の前で謝り続け、
そんなに怒らせてしまった
自分たちが悪かった
許して欲しいと
嘆願する僕と友人の二人

ちゃんとした謝り方を知らなすぎると
その場から追い出され、
そして部屋に戻り
その日の朝、そのまま仕事にでかけました。
すると夕方ぐらいに
一通のメールが届きました

昨晩のあの誠意のない態度には失望しました
ちゃんとそのことについてまた話をすべきだと
思っています。

そんな内容だったと思います。

仕事から帰り、気が重いままに
話し合いの場所に行くと
そこには夫婦が二人
憮然とした態度で座っています。
妻の方はこっちを見ようともしません。
夫は下を向いたまま、僕が来たことも
無視している状態。

友人が来て4人がそろうと、
また「話し合い」が始まりました。

まず、夫が話し始めます。

どうして今朝何も言わずに、
一言声もかけず会社に行ったのか?
昨日あれだけ傷つけておいて
何も言わずにそのまま出かけるとは
ひどすぎる。

少しでも早く、傷ついた人の心を
癒すことが人としてすることだろう。

僕なら何をさておいても
傷ついた心がもとに戻れるよう
最善の努力をするけどな

さらに続けて言います。

昨日はあのあと、〇〇(妻の名前)と
朝方まで話をして、なんとかまた
話し合いができるように、
そして本当は会いたくもないと言っていた
〇◯を説得したのに
朝一言の挨拶もなくでかけた二人には
ほんとうにがっかりした

傷ついた人より、自分達の方が
大切だということだよね
どうしてそんなことができるのか
理解出来ない。
それってひどすぎるんじゃないか。

ここで謝ってみて。
ちゃんと心を込めて、傷つけた相手に
許してもらえるような
そんな謝り方をやってみて。

僕と友人が
ごめんなさい、傷つけてしまって本当に
申し訳ないです。

と謝ると、
さらに追い打ちをかけるように、
妻が口を開きます。

そんな謝り方じゃ、謝られたと思えない。
どうしてちゃんとした謝り方ができないのか
理解出来ない。

どれだけ傷ついたのかわかってない。

半分怒鳴り声でそう彼女は言ってきます。

そしてしばらくまた文句が続き
どんなに謝ろうが、許してやらないという
その態度がしばらく続いた後、

謝ることが出来ないのなら、
せめて、私たちの気がまぎれるような
そんな提案をしてみたら?

始めは、なんのことかわからなかったけれど
どうやら、二人の気分を変えるために
何か美味しいものを食べに行く、
その食事代をだせということらしい

そして結局

今回ちゃんと誠意を持って話すこともなく
自分たちが楽になることだけを考えて、
〇〇さんを放っておいてしまって
ほんとうにすいませんでした

せめてものつぐないとして
二人で好きな食事をしてきてください。
その食事代を僕達で出させてください。

こう言わされました。

二人の食事代は一回3万ぐらい。

でも、償いはこの一回だけでなく
その後も同じようなことがあるたび
ちゃんと謝ってもらえていないということで
償いの要求は続きました。


そして、要求は段々エスカレートして
何か話し合いで気に入らないことがあると、
すぐ怒り、謝ったとは思えないを繰り返され、
2年目ぐらいには、
一泊7万から8万もする高級温泉旅館の
二泊分の宿泊代を半年間にわたって
毎月支払うという約束までさせられていました。

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一旦このモラル・ハラスメントの経験の話は
終りにします。

この話は、最後の2年目というところを入れなければ
たった数日間の出来事です。

そして、こんな短い間でもまともな考えが
できなくなってしまっていました。

どうしてか?

それは、単に彼らが強烈なモラハラの力を持っていた
ということだけじゃなさそうです。

僕にとって、彼らは知り合った時から憧れでした。

夫はヘッドハンティングの会社をやりながら、
カウンセラーをやっていました。
異業種交流パーティーや、外人を雇用しての
ヘッドハンティング業務をこなしていました。

妻は、美容関係のショップの社長。
都内に大きなショップを展開していました。

そんな二人は、仕事の面でも生活の面でも、
僕とは違ってました。

そういう二人と知り合いであること、
そして、そんな二人と新しい生活をスタートした
「選ばれた」自分。

その心が、モラハラを受け入れてしまう自分を
作ってしまっていたのだと思っています。

そして、もう一つ怖いのは、
その頃の僕の友達に

「すごく素敵な最先端の生活をやっている」
「みんなで暮らせるって、楽しい生活だ」
「よかったらどんな生活か見に来てよ」

そんなことを僕は言っていたんです。
事実とは全く違うことを。
でも疑うこともなく。

仕事でのクレーム対応
そしてそのモラハラの生活
この二つがきっかけとなって
僕はうつ病になったんです。

でも、何度でもいいますが、
これらが原因ではないんです。

自分の内側にある

 認められたい欲求
 嫌われたくないという恐れ
 見放されるという恐怖
 出来ていないという無価値観。
 自分はだめだという否定感
 とんでもない事をやってしまったという罪悪感


こんな心が、モラル・ハラスメントを呼び寄せ
そしてそれを自分を責めることに使ったのは
僕自身なんです。

だから言えることがあります!
クレーム対応でクレーマーがいたとしても
そのことと、あなたの存在価値には
なんの関連性もないということ。

たとえどんなに文句を言われようと、
そのことで、自分を責める必要など
200%無いのだということ。

そして、普段の人間関係でも
モラルを武器に、責められている人がいる
自分を責めている人が大勢いる。

クレームとは、幅広い定義で言えば
「文句」です。

しかも強い「文句」

けれど、あえて言うなら
文句をいうのは、相手の勝手です。
あなたがどうであるかとは、無関係なんです。

そんなことを心理的に受け入れられたら
どんなに楽だろう。

その楽さといったら、笑うしか無いくらいです(^^)
そのことを僕は知っています。

そして、その「楽」を
いまはつらいと思っている人たちと共有していけたらな
そう思っているんです。

藍色シアン