今まで、友達と行動している時と一人で行動している時、どちらが自由な感じがしたかといえば、当然、一人で行動している時だった。

だから、別に友達なんかいなくても、一人で自由に行動して、それなりに満足していた。

必ず友達がいないといけない。

そう言う訳ではなかった。

だから、友達と言う存在はそこまで重要視していなかった。

友達がいる・・・それだけ。

それだけと思っていた友達とあと1年で別れて、別々の道に行く。

あと1年で、この大学で彼らと会うことは無い。

中学の時だって、高校の時だって、卒業はしてきた。

そのときは、

<卒業しても会えるから別に関係ないじゃん>

そう思っていた。

でも、今回は何かが違う。

別れたくない。

別れるのが恐い。

そう思えてきたのだ。

誰もいない書庫。

そこは、来年、またまたこの大学を訪れたときの僕の心境を表したものと一緒だと思った。

寂しさ・・・そして不安・・・。

このままずっとみんなと大学で過ごしていたい。。。

現実には不可能。

みんな卒業して、社会人になっていく。

みんなと会えないことは無い。

でも、会えるときが限定されていくだろう。

適当に会おうと思えば会えた人たちと会えなくなる状況・・・。

『友達がいればそれで楽しいが、一人でも別に寂しくない』

今まで、俺はこういう性格の持ち主だと思っていた。

でも、今日で違うことに気づいた。

<友達がいないとダメだ・・・俺は>

友達の大切さが分かった瞬間だった。

大人になったのかな?

僕へ対する友達の影響力。

大学生活中でここまで絶大なものになっていたとは気づかなかった。

むしろ、中学・高校の時の様に、毎日絶対に会って共に行動していく訳ではなかった。

会いたい友達に好きなときに会う。

だから、僕は余計に、友達という信頼は、いままでのようには築けないと思っていた。

でも、この“好きなときに会う”って言うのが、反対に信頼を築く要因になっていた。

先輩が言っていた「大学の友達は、社会に出ても、損得考えずに付き合える友達だ。社会に出てからできた友達はどうしても、損得感情が混じる。だから大学のときに作った友達は大切にしておけよ」

この言葉も、今日分かったような気がする。

他愛も無い、どうでもいい話で、笑い転げるほどに盛り上がる。

損得感情が無いからこそ、正直に喋れるし、本気で笑える。

そんな、幸せなことが、大学生活中は日常茶飯事だったので気づかなかった。

図書館の書庫で、このようなことを考え、まだ早いが、心の中で思った・・・。

<みんな、俺なんかの友達になってくれてありがとう・・・これからもずっと友達でいてくれ・・・>