【帚木400-2】後朝における「聞こゆ」☆
源氏物語イラスト訳のあいです
帚木の巻も№400まで来てしまいましたね!
( ゚-゚)( ゚ロ゚)(( ロ゚)゚((( ロ)~゚ ゚
では今日もいってみましょ~~!
これまでのあらすじ
天皇(桐壺帝)の御子として生まれ、才能・容姿ともにすぐれていたにもかかわらず、亡母(桐壺更衣)の身分の低さにより臣籍降下して源氏姓を賜った光源氏。
ただいま「2.帚木(ははきぎ)」の巻です。頭中将たちとの雨夜の品定め(=女性談義)の翌日、久しぶりに正妻葵の上のもとを訪れた光源氏でしたが、夕方には、方違えのために、紀伊守の邸宅に行きます。そこには、紀伊守の継母である空蝉がちょうど泊まっていました。光源氏は彼女を寝所から連れ出し、一夜を共にしました。
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今回の源氏物語
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「いかでか、聞こゆべき。世に知らぬ御心のつらさも、あはれも、浅からぬ世の思ひ出では、…」
帚木400のイラスト訳はこちら
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「聞こゆ」の様々な意味
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「聞こゆ」においては、
源氏物語でも出てくるたびに、
検証しています。
たくさんの意味があり、
しかも、古文のネック【謙譲語】でも
よく使われるので、
非常に重要な古語の一つです。
(-_\)(/_-)三( ゚Д゚)
(ヤ行下二段活用動詞)
1.自動詞
①聞こえる
②うわさされる。評判になる。世間に聞こえる
③理解できる。わけがわかる
④受け取られる。思われる
2.他動詞
①申し上げる ※「言ふ」の謙譲
②(…と)お呼びする。(…と)申し上げる ※「言ふ」「呼ぶ」の謙譲
③(手紙などを)差し上げる ※「送る」などの謙譲
*「学研全訳古語辞典」より
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テキスト学習以上の効果が得られます。
難しい謙譲語などの敬語についても、
しっかりと入っていきますよ♪
(ノ´▽`)ノ
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私大マーク問題 例題
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問題)傍線部の文法的説明として、最も適当なものを選べ。
1.どのようにしてお手紙を差し上げたらよかろうか
2.世間で私たちの仲が噂になったらどうしよう
3.外に声が聞こえることはありません
4.どうしてそんなふうに申し上げるのですか
5.どうやって別れを理解することができようか
実は、上の1~5の選択肢。
「聞こゆ」の意味はすべて正解なんです。
∑(゚Д゚)
つまり、
単語帳で覚えた知識は
役に立たないということ!
( ´(ェ)`)
では、どうすればよいのか…?
(°Д°;≡°Д°;)
そこで、重要になってくるのが、
古文目線なんです!
(o^-')b
光源氏は、空蝉と一夜を共にしました。
しかし、空蝉は人妻。。。
もう二度と逢う機会は訪れないでしょう;;
…一番鶏が鳴き、
いよいよ別れの時が来ました。
光源氏は、最後の別れの言葉を発します。
「いかでか、聞こゆべき。…」
●いかでか=どうして~か、どうやって~か
●聞こゆ=申し上げる、聞こえる
●べき=~できる、~のがよい
↑どの意味になるのか…
幅広い古語なので、判断がつかないものもありますが、
要するに…
別れの朝に、「聞こゆ」べきもの。
それは、後朝(きぬぎぬ)の手紙です。
後朝(きぬぎぬ)とは、
二人の衣服を重ね掛けて共寝をした男女が、
翌朝、それぞれの衣服を着て別れること。
つまり、男女の別れをさします。
後朝の朝を迎えたら、
男は通常、別れを惜しむ手紙や歌を
女に贈るのが、古典常識。
そうして、また次の逢瀬を約束し合ったりするんですね。
しかし、光源氏と空蝉は、
そんなことのできる関係ではありません。
このような古典常識も念頭においた文脈判断。
それが、古文目線による解釈なんです。
(o^-')b
正解は……1
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最後までお読みくださりありがとうございます。
少しでもお役に立てれば幸いです☆(o^-')b