【帚木354-2】「おろしたてむやは」の真意☆
源氏物語イラスト訳のあいです
センターまであと54日ですねー。(。>0<。)
1、2年生の皆さんは、楽しんで勉強してますか?
('-^*)/
【源氏物語~これまでのあらすじ】
桐壺帝の御子である光源氏は、輝くように美しく、帝の寵児であったにもかかわらず、亡母の身分の低さにより賜姓「源氏」として臣下に降格されます。頭中将たちとの雨夜の品定めの翌日、久しぶりに正妻葵の上のもとを訪れた光源氏は、その夕方、方違えのために、紀伊守の邸宅に行きます。そこには、紀伊守の継母である空蝉がちょうど泊まっていました。
↓今回の源氏物語↓
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「さりとも、まうとたちのつきづきしく今めきたらむに、おろしたてむやは。かの介は、いとよしありて気色ばめるをや」など、物語したまひて、
「いづかたにぞ」
イラスト訳はこちら→
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空蝉を、宝物のように大切に、かしずいている伊予介。
そんな、年がいもない、好色めいた姿を、
息子たちは、苦々しく思っているようです。
同じ年格好の自分(紀伊守)のほうが、
空蝉には、似合うんじゃないか…
そんな思いをくみ取ったのか、
「さりとも(=そうは言っても)…」と、光源氏は話し出します。
「さりとも、まうとたちのつきづきしく今めきたらむに、おろしたてむやは。かの介は、いとよしありて気色ばめるをや」など、物語したまひて、
【問題】傍線部の解釈として最も適当なものを選べ。
1.伊予介は年は寄っているが、立派な家柄で当世風であるので、若い後妻に負けず劣らず、お似合いであろうということ。
2.伊予介は由緒正しい家柄で身分もそこそこ高いので、紀伊守たちのように当世風な君達にも、劣らないだろうこということ。
3.伊予介は風流心があり、立派な風采を持っているから、自分の若い後妻を安易に出家させたりはしないだろうということ。
4.伊予介は年は寄っても好色で気取っているから、君達のような若者に自分の若い後妻を下げ渡すとも思えないということ。
5.伊予介はプライドが高く気取っているので、紀伊守と自分の若い後妻の交わりも認めてくれるのではないかということ。
おろしたて/む/やは。
【おろしたつ】=身分の低い者達の間に交わらせる
【む】=推量の助動詞「む」
【やは】=反語の係助詞
訳)交わらせる/だろう/か、いやそんなことはない
「おろしたつ」は、
ただ親子として「交わらせる」というのではなく、
「交際させる」、
すなわち、
「自分の後妻である空蝉を、息子たちに下す」
ということ。
1.伊予介は年は寄っているが、立派な家柄で(×)当世風であるので、若い後妻に負けず劣らず、お似合い(×)であろうということ。
2.伊予介は由緒正しい家柄で身分もそこそこ高い(×)ので、紀伊守たちのように当世風な君達にも、劣らないだろう(×)こということ。
3.伊予介は風流心があり、立派な風采を持っているから、自分の若い後妻を安易に出家させたりはしない(×)だろうということ。
4.伊予介は年は寄っても好色で気取っているから、君達のような若者に自分の若い後妻を下げ渡すとも思えないということ。
5.伊予介はプライドが高く(△)気取っているので、紀伊守と自分の若い後妻の交わりも認めてくれるのではないか(×)ということ。
正解は……【4】
おあとがよろしいようで…
(*^m^*)
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お役に立ちましたでしょうか?☆(o^-')b