【帚木343-2】イメージと異なる古文単語☆
源氏物語イラスト訳のあいです
センターまであと75日ですねー。(。>0<。)
1、2年生の皆さんは、楽しんで勉強してますか?
【源氏物語~これまでのあらすじ】
桐壺帝の御子である光源氏は、輝くように美しく、帝の寵児であったにもかかわらず、亡母の身分の低さにより賜姓「源氏」として臣下に降格されます。頭中将たちとの雨夜の品定めの翌日、久しぶりに正妻葵の上のもとを訪れた光源氏は、その夕方、方違えのために、紀伊守の邸宅に行きます。紀伊守邸には、父である伊予介の後妻空蝉が泊まっていました。
↓今回の源氏物語↓
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式部卿宮の姫君に朝顔奉りたまひし歌などを、すこしほほゆがめて語るも聞こゆ。
「くつろぎがましく、歌誦じがちにもあるかな、なほ見劣りはしなむかし」と思す。
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「式部卿宮の姫君」については、
「朝顔の姫君」として、またいずれ出て来ますので、
今回のイラスト解釈では、イメージと異なる古文単語についてご説明しますねっ♪
式部卿宮の姫君に朝顔奉りたまひし歌などを、すこしアほほゆがめて語るも聞こゆ。
「ホくつろぎがましく、歌誦じがちにもあるかな、なほ見劣りはしなむかし」と思す。
〔問題〕傍線部ア・ホの意味の組み合わせとして最も適当なものを選べ。
1.(ア)ほほえんで (ホ)やかましく
2.(ア)ひきつって (ホ)くつろいで
3.(ア)間違えて (ホ)せっかちに
4.(ア)笑いこけて (ホ)ゆったりと
5.(ア)事実と違えて (ホ)軽々しく
!(゜皿゜;)
昔々…、私が高校生のときの先生は、
こんなふうに、選択肢を作るとき、
「ア・ホ・タ・レ」と、必ず4択で黒板に書いてました。
(;゚;∀;゚;)
おもしろい授業だったけど…
今こんなことすると、怒られますよねー!
(-。-;)
400語くらいの単語帳には、
「ほほゆがむ」も「くつろぎがまし」も載っていません。
しかし、センター古文では、
単語帳に載ってない文脈判断の古語も
ちょくちょく出てきますよねー!
っ(((((゚Д゚ ;))))ぇぇぇぇぇ~!
【ほほゆがむ】
①頬が崩れた格好になる。頬がゆがむ
②話が事実とは違ってしまう。
③(他動詞)事実を違える
【くつろぎがまし】
(「―がまし」は接尾語)
…くつろいだ様子である。のんびりしている
1.(△)ほほえんで (×)やかましく
2.(△)ひきつって (○)くつろいで
3.(△)間違えて (×)せっかちに
4.(×)笑いこけて (○)ゆったりと
5.(○)事実と違えて (△)軽々しく
実は、古語辞典に載ってる、杓子定規な意味だけ見ると、
上のような結果になるんです。
正答がないっ!((l|゚Д゚l|l))
こういう、重要古語でない単語の選択肢問題は、
古語の意味云々ではなく、
文脈(古文目線)が把握できているかを
確認する問題なんです。
((((((ノ゚⊿゚)ノ
では、ここでの古文目線は、というと…
光源氏が、紀伊守邸の女たちの様子を、
実際に目で見ず、障子越しに声を聞いている場面☆
「ほほゆがむ」に、「事実と違える」という意味があるのを知らなくても、
「頬がゆがむ」や「ひきつる」など、視覚的な意味は削除できますね!
(o^-')b
また、「くつろぎがまし」は、
ニュアンスから、くつろいだ感じだと分かりますが、
あとの「歌誦じがちにもあるかな、なほ見劣りはしなむかし」のつながりから、マイナスイメージで使われていると読み取りたい!!
…とすれば、「くつろいで」や「ゆったりと」といった、
プラスイメージの選択肢が削除できます。
1.(△)ほほえんで (×)やかましく
2.(△)ひきつって (○)くつろいで
3.(△)間違えて (×)せっかちに
4.(×)笑いこけて (○)ゆったりと
5.(○)事実と違えて (△)軽々しく
【5】の「軽々しく」は、古語辞典にはありませんが、
ここでは、女たちの会話が
「のんびりとくつろいだように(緊張感なく)、和歌を節つきで口ずさんだりして、しかも実際に光源氏が詠んだ歌と違っている」
ここに、光源氏はガッカリしたようです。
正解は……【5】
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お役に立ちましたでしょうか?☆(o^-')b