【帚木308-2】掛詞…ではないけれど | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

【帚木308-2】掛詞…ではないけれど

受験生の皆さんこんにちは☆あいですラブラブ

 

今日は、「あやめ」についてお話ししますね。

 

 

↓今回の源氏物語↓

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「…さるべき節会など、五月の節に急ぎ参る朝、何のあやめも思ひしづめられぬに、えならぬ根を引きかけ、…」

イラスト訳はこちら→

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【源氏物語~これまでのあらすじ】

桐壺帝の御子である光源氏は、輝くように美しく、帝の寵児であったにもかかわらず、亡母の身分の低さにより賜姓「源氏」として臣下に降格します。五月雨が続くある夜、宮中の宿直所で、光源氏は義兄で親友の頭中将と、女性論の話になり、そこに友人の左馬頭、藤式部丞が加わって、さらに話は盛り上がります(雨夜の品定め)。左馬頭の2人の妻の話、頭中将の失踪した愛人の話が語られ、最後に式部丞の才気煥発な女性のエピソードが語られた後、左馬頭が女性論をまとめます。

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5月の節会」という表記を見て、

古文常識(ていうか、社会常識)として

念頭に置きながら読んでほしいのは、


 

5月5日やじるし端午(たんご)の節会(せちえ)



今でいう、「子どもの日」の節句ですよね。




みなさんご存じでしょうか。。。


 

日本では、端午の節句には、

男子の健やかな成長を祈願するため、

各種の行事を行う風習が、昔からあります。



」というのは、午(うま)の月、すなわち旧暦の5月をさし、

」は「ご(五)」に通じることから、

5月5日を「端午の節句」と呼ぶようになったといいます。


 

同じように、奇数の月番号と日番号が重なる、

 

3月3日、7月7日、9月9日も節句となっており、

さらに1月7日七草の節句とあわせて、

五節句」といいます。

 


(※Wikipedia「五節句」より)


 

 

5月5日には、「子どもの日」として、

ちまきや柏餅を食べたり、鯉のぼりをあげたりする慣習が今でもあるのはご存じですよね。

 

でも、上の図のように、

端午の節句は、和名を「菖蒲の節句」といいます。

 

芳香のある菖蒲を軒につるしたり、

菖蒲の根茎を束にして風呂に入れ、

菖蒲湯に入る慣習もあるのは、ご存じでしょうか。


 

これは、古来中国から続いた風習であり、

平安時代の日本においても、行事の一つに組み入れられていたことでしょう。


 

ちなみに、「菖蒲(しょうぶ)」は、「あやめ」とも言います。

 


 

「えならぬ根」とは、菖蒲の根のこと。


 

つまり、5月5日の朝に、女のもとから、

菖蒲(あやめ)が送られてきたわけですね。


 

才気煥発な女の感覚からすると、

 

時機にかなった、すばらしい和歌を詠んだつもりです。

 


 

ですが、

 

男の立場からすると、

 

朝廷における節会の準備であたふたしてる時に

そんな歌をよこしてこられても、

大迷惑ですよねー!

( ̄□ ̄;)




 

ところで、こんな問が出てきたら、どうでしょうか?

(・∀・)/

 した矢印


 

「…さるべき節会など、五月の節に急ぎ参る朝、何のあやめも思ひしづめられぬ、えならぬ根を引きかけ、…」

 

問)傍線部「に」の用法として適切なものを次のうちから選べ。

1.場所を表す格助詞

2.時を表す格助詞

3.順接の接続助詞

4.逆接の接続助詞

5.単純接続の接続助詞

 

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正解は…(←反転させてね^^)

 

「に」の直前の「あやめ」は、

 

【あやめ(文目)】

物事の筋道、分別

 

という重要古語です。



 

「に」の直後の「えならぬ根」とは、

菖蒲(あやめのことでしたよね。


 



 

掛詞ではないけれど、文脈を読み解く際に、こういう言葉遊びにも注意する必要がありますね。

(-c_,-。)


 

ご意見・ご指摘等があれば、コメントお願いします。

では次回の講釈もおたのしみに☆

(o^-')b

 

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今回のイラスト訳はこちら⇒
 

 

あいでした音譜

(^^o)o