【帚木184-1】よろづに見立てなく、…
【古文】
「…『よろづに見立てなく、ものげなきほどを見過ぐして、人数なる世もやと待つ方は、いとのどかに思ひなされて、心やましくもあらず。…』…」
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(左馬頭の妻はこう言います)
「…『よろづに見立てなく、、
訳)「…『(あなたが)何事につけても見栄えがしなくて、
ものげなきほどを見過ぐして、
訳)たいしたことがない時を黙って過ごして、
人数なる世もやと待つ方は、
訳)人並みに処遇される身の上にもなるかしらと待つ方面のことは、
いとのどかに思ひなされて、
訳)非常にのんびりと思っていられて、
心やましくもあらず。
訳)不満でもない。
【古文】
「…『よろづに見立てなく、ものげなきほどを見過ぐして、人数なる世もやと待つ方は、いとのどかに思ひなされて、心やましくもあらず。…』…」
【訳】
「…『(あなたが)何事につけても見栄えがしなくて、たいしたことがない時を黙って過ごして、人並みに処遇される身の上にもなるかしらと待つ方面のことは、非常にのんびりと思っていられて、不満でもない。…』…」
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■【よろづ(万)】
■【見立てなし】
■【ものげなし】
■【ほど】
■【見過ぐす】
■【人数(ひとかず)】
■【世(よ)】
■【~もや】
■【方(かた)】
■【いと】
■【のどか】
■【思ひなす】
■【れ(自発)】
■【心やまし】
■【ず】
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