【帚木54-②】古文解釈~「世に経るたづき」とは?
おはようございますあいです。
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【今日の源氏物語】
「…また、元はやむごとなき筋なれど、世に経るたづき少なく、時世に移ろひて、おぼえ衰へぬれば、…」
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【源氏物語~これまでのあらすじ】
最愛の桐壺更衣を亡くした桐壺帝は、亡き更衣に生きうつしの藤壺宮を入内させます。更衣の忘れ形見である光源氏は、元服して臣下となり、左大臣の娘(葵)と結婚するも、藤壺宮への想いは募るばかりでした。ある梅雨の夜、義兄である頭中将と光源氏、そして友人である左馬頭と藤式部丞が、女性の品定めを始めました。
今回は、「世に経るたづき」についてです♪
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「世に経」という熟語は、よく古文に出てきます☆
【世に経(よにふ)】
…この世で生活を送る、この世に生きながらえる
現在も「経る(へる)」という言葉はありますが、
古文では下二段活用☆
へ / へ / ふ / ふる / ふれ / へよ
なので、こん「世に経るたづき」の「経る」も、
「へる」ではなく、「ふる」と読みます。
注意してくださいね♪
(o^-')b
「たづき」とは、「手付」が語源ともいわれ、
物事にとりかかる手がかり、の意。
「世に経るたづき」とは、
この世で生活を送る手がかり、と直訳できます。
要するに、世間を渡っていくすべ、手づら、ということです。
今も昔も、世の中を渡っていくには、何かしらつてとかコネとかが必要です。
うまく世間を生きながらえるには、バカ正直に生きてるだけではいけないんですよね。
ほんとに、…こういうことで、何人のすぐれた人材を失ったことか…
部下の不始末は、自分の責任。
部下が立派な働きをしたら、すべて部下の手柄として喜んであげる。
これが上司としての理想であり、
誰もがこうしたいと思って当然なのですが、
実際、人間とは小さいもの…
すぐに保身にまわってしまいます;;
ここでは、その善し悪しを論じるつもりはありません。
ただ、「世に経るたづき」が少ない家の主であれば、
その家族たちは、時勢の移ろいに落ちぶれてしまうということもあるわけです。
ここでは、その文脈の流れをつかんでほしいと思います。
(o^-')b
あいでした