【帚木52-②】「好き者」と「草食系男子」☆ | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

【帚木52-②】「好き者」と「草食系男子」☆

こんにちはラブラブあいです。

ちょっとイラスト訳の更新が追いついてませーん;

今ばんばって、書きますので、過去記事のほうにも目を通しておいてくださいね^^;

 

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【今日の源氏物語】

世の好き者にて物よく言ひとほれるを、中将待ちとりて、この品々をわきまへ定め争ふ。いと聞きにくきこと多かり。
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【源氏物語~これまでのあらすじ】

最愛の桐壺更衣を亡くした桐壺帝は、亡き更衣に生きうつしの藤壺宮を入内させます。更衣の忘れ形見である光源氏は、元服して臣下となり、左大臣の娘(葵)と結婚するも、藤壺宮への想いは募るばかりでした。義兄である頭中将と光源氏は、ある梅雨の夜、宮中に泊まり込んで、女性に対する品定めを始めます。そこへ友人である左馬頭と藤式部丞がやってきました。

今回は、「好き者」についてです

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古文でしょっちゅう出てくるのが、この好き者です。

 

【好き者】

①異性に強い関心を持つ者、好色な人、色好み

②風流、風雅な面に強い関心を持つ人、風流人

③趣味や嗜好に異様に関心を持つ人、物好き、オタク


 

①は、今でも「好き者」のイメージとして持てますよね。

 

実は、当時、色を好む、好色ということは、そんなに今ほど悪いイメージじゃなかったんですよ!

(`・д´・ ;)


 

これ、当時の生活様相などにも関与しています。

 

当時の貴族社会は、

女は家で、誰にも接せず顔を見せず、

ひたすら男の訪問を待つ身でした。


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そして、男はその要求にこたえるがごとくにアクションを起こす


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こうして逢いに来られるのは、夜が常です。

若い男と女が、暗いところで時を過ごすのだから、

それが色めいた事になっていくのは、当然ですよね。

(;゚;∀;゚;)


 

光源氏がこの好色者として、当時の人気を博したのは、

彼が単にエッチな事だけじゃなく、

女性の人となりや会話を重視したからなんです。

 

これが当時の好色者なんですよ!

(o^-')b


 

江戸時代になって、井原西鶴の『好色一代男』がベストセラーとなり、

庶民的な読み物としての「浮世草子」というジャンルが確立します。

 

『好色一代男』は、「源氏物語」の枠組みに倣ったもので、

しかし中身は、中世的な花鳥風月の風雅なものではなく、

人間的で現実的な愛や欲に重点を置いたものだったんです。

 

この頃からでしょうか…

「好色」「好き者」のとらえ方が、一方的なものに固定されてしまったのは。


 

「好き者」という言葉は、女性の事に関しての一途さとは別に、

様々な花鳥風月、趣味趣向に関しても用いられましたので、

②「風流人」という意味で用いられることも多くありました。

 

その、「趣味」に限っていえば、

③「物好き」のような意味にも用いられたりしました。


 

そのうち、「物好き」→「趣味にこだわった人」→「オタク

というイメージに変化してきます。

(`・д´・ ;)


 

そして、ある衝撃的なドラマがきっかけで、

「女性に一途な人」→「ストーカー」というイメージが定着しつつあります。

(`・д´・ ;)


 

今はほんとに、恋愛がしにくくなった時代ですよね;

草食系男子」という言葉が流行ってしまったのも、

 

「好色」「好き者」のとらえ方が、一方的なものに固定されてしまった世相の現れという気がします><

(o^-')b

 

 

今回の源氏物語イラスト訳はこちら→
 


あいでしたラブラブ