【桐壺128-③】間違えやすい古語「ものし」と「ものす」☆
■【すさまじ】
■【ものし】
■【聞こし召す】
今日は、「ものし」と「ものす」の違いについてです。
ーーーーーーーーーーーーーーー
【ものし(物し)】
…目障りだ、不愉快だ
【ものす(物す)】
…ある、いる、死ぬ、食べる、など(代動詞)
…あれ?
「ものす」が代動詞やったら、「ものし」も代形容詞じゃないの?
∑(゚Д゚)
たしかに、同じ「物」という漢字をあてますが、
「物す」と「物し」は、またく別語なんですっ!
「ものし」は、気にさわる、不快だという意味から、「ものものし(物物し)」「もののけ(物の怪)」などにもつながっていきます。
もちろん、意味の幅から、「ものす」という語にもつながっていくわけですが、そう考えると逆にややこしくなるので…^^;
「ものす」と「ものし」は別語!
こう考えるようにしましょう♪
注意してほしいのは、「ものす」が連体形の場合。
例1)宮仕への本意深くものしたりしよろこびは、(源氏物語)
例2)もとよりの憎さも立ちいでて、ものしとおぼしたり。(源氏物語)
どちらが「ものす」で、どちらが「ものし」か、分かりますか?
(σ・∀・)σ
「ものす」はサ行変格活用動詞です。
「ものし」は、シク活用形容詞です。
品詞が確認できれば、すぐにどちらか区別できるはず!
品詞の識別は、直後の接続のしかたを見て、その語の活用形を判別しましょう!
(o^-')b
■【すさまじ】…興ざめである
■【ものし】…不愉快だ
■【聞こし召す】…お聞きあそばす
【古文】
いとすさまじう、ものしと聞こし召す。
・・・・・・・・・・・・・・・
最後に、今回出てきた古文単語を、原文の中で訳出できるか確認しておきましょう!
まだ難しいようなら、イラスト訳から復習してくださいね♪