【桐壺94-③】人げなき恥☆
おかえりなさいあいです☆
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■【心ざし】
■【よろづ】
■【かたじけなし】
■【人げなし】
■【積もる】
■【安からず】
■【添ふ】
■【はべり】
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今日は「人げなし」のお話でしめくくります☆
【人げなし】
…人間らしくない、人並みではない
もちろん、桐壺更衣に、そんな恥があるはずはなく、
更衣ママの謙り(へりくだり)と考えるべきでしょう。
こういう、大袈裟な謙り表現は、「源氏物語」の会話文中ではよく出てきます;;
この場合…
「人げなし」の辞書的意味ではなく、
「人」を、「他の妃たち」のこととして考えてみましょう。
【人げなし】
…他の妃並みに扱われない
…つまり、何の後ろだてもないからこそ、味わった恥辱…
人には言えないような屈辱がいっぱいあったことでしょう…
このように、更衣ママは
「人げなき恥」と、更衣の受けた屈辱を言っているのでしょうね。
こんなふうに、辞書に載ってる意味だけしかないと思わないことが、解釈を深めることにつながっていくのです!
あいでした
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■【心ざし】…心の向き、愛情
■【よろづ】…すべて、いろいろ
■【かたじけなし】…もったいない
■【人げなし】…人並みに扱われない
■【積もる】…積み重なる
■【安からず】…不安だ、心配だ
■【添ふ】…加わる、身に添う
■【はべり】…~ます、~まいります
【原文】
身に余るまでの御心ざしの、よろづにかたじけなきに、人げなき恥を隠しつつ、交じらひたまふめりつるを、人の嫉み深く積もり、安からぬこと多くなり添ひはべりつるに、
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