【桐壺83-③】こまやかなり
おかえりなさいあいです。
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■【なほ】
■【昔のかたみ】
■【なずらふ(なぞらふ)】
■【ものす】
■【こまやかなり】
■【~せたまふ】
■【り】
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今日は「こまやか」の訳出でしめくくります☆
【こまやかなり】
…細かいところまで心が届いている様子
「こまかなり」という単語もありますので、比較してご説明したいと思います。
「こまやかなり」も、「こまか」と似たような感じで用いますが、用いる場面が大幅に違います!
【細かなり】…細々している
【細やかなり】…心遣いが細々している
また、「こまか」は客観的に「細かい」意に用いますが、「こまやか」は、精神的(主観的)に「細かい」感じなんですね。
【細かなり】…客観的
【細やかなり】…主観的
さらに、「こまか」は、プラスやマイナスイメージに関係なく、単に「細々」という意味ですが、「こまやか」は、主にプラスイメージの場合に用いる語です☆
【細かなり】……小さい、詳しい、念入りである
【細やかなり】…心こまやか、愛情深い、にこやか
もちろん、語源が同じですので、
たいした違いはないかもしれませんが、
「こまやかなり」を用いる場合は、
心根に関するプラスのニュアンスになっていることを思い出すと、訳出しやすいですね♪
あいでした」
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■【なほ】…そうはいってもやはり
■【昔のかたみ】…故人の忘れ形見
■【なずらふ】…なぞらえる、みなす
■【ものす】…する、行く、来る
■【こまやかなり】…心をこめている
■【~せたまふ】…~あそばす(最高敬語)
■【り】…完了(~た)、存続(~ている)
【原文】
今は、なほ昔のかたみになずらへて、ものしたまへ」など、こまやかに書かせたまへり。
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