【桐壺64-③】靫負命婦
おかえりなさいあいです。
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■【野分】
■【野分立つ】
■【にはかに】
■【ほど】
■【思し出づ】
■【靫負命婦(ゆげひのみょうぶ)】
■【遣はす】
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今日は、「靫負命婦」についてです!
【靫負命婦】は、「ゆげいのみょうぶ」と読み、
父・兄または夫が靫負司(衛門府)の官人である女官
のことです。
ちなみに、当時の女性たちは、名前で呼ばれることはありませんでした。、
かの桐壺更衣も、「桐壺」というお局(部屋)を賜った「更衣」という身分の女官。
弘徽殿女御も、同様です。
また、この物語の作者紫式部も、本当の名前ではありません。
「紫」の呼称は、『源氏物語』に、後に登場する「紫の上」という人物に重ねたもの、
「式部」の呼称は、父が「式部大丞」という役職だったことに由来します。
三大随筆の1つ『枕草子』の作者である清少納言だって、
「清」の呼称は、著名歌人であった父清原元輔の姓から、
「少納言」は親族の役職名から採ったとされています。
こんな時代の中、「靫負命婦」は、単なる女官名ですが、
でも、誰のことか特定されうる人物名ですよね。
彼女を遣わすということは、
和歌のやりとりが期待できますね♪
『源氏物語』の根幹のひとつである和歌…
さあ!今後、彼女の弔問を機に、
和歌がたくさん出てくることを期待しつつ…
今週はしめくくりといたしましょう☆
あいでした
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■【野分】…台風、秋に吹く激しい風
■【野分立つ】…野分のような風が吹く
■【にはかに】…急に
■【ほど】…時
■【思し出づ】…お思い出される
■【靫負命婦(ゆげひのみょうぶ)】
…父・兄または夫が靫負司(衛門府)の官人である女官
■【遣はす】…おつかわしになる、おやりになる
【原文】
野分立ちて、にはかに肌寒き夕暮のほど、常よりも思し出づること多くて、靫負命婦といふを遣はす。
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