【桐壺19-①】この御子生まれ給ひて後は、いと心ことに…
【原文】
この御子生まれ給ひて後は、いと心ことに思ほしおきてたれば、「坊にも、ようせずは、この御子のゐ給ふべきなめり」と、一の皇子の女御は思し疑へり。
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この御子生まれ給ひて後は、
訳)この御子がお生まれになって後は、
いと心ことに思ほしおきてたれば、
訳)(帝は、桐壺更衣のことを、)とても格別にお考えおきなされるようになっていたので、
「坊にも、ようせずは、この御子のゐ給ふべきなめり」
訳)「東宮坊にも、悪くすれば、この御子をたてなさるおつもりのようだ」
と、一の皇子の女御は思し疑へり。
訳)と、第一皇子の母女御(弘徽殿女御)は疑う気持ちになっておられる。
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【原文】
この御子生まれ給ひて後は、いと心ことに思ほしおきてたれば、
「坊にも、ようせずは、この御子のゐ給ふべきなめり」
と、一の皇子の女御は思し疑へり。
【口語訳】
この御子がお生まれになって後は、(帝は、桐壺更衣のことを、)とても格別にお考えおきなされるようになっていたので、「東宮坊にも、悪くすれば、この御子をたてなさるおつもりのようだ」と、第一皇子の母女御(弘徽殿女御)は疑う気持ちになっておられる。
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単に愛しい愛しいだけだった帝と更衣の関係…
光の君が生まれたことで、桐壺帝は、更衣をとても大切にするようになります。
これまで、のほほんと、第一妃の座にふんぞり返っていたのが、
かの有名な、弘徽殿女御(こきでんのにょうご)
さあ!今後、宮中関係はどうなっていくのでしょう…
平安王朝に想いを馳せながら…
今宵はお眠りなさいませ
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【今回の重要古語】
■ 心ことなり
■ 思ほす
■ おきつ(掟つ)
■ 坊(ばう)
■ ようせずは
■ べき(べし)
■ なめり
■ 思す(おぼす)
■ 一の皇子の女御
■ り 〔完了・存続〕
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