ますます春めく今日この頃、先週の土曜日は辰野町と富士見町に水野スウさんがお見えになるということで、私は富士見町にうかがってきました
3時からスウさんのお話が始まりました。「けんぽうBOOK」の受け渡しをしたことがあり、主催者のおひとりでもある藤森真理さんのお姿が見えないなぁと思っていたら、体調を崩されて今日欠席されているとお聞きしました。こつこつと準備されていらしたと思うので、とても切なかったでしょう。真理さんのその思いに添おうとされているスタッフの皆さんの温かい気持ちが伝わってくるような会でした。
さて、スウさんのお話です。お聴きするのは11月から3回目になります。でも、何度お聴きしてもいつもスウさんの言葉は胸に深く響いてきます。
はじめに、33年前に始められた「紅茶の時間」のお話をしてくださいました。子育ての仲間作りをしたいと思われ、週に一度誰でも集える場所づくりをされました。託児所のような賑わいだったそうですが、「紅茶の時間」開始から3年後、チェルノブイリ原発事故がありました。
スウさんと同じ時期に子育てしていた方達のお子さん達が大きくなり、「紅茶の時間」は次第に社会のこと、憲法や政治、原発のことなどを勉強したり語り合ったりできる場所になっていったそうです。
また、スウさんが憲法と親しくなったわけと、「ほめ言葉のシャワー」という小冊子を作られたきっかけも教えてくださいました。
「紅茶の時間」が始まって20年、満員御礼だった頃よりも人はかなり少なくなって来た時に、少ない人数だからこそ他でしない話をするようになる方がいらしたそうです。中には自分自身を責めたり、自信を持てずにいたりする人もいらして、スウさんの特技は「その人の見えていないその人の良いところを見つけたら、言葉に出して伝える」ことだったのだとお話しくださいました。それが「紅茶のしごと」なのだとおっしゃっていました。
何々が「できる」というdo的な価値観で私たちは自分や周りを判断しがちですが、doの土台であるbeを大切にすること、例えば「誠実である」「ほっとする」「あなたがいると安心する」などなどです。その人が欠点と思っていることが、とっても良い所であることもあると。
言われたら嬉しい言葉をどんな人も持っているし、等身大の自分を認めてほしいと思っている、と。
そして、12、3年前から、あなたが言われたら嬉しい言葉は何か、折り紙に書いてもらうワークショップを始められたそうです。言われて嬉しかったことは、誰でも一度くらいはあるので、それを思い出す作業です。実は、初めてこのほめ言葉のシャワーのお話をうかがった時に、私自身思い出したことがあります。たったひと言で心が温かくなり救われた記憶を。もう遥か昔のことになるのですが、あらためてその方に感謝の言葉をしたためて、お便りを出すことができたのもスウさんのお話をうかがったことがきっかけでした。手紙に同封したのは「ほめ言葉のシャワー」と「けんぽうBOOK」です。
折り紙に書かれたほめ言葉がたくさんたくさん集まって、それを本にすることになったそうです。素敵な本にされたのはスウさんの娘さんの万依さんです。万依さんは大学卒業後、引きこもっていらした時期で、少し光が見え始めた時だったそうです。本の中で万依さんは、「あなたがとても大切な存在で、あなたはあなたであることを認めていいんだよ」というメッセージ「私が私である、このことはとりかえがきかない」という言葉を書かれました。この言葉が、やがて日本国憲法13条とつながっていくことになったのだそうです。
今回のお話のテーマでもある「ほめ言葉のシャワーから平和へ」というお題でスウさん万依さん親子で初めて講演を依頼された時に、万依さんがあたってみたのは平和の象徴である「日本国憲法」。そこで13条の「すべて国民は個人として尊重される」という個人の人権が守られていることを見つけられます。その13条を自分の中に取り込んで、優しい解釈ができたのだそうです。この、13条の解釈は私たちの心に深く深く染み渡り、どんどん広がっています万依さんに感謝です。お話の中で「あなたメッセージ」と「わたしメッセージ」という言葉も出てきました。「わたしメッセージ」とは、相手も自分も大切にする言葉です。「あなたメッセージ」だと、どうしても私ではない周りの人に要求しがちな言葉になってしまうこと、よく理解できました。
けんぽうBOOKの中にも紹介されていますが、13条は日本国憲法の核心だと言われている、八法亭みややっこさん(弁護士さん)の言葉を聞いて、本当にスウさんは嬉しかったそうです
そして昨年8月に完成した「わたしとあなたのけんぽうBOOK」。スウさんと万依さん親子が作られた、私も愛してやまない素敵な本ですが、万依さんの本を作る姿勢に私は感銘を受けました。「怒りをこめて攻撃的」な表現をスウさんがされると、どんどん削られたのだとか。確かに怒りや攻撃の気持ちは人を萎縮させ、耳も目も閉じさせてしまいます。いつでも、どんな時でも、このことは忘れずに暮らしていきたいと思います。これはあぐるの活動でも大切にしていることです。
お話は自民党の憲法改正草案のことにも入っていきました。「個人」がとても小さい存在になっていて、「国」重視に傾いていること。国民に対しての義務が十数個にもなっていることをお聞きしました。
12条もとても大切です。いつも国が好き勝手できないように国民が見ていく必要があるのです。スウさんの言われる「わたしの12条宣言」。「12条する」はスウさんが考えられた言葉ですが、どんどん広がっています。「piece of peace」平和のひとかけらである私たちの不断の努力によって、周りの人たちに12条する、を続けていきたいです。
さて、「12条する」とはどんなことでしょう?身近な例をお話しくださいました。金沢の主婦「小原美由紀さん」はスウさんの昔からのお友達です。フェイスブックで国会中継を一字一句漏らさず書き起こされました。私も当時読ませていただきましたが、文字にされるって偉大でした!わかりやすかったです。その記事のシェアが6000を超えたと新聞やニュースにも取り上げられました。「金沢の主婦」でも検索できるほどの方で、シールズのお母さんとも呼ばれています。小原さんの「12条する」は国会中継を観ることができなかった人達に向けてわかりやすく文字起こしされたことなのです。
フェイスブックの「シェア」という言葉、スウさんは「おすそわけボタン」と表現されていました。確かに、フェイスブックを使っている方はすぐに理解できるかもしれませんが、使っていない方、ご年配の方はどういう意味なのかわからないです。そのことに気づかれたスウさんは、できる限りわかりやすい言葉にしてお話しすることに留意していらっしゃるそうです。とっても大切なエッセンスをたくさんいただきました。お聞きしたお話の中で「おこひるかふぇ」でやってみたいこともあります。「責めないコピーの作り方」です。政府に対して、どうしても不満、攻撃的になりがちですが、それを逆手にとって、責めずに自分たちの伝えたいことを表現する方法を考え出す、面白そうです。挑戦していきまぁす!
7月、みんなでできる12条は、選挙に行くことです。私たちにできること、まだまだあるはずだなぁ、と思ってお聞きしてきました。
スウさんは、お話の中で「おこひるかふぇ」のことも紹介してくださいました。ちょうどジャバラ本をお持ちしたので、見ていただきました!スウさんのけんぽうカフェに参加したことで、「おこひるかふぇ」を開催するようになったこと、このことをスウさんは「おつり」とおっしゃってくださっています。対人援助学マガジンの原稿にも載せてくださいました。素敵な文章にびっくりです。次号がアップされたらブログでも紹介しますね~
素敵なお話の後は、おこひるならぬ持ち寄りお夕飯の会でした食べることだぁい好きな有紀さんにも参加して欲しかったなぁ~、と思うほどご馳走が並び、やっぱり食べながらおしゃべりするって1番楽しい‼️と思いました。おこひるかふぇ、やっぱりいいです
おごちそうとスウさん
おごちそうとスウさん
写真は撮れなかったのですが、この会にはお子さん連れの若いご夫婦、ママさん達がたくさん参加していました。託児を引き受けられたのがパパさん達でした。ママさん達の取り組みをパパさん達が支えている、なんて素敵なんでしょう!本当に良い会でしたまた、久々にお会いできたお友達ともおしゃべりできて、良いひとときでした!
スウさんは今は超ご多忙なので、参院選が終わってから、ぜひ「おこひるかふぇ」いらしてください、とお願いしました。「行きたい!民主主義は選挙の後も続くからね」との言葉に胸が熱くなりました。スウさん、八ヶ岳ピースパレードのみなさま、真理さん、本当にありがとうございました!
ちょうど今日、ご近所のおこひる仲間のNさんが、スウさんの名刺代わりのCDブック、13条を歌った「ほかの誰とも」を楽譜に起こして持ってきてくださいました!彼女は「本当に素敵な歌‼️けんぽうの賛美歌だと思うわ」とおっしゃっていました。ほやほやのNさんの「12条する」をおすそわけしていただきました