「グラン・ヴァカンス 廃園の天使Ⅰ」の続編というか、グラン・ヴァカンスの背景がわかる短編集。


グラン・ヴァカンスでは、AIたちがゲストをもてなす仮想リゾート数値海岸の「夏の区界」での、ゲストが一切訪れなくなった「大途絶」や蜘蛛の王ランゴーニによる区界の残酷な終焉が描かれていて、たいそう面白く読んだ。もちろん自分にはその背景はさっぱり分からなくて、何がなんだかではあったが(^_^;


して今回、数値海岸の開発秘話やら、大途絶の真相、ランゴーニの誕生などなどの謎が明らかになるということで、楽しみに読書。またまたこの素晴らしい世界観にたいそう面白く遊ばせて貰った。あんまり面白いので、飛浩隆さんの初期中編集「象られた力」をも、早速楽天に注文してしまったくらい。


といっても、理系に程遠い自分のアタマではなかなか理解できない語句と理論の展開にはお手上げ。でも手はあげててもストーリーは存分に楽しめる。ロボットやアンドロイド、AIなど人工的に作られた擬似生命に尊厳はあるのか無いのかといったSFでよく登場する深遠なテーマもあり。


宇宙空間や仮想空間へ、またも現実逃避気味な近頃(笑)