発声において
腹筋が重要で
腹式呼吸が最も大切だと信じていた
私が抱えていた悩み。

それが誤りだと気付くまでのお話をさせて頂きます。


高校の頃、バンドに誘われ、ひょんなことから歌い始めたわけですが

発声も、自信もこじらせたまま大学のアカペラサークルに入りました。

そんな私の恥ずかしい過去。
何かのご参考になれば幸いです。

同じ道をあなたが歩まぬよう・・・


【高い声が出るという幻想】

大学に入っても、歌は中の上くらいの部類
音楽に関する知識としてはそこそこでした。

もともと声が低い方でしたので

コーラスをするにも、下の方のパート
時にはベースを担当することもありました。

高い声も、出るんやけどなぁ。。。

リード(ボーカルのこと)もたまにはやりたいなぁ

と密かに思っていましたが
その願いが叶うことはほとんどありませんでした。

それもそのはず

自分の高い声は、
恐らく自分が思っている以上に

張り上げてうるさい声
堅い声

だったのでしょう。

しかし、練習しても練習しても
悩みは尽きず。

高くなると声を押さえて歌うことが難しい

周りの先輩や同期に聞いても

腹式呼吸だ!
スッスッスー!

いやー俺も腹声になってないんだよー
という同期達

ア~~~(太い声を出そうと練習)
と喉を下げて歌う人達

先輩!腹声ってなんすか!?

腹から声を出すんだよ
と指導する先輩方。

声帯のせの字も出てこない。

当時は当たり前の光景でした。


【合宿~プロによる発声指導~】

このサークルでは年に数回合宿を設け

プロを講師に招いたりしていました。

実際にプロの前でアカペラを披露し
指導を受けたりするのです。

さすがプロだけあって、指導内容は素晴らしく
あっという間に全体的な聞こえ方がぐっと良くなるのです。

そして、そのプロによる

発声講座。

ペットボトルを壁とお腹の間に縦に挟み

それが落ちないように発声します!


そうです。

この方も

腹筋ガチガチ系古代発声法の伝導者だったのです!

そりゃプロが教えたら信じますよ。


結局、この合宿では特に発声についての向上はなく(当然ですが)

むしろ余計な知識を得て帰路についたのでした。

正しい発声について学ぶには、ここからあと1年待たねばなりませんでした。


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以前から指摘しているように

プロの歌手だからと言って、発声の知識に長けている訳ではないことがお分かり頂けたかと思います。

腹筋信者で
腹式呼吸信者だった私は

ひたすら腹筋に力を込め
腹式呼吸を練習し続けました。

発声の仕組みを学べば

それまでの練習では
高音の張り上げは治りませんし
音程はフラット気味になります。

あなたがもし同じような悩みを抱えているのなら。

これまでのように
腹筋で支える、腹式呼吸で歌う
という練習方法は役に立ちません。

お気をつけください。