こんばんは、二木拓磨です。
出版プロデューサー2人が、
1人のクライアントを通じて、
本の売り方について揉めた話をしますね。
1.アマゾンキャンペーン
2.ネット上でのプレスリリース
3.ネット広告(書評サイトや書評メルマガ)
など、
「本を売るためには、
ネットをフル活用するべきだ!」
と言うAプロデューサーと、
1.書籍購入キャンペーン
2.書店での自己買い
3.リアル広告(新聞広告や電車広告)
など、
「ネットよりもリアルに集中させるべきだ!」
と言うBプロデューサー。
果たして、どちらが正しいのでしょうか?
* * *
出版プロデューサーが、「販促」と言った場合に、
2つの意味があります。
1つは、本の販促。本を売るための活動です。
もう1つは、著者のビジネスの販促。
著者のビジネスの売上を上げるための活動です。
本を出すと、この2つの種類の「販促」が
できるようになります。
「販促について打ち合わせをしましょう!」
と出版プロデューサーが言った時に、
この2つの種類の販促が混じるので、
頭の中で整理しながら聞くと考えやすくなります。
* * *
著者のビジネスの売上を上げるための販促としては、
ネットをフル活用した方が費用対効果が
高い場合が多いかと思います。
しかし、本を売るための販促を考えると、
重要なのは、とにもかくにも
「リアル」
です。
例えば、新聞広告を打つと、
新聞広告が打たれた期間限定で、
書店が平積みをしてくれやすくなります。
つまり、新聞広告を打つことによって、
書店での露出が高まり、
新聞広告を見ていない消費者にも
あなたの本の存在が認知されやすくなるのです。
こういったレバレッジが効くのが、
リアルでの販促活動です。
* * *
そして、リアルでの販促活動は、
出版社が主にやることなので、
著者としてできることは本当に少ないです。
勝手に著者がやると、
出版社としては仕事がやりにくくなったり、
クレームが書店から来たりするので、
著者にはリアルな場所での販促を
やってほしくないと考える出版社が多いです。
それでも、効果があるのはリアルでの販促活動です。
「本を売るためにネットをフル活用しましょう!」
と勧めてくる出版プロデューサーは、
気軽にできるネットでのプロモーションを
安易に選択している可能性があります。
出版社との交渉が面倒でも、
書店でのランキングに乗せるための販促や、
平積みされている大型書店での自己買いや、
アマゾンキャンペーンよりも書店キャンペーン
などを発売1~2週間のタイミングで
行うことが大切です。
これらを行わずに、楽なネット販促を
外注に回すだけの出版プロデューサーは、
単に、広告代理店的なポジションとなって
マージンを抜くビジネスがしたいだけなのかもしれません。
私が販促に関わるときには、
著者の自己買いを軸に販促を組み立てています。
あと、書店イベントも原稿が書きあがったくらいの
タイミングで出版社に提案します。
販促は前倒しで進めないと、
気がついたときには手遅れになります。
特に大手の出版社は、何事も上に許可を取らないと
動けなかったりするので、注意してください。