今週発売の注目ゲーム 5月5週の再訪 | アドベンチャーゲーム研究処

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アドベンチャーゲーム(AVG・ADV)の旧作から新作まで、レビュー+紹介を主として取り上げるブログ。(更新は不定期)
取り上げる範囲は家庭用のみです。

【今週発売のADV】

なし。

【中間地点】

GUILD01 (ギルドゼロワン)
3DS『GUILD 01』
販売:レベルファイブ

レベルファイブの仕掛ける、オムニバスゲーム集『GUILD01』が登場。
著名クリエイターを起用した実験要素と題材の多様さコンパクトさが売りで、
続編の『02』も既に発表済みでシリーズ展開を示唆しているため、
ATAMANIAシリーズのゲーマー向けゴージャス版、と言えなくもない。
収録作品を紹介すると

『クリムゾンシュラウド』
担当:松野泰己

S・RPG『オウガ』シリーズの生みの親として知られる松野氏が手掛けるのは
TRPG代替のゲームブックを更にデジタルゲームへ変換したようなアドベンチャーRPG。
ストーリー展開はサウンドノベル形式で、選択肢(クリア後に増えて行く仕組み)や、
ダイスロール(ランダム要素)が分岐に関わってくる。
ダンジョン探索や、戦闘システムもあるため、「RPGを」ゲームブックとして噛み砕いた様な印象。

『解放少女』
担当:須田剛一

『シルバー事件』『ノーモア★ヒーローズ』で知られる須田氏が監督した3Dシューティング。
100年後の侵略された日本を舞台に、大統領になって各地を解放していく…
というXBOXで発売された『メタルウルフカオス』を彷彿とさせる設定だが、
ビジュアルや魅せ方はアニメ調で、どこからか末期ヒューマン臭さえもしてくる。

『レンタル武器屋 de オマッセ』
担当:平井善之(アメリカザリガニ)

お笑い芸人のアメリカザリガニが担当する武器屋経営SLGで、
冒険者に武器を貸出し、そこで得た収益でより強い武器を作るという内容。
他業種のクリエイターなので嘗められがちだが、まあ15年位前まではそう珍しい話ではない。
珍しい話ではないのだが、ここまで全面に押し出されると話題作りな感も否めない。

『AERO PORTER』
担当:斉藤由多加

『シーマン』『TheTower』などを手掛けた斉藤由多加が担当する
LRボタンでベルトコンベアを操り、空港の荷物を仕分けることで
報酬で空港を拡張させてゆくパズル+シミュレーション的な作品。

『タイムトラベラーズ 特別編』

7月12日発売予定の『タイムトラベラーズ』の特別編。
条件をクリアすればプレイ可能な隠し要素で、特別編と名乗っているのだが、
報道のされ方かた見るに、本編の一部を楽しめる体験版的な内容のようだ。
まあはっきり言えば、それこそ配信でしてくださいとしか。



並んでいるタイトルは全体的にレベルファイブ色は薄く
これまで狙っていな客層をターゲットにしているかと思われるが、
DLで個別販売しろという野暮ったい声も聞こえてくるだけに、
同時収録で興味の薄いソフトもつまみ食いできる雑誌のようなやり方が
どう受け止められるかは出たとこ勝負、としかいいようがない。
とりあえず『GHOST TRICK』以上にナンセンスなパッケージをどうかと思いつつ、
企画趣旨は嫌いではなく、『02』のラインナップが気になるので、注目。

【今週発売の注目ゲーム】

ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランド3D

3DS『ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランド3D』

1998年にGBで発売された『ドラゴンクエストモンスターズ』シリーズの
第一弾『テリーのワンダーランド』を3DS向けにリメイクした作品。
自動生成のダンジョンやシナリオなどの基礎部分は原作から引き継ぎつつ
グラフィックスはフル3D化し、シンボルエンカウントやスカウトシステムなども取り入れ、
ゲーム内容を近年採用しているものへ刷新しているのが大きな特徴。
当然モンスターの数も増加し、通信機能の充実も図られている。
元はポケモンブームの絶頂期に投入された作品なので、
その『ポケモン』と同じく「一周した」ユーザーが復帰してくる可能性もあり、
プロモーションもその層を意識した面を感じるので、商業的にはそこの動きがポイントだろう。

アブナイ★恋の捜査室(通常版)予約特典ドラマCD付き

PSP『ブレイブルー コンティニュアムシフト エクステンド』
PSP『ファイ・ブレイン ~絆のパズル』
PSP『神さまと恋ゴコロ』
PSP『蒼黒の楔 緋色の欠片3 明日への扉』
PSP『断罪のマリア~ラ・カンパネラ~』
PSP『アブナイ★恋の捜査室』
PSP『つよきす 3学期 Portable』
PSP『マル合格資格奪取!ケアマネジャー試験ポータブル』
PSV『ネクレボ行政書士試験』

ソフトのリリース数はダントツだが、話題作が少な目なのがPS携帯機。
メインは『ブレイブブルー』だがあくまで移植で大きな動きには成り得ず、
あとはあえて挙げれば乙女ゲームの新作が大量に発売、くらいしか話題はなし。
個人的に「おっ」と一瞬だけ思ったのは恋愛×刑事という組み合わせの
アプリからの移植+αを行った乙女ゲーム『アブナイ★恋の捜査室』だが、
その昔「トムキャットシステム開発だから」という理由だけで購入し
手ひどく返り討ちにされた『令嬢探偵』を思い出し、
悲劇は繰り返してはならないと再自覚したので特に言及はしない。
この路線は難易度付けを易しくし過ぎてゲーム的に良い評判を聞くことが少ないので、
それ専門ではなく、それを匂わせる程度のアレで良いのではと思わないでもない。

実戦パチスロ必勝法! 北斗の拳F 世紀末救世主伝説

PS3『実戦パチスロ必勝法! 北斗の拳F 世紀末救世主伝説』

据置き市場は『アトリエ』シリーズ3作や『ポータル3』の廉価版が発売されるが、
新作はこの『北斗の拳』のパチスロシミュレーターのみ。
かつてミリオンセラーを記録した作品だが、それは最も勢いのあった時期の数字で
ブームも過ぎた現在、どの程度のセールスになるかと言えば。なあ。

【コメント】
『ファイブレイン』はパズル・バトルアドベンチャーです。

2011年テレビゲームソフト売り上げTOP1000(メディアクリエイト版)(GEIMIN.NET)

ニュースがないので取り上げる話題はこれのみで。

↓TOP500以下タイトルよりピックアップ

薄桜鬼3D(限定版:ドラマCD/3Dカード(全3枚)同梱)

3DS『謎惑館~音の間に間に~』 初週:6888本 → 累計:1万9935本
3DS『ドクターロートレックと忘却の騎士団』 初週:4032本 → 累計:1万3706本
3DS『びっくり!とびだす!魔法のペン』 初週:1055本 → 累計:5870本
3DS『薄桜鬼3D』 初週:2970本 → 累計:5531本

 3DS市場は立ち上がったばかりなため、ブランド力のある『レイトン教授と奇跡の仮面』を除けば2万本が天井で、『薄桜鬼』のような一定数が稼げるシリーズも伸びきれておらず、市場のシェアも移行度も低め。ジャンル的にハードの購入動機になるほど市民権もないので、他のソフトで拡張していけば状況は変わるかもしれないが、2011年のゲーム市場においては存在感が薄いと言わざるを得ないだろう。

たんていぶ THE DETECTIVE CLUB -探偵と幽霊と怪盗と- (通常版)

PSP『planetarian~ちいさなほしのゆめ~』 初週:9222本 → 累計:1万5753本
PSP『日常(宇宙人)』 初週:5581本 → 累計:1万0848本
PSP『メモリーズオフ ゆびきりの記憶』 初週:6310本 → 累計:1万0117本
PSP『どきどきすいこでん』 初週:4559本 → 累計:7344本
PS3『そらのおとしものf Dreamy Season』 初週:4630本 → 累計:7247本
PSP『たんていぶ THE DETECTIVE CLUB-探偵と幽霊と怪盗と-』 初週:2808本 → 累計:4952本

 話題になりそこねたPSPソフトたちの結果。巻別けして展開したブーストオン関連は『たんていぶ』の1巻しか見当たらないあたり、一本2~3000本程度で×4巻と計算しても1万本前後にしか届かず、これで立行くのか少し心配にならないでもない。基本的には値崩れグループなので他にコメントはしないでおこうか。

インスタントブレイン (通常版)

XBOX360『マブラヴ ツインパック』 初週:5009本 → 累計:7156本
XBOX360『インスタントブレイン』 初週:3287本 → 累計:4991本
XBOX360『DUNAMIS15』 初週:3444本 → 累計:4774本
XBOX360『CROSS†CHANNEL ~In memory of all people~』 初週:2980本 → 累計:4153本

 年末発売とはいえ高い知名度を誇った『Ever17』のリメイクでさえもTOP1000内に引っかからないという、死屍累々としか形容しようがない状況だったのはXBOX360のADV陣。これらは『マブラヴ』を除けば『Steins;Gate』の後続とも言える立ち位置の作品だったが、結果から見て『Steins;Gate』のムーブメントは他に波及するには至っていなかったようだ。

うみねこのなく頃に散 ~真実と幻想の夜想曲~(通常版)

PSP『うみねこのなく頃にPortable 1』 初週:2263本 → 累計:4981本
PS3『うみねこのなく頃に~魔女と推理の輪舞曲~』 2011年間売上:6793本 → 累計:2万6347本
PS3『うみねこのなく頃に散~真実と幻想の夜想曲~』 初週:9833本 → 累計:1万1829本

 家庭用では『ひぐらしのなく頃に』ほどのコンテンツにはなれなかった『うみねこのなく頃に』は、こんな感じ。PS3『魔女と推理の輪舞曲』の後編である『散』は、商品性質から前作より若干下降しているものの固定層がいたので初週の動きはほぼ前作並み。ただし以降の上積みは『魔女と推理の輪舞曲』より低く、比較的ライトな層を巻き込めておらず、それは不振にも程があるPSP版の数字にも現れている。

ゴースト トリック NEW Best Price! 2000

DS『ゴーストトリック(NEW Best Price!2000)』 初週:3347本 → 累計:1万5944本
PSP『とらドラ・ポータブル!(PSP the Best)』 2011年間売上:1万3029本 → 累計:1万9887本
XBOX360『シュタインズ・ゲート(Xbox360プラチナコレクション)』 初週:3914本 → 累計:1万2307本
PSP『428~封鎖された渋谷で~(スパイク・ザ・ベスト)』 2011年間売上:7977本 → 累計:1万0169本
PS3『428~封鎖された渋谷で~(スパイク・ザ・ベスト)』 2011年間売上:6377本 → 累計:8584本

 廉価版は、『逆転裁判』のような定番グループを除けばこんな感じ。iOS市場への投入で再度注目度を上げていた『ゴーストトリック』は1.6万本と、今年の『逆転裁判』シリーズの廉価版とほぼ同等の動きで、新作ということを考えればもう少し伸ばして欲しかったような、3DSへの移行期だったことを考えれば仕方ないような。『428』は2010年末発売なため表面化しなかったが、PSP・PS3版ともに初週3桁から驚異の追い上げをみせ2011年ランキングに食い込んでいる。

PSP『コープスパーティー ブラッドカバー リピーティッドフィアー』 2011年間売上:5538本 → 累計:4万5360本
PSP『探偵オペラ ミルキィホームズ』 2011年間売上:7301本 → 累計:2万4681本
DS『怪談レストラン 裏メニュー100選』 2011年間売上:4130本 → 累計:7万3805本

 越年グループは、定番化していたり年末発売の関係だったり。

PS3『DUNAMIS 15』 初週:5970本 → 累計:9977本
Wii『イケニエノヨル』 初週:1905本 → 累計:5213本

その他のブツ。特にかける言葉は思いつかず。

ザックとオンブラ まぼろしの遊園地

DS『ザックとオンブラ まぼろしの遊園地』 2011年間売上:5520本 → 累計:1万8280本
DS『スローンとマクヘールの謎の物語2』 2011年間売上:4049本 → 累計:10万0457本

 どちらも2010年発売作品なので驚異の粘り、というより出荷が多すぎてワゴンセールスの販売分でランキングに載ってしまった類の怪談話。DSのADVブームにおける、最後の断末魔的ななにかとも言える。

2011年アドベンチャーゲームセールスTOP10(過去ログ+データ更新)



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