Amazonレビュー数&評価で観る月別アドベンチャーゲームの話題作 | アドベンチャーゲーム研究処

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アドベンチャーゲーム(AVG・ADV)の旧作から新作まで、レビュー+紹介を主として取り上げるブログ。(更新は不定期)
取り上げる範囲は家庭用のみです。

【概要】
調査範囲はここ5年間。
カウント対象は公称ジャンルがアドベンチャーゲームとあるもので、
廉価版と家庭用への2次移植したもの10件以下のものは基本除外している。
各月で評判の良かったモノ(☆×4以上)はHigh、(☆×3以下)はLow、
引っかからなかったモノの気になったタイトルをPick upとして取りあげる形式。

【Amazonレビュー数&評価で観る月別アドベンチャーゲームの話題作】

1月


2006年

High
『Fahrenheit ファーレンハイト』 Amazon評価 ×4 レビュー数 17件

Pick up
『RULE of ROSE』 Amazon評価 ×3.5 レビュー数 44件

Low
該当作なし。

2007年

High
『智代アフター ~It's a Wonderful Life~ CS Edition』 Amazon評価 ×4.5 レビュー数 57件

Pick up
『ウィッシュルーム 天使の記憶』 Amazon評価 ×4 レビュー数 137

Low
該当作なし

2008年

High
『涼宮ハルヒの戸惑』 Amazon評価 ×4 レビュー数 106

Pick up
『らき☆すた ~陵桜学園 桜藤祭~』 Amazon評価 ×3.5 レビュー数 148

※2010年末に発売されたPSP版のレビュー件数は限定版込みで3件。

Low
該当作なし。

2009年

High
該当作なし

Low
『遙かなる時空の中で 夢浮橋 Special』 Amazon評価 ×2 レビュー数 38件

2010年

High
『ラストウィンドウ 真夜中の約束』 ×4.5 レビュー数 29件

Low
『電撃のピロト ~天空の絆~』 ×2.5 レビュー数 7件
『ゲームブックDS 鋼殻のレギオス』 ×1 レビュー数 2件

- 解説 -

ラストウィンドウ 真夜中の約束Fahrenheit ファーレンハイト

 1月は『ウィッシュルーム』や『ラストウィンドウ』などCiNG開発のアドベンチャーゲームが良く出ていた…特に深いことは語りたくない。ついでにCiNGはデビューの『アナザーコード』こそ不評だったが、『ウィッシュルーム』以降はAmazonで安定して高評価を獲得している。1月は年末の旧作がメインとなる月なので、基本的には後半までアドベンチャーどころかゲーム自体がそんなに出ないのが特徴。後年取りあげる様なタイトルはあまりないが、『HEAVY RAIN』で高評価を得るはQuantic Dreamが制作した『ファーレンハイト』は無名時からそこそこ好評だったりするのでピックアップ。

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2月

2006年

High
『CLANNAD -クラナド-』 Amazon評価 ×5 レビュー数 152

Low
該当作なし。

2007年

High
『レイトン教授と不思議な町』 Amazon評価 ×4 レビュー数 173

Pidk up
『ひぐらしのなく頃に祭』 Amazon評価 ×3.5 レビュー数 243
※限定版は☆×4で若干高め。

Low
『そしてこの宇宙にきらめく君の詩 XXX』 Amazon評価 ×2.5 レビュー数 10件

2008年

High
『エル ザ プロローグ トゥ DEATH NOTE ~螺旋の罠~』 Amazon評価 ×4 レビュー数 32件

Low
『D.C. ~ダ・カーポ~ the Origin』 Amazon評価 ×2.5 レビュー数 16件

※ソフトというより会社への批判が主。

2009年

High
『CHAOS; HEAD NOAH』 Amazon評価 ×4.5 レビュー数 60件

Pick UP
『名探偵コナン&金田一少年の事件簿 めぐりあう2人の名探偵』 Amazon評価 ×4 レビュー数 48件

Low
『内田康夫DSミステリー 名探偵・浅見光彦シリーズ「副都心連続殺人事件」』
Amazon評価 ×3 レビュー数 13件

2010年

High
『HEAVY RAIN -心の軋む時-』 Amazon評価 ×4 レビュー数 235
『密室のサクリファイス』 ×4 レビュー数 29件

Low
『堕天使の甘い誘惑 X 快感フレーズ』 Amazon評価 ×3 レビュー数 29件

- 解説 -

CLANNAD -クラナド-レイトン教授と不思議な町 フレンドリー版

 2月からは発売数が上昇し、話題作がかなり発売される。近年では『HEAVY RAIN』『コナン&金田一』『レイトン教授と不思議な町』など話題作に事欠けず、恐らく一年で最も豊作な時季と観られる。今回取り上げたAmazonレビューでも異彩を放っている『CLANNAD -クラナド-』の5点満点は人生への評価なので納得。自分の人生を満点と言えないで、どうする。というメッセージが伝わってきますね。とりあえず152件もレビューが集まっても☆×5は尋常ではないとしかコメント仕様がない。また、すっかり11月のイメージが定着している『レイトン教授』もデビュー時は2月で、評価も今の様に定番として褒められているというよりも、単なる脳トレパズルにストーリーがついただけと批判する声もあり賛否両論だった。

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3月

2006年

High
該当作なし。

Low
『灼眼のシャナ』 Amazon評価 ×3 レビュー数 22件
『ビズ体験シリーズ 起業道』 Amazon評価 ×3 レビュー数 17件

2007年

High
『VitaminX』 Amazon評価 ×4 レビュー数 71件
『金色のコルダ2』 Amazon評価 ×4 レビュー数 69件

Low
該当作なし。

2008年

High
『コードギアス 反逆のルルーシュ LOST COLORS』 Amazon評価 ×4 レビュー数 46件
『12Riven -the ψcliminal of integra』 Amazon評価 ×4 レビュー数 31件

Pick up
『奈落の城 一柳和、2度目の受難』 Amazon評価 ×3.5 レビュー数 19件

Low
該当作なし。

2009年

High
『アマガミ』 Amazon評価 ×4.5 レビュー数 76件

Low
『夢想灯籠』 Amazon評価 ×2.5 レビュー数 12件

2010年

High
『S.Y.K 蓮咲伝』 Amazon評価 ×5 レビュー数 12件

Low
『バーストエラー イブ・ザ・ファースト』 Amazon評価 ×2 レビュー数 21件

- 解説 -

バーストエラー イブ・ザ・ファースト

 3月と言えば決算期。決算期と言えばスケジュールに会わせて無理矢理発売されるゲーム。ということで、これはどうなんだと言いたくなるような作品がたまに出て来るのが3月。そして延期組みの最終着地地点(その1)でもある。近年では特にフォグが開発した『奈落の城』(バグが頻出したためバッシングを受けた。実のことを言えばAmazon評価は前作並み。)『夢想灯籠』(一本道分岐ノベルゲーム。矛盾しているようでしていない、そんな作品。)はすこぶる評判が悪く、『久遠の絆』『MISSING PARTS』で知られるフォグの信頼度を落とす原因となった。他は『burst error. EVE the 1st.』がファンから悪評の集中砲火を受けていたり、なぜか評判の良い乙女ゲームが出たりするのが最近起きたイベント。

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4月

2006年

High
『おさわり探偵 小沢里奈』 Amazon評価 ×4 レビュー数 28件

Low
『ローゼンメイデン ドゥエルヴァルツァ』 Amazon評価 ×2.5 レビュー数 85件

2007年

High
『フェイト/ステイナイト』 Amazon評価 ×4.5 レビュー数 157

Low
『逆転裁判4』 Amazon評価 ×3 レビュー数 266

2008年

High
『奈落の城 一柳和、2度目の受難』 Amazon評価 ×4 レビュー数 17件

Low
『エーデルブルーメ』 Amazon評価 ×2 レビュー数 67件

2009年

High
『とらドラ・ポータブル!』 Amazon評価 ×5 レビュー数 57件

Low
『ヒャッコ よろずや事件簿 !』 Amazon評価 ×2.5 レビュー数 5件

2010年

High
『マリッジ ロワイヤル プリズムストーリー』 Amazon評価 ×4 レビュー数 17件

Low
『ラブルートゼロ Kisskiss☆ラビリンス』 Amazon評価 ×1 レビュー数 5件

- 解説 -

とらドラ・ポータブル!(通常版)逆転裁判4(通常版)(特典無し)

 4月はゴールデンウィーク商戦に合わせて大作ゲームが出る月。近年で最も有名な作品は『逆転裁判4』だが、これはゴールデンウィーク前で既に評価がかたまりもの凄い勢いで低評価をくらっていたような。またアニメ映画も公開される時季なため、4~5月は投入されるキャラクターゲームが恐らく最も多い月のはず(調査はしていない)。『とらドラ!ポータブル!』は誠に遺憾ではありますが神ゲーです。まあ冗談は置いておいて、一定数を超えた集合知でどちらかに評価がフルスロットルになるということは偏りがあるという裏返しなわけで、上の『CLANNAD』を含めてAmazon等で評価を下すレビュアーの嗜好を知る上では丁度良いサンプルなのかも知れない。

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5月

2006年

High
『つよきす Mighty heart』 Amazon評価 ×4.5 レビュー数 30件

Pick up
『SIMPLE DSシリーズ Vol.8 THE 鑑識官』 Amazon評価 ×4 レビュー数 28件
『ミステリート ~八十神かおるの事件ファイル~』 Amazon評価 ×4 レビュー数 10件

Low
『そしてこの宇宙にきらめく君の詩』 Amazon評価 ×2 レビュー数 79件

2007年

High
『おさわり探偵 小沢里奈 シーズン2 1/2 ~里奈は見た!いや、見てない~』
Amazon評価 ×4.5 レビュー数 9件

Low
該当作なし。

2008年

High
『アオイシロ』 Amazon評価 ×4.5 レビュー数 19件

Low
『ふしぎ遊戯 朱雀異聞』 Amazon評価 ×2.5 レビュー数 71件

2009年

High
『THE 裁判員 ~1つの真実、6つの答え~』 Amazon評価 ×4.5 レビュー数 18件
『有罪×無罪』 Amazon評価 ×4 レビュー数 33件
『逆転検事』 Amazon評価 ×3.5 レビュー数 225件

Low
『超名作アドベンチャーDS レイモンド・チャンドラー原作 さらば愛しき女よ』
Amazon評価 ×2 レビュー数 5件
『スローンとマクヘールの謎の物語』 Amazon評価 ×3 レビュー数 98件

2010年

High
『デザート・キングダム』 Amazon評価 ×4 レビュー数 23件

Low
『薄桜鬼 遊戯録』 Amazon評価 ×2.5 レビュー数 68件

- 解説 -

有罪×無罪スローンとマクヘールの謎の物語

 ゴールデンウィーク周辺のため地味目な力作ゲームが発売されるのが5月。特に2009年は裁判員制度開始時だったため裁判ゲームが大量に発売され、『逆転検事』『スローンとマクヘールの謎の物語』の様なロングヒット作が出ており商業的にも作品的にも盛況となった。ただし他のジャンルで大作が出るのもこの時期のため、埋もれるケースもある。したがって固定客狙いの作品を多く見かける。

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6月

2006年

High
『パルフェ -Chocolat Second Style-』 Amazon評価 ×5 レビュー数 10件

Low
『転生八犬士封魔録』 Amazon評価 ×2.5 レビュー数 37件

2007年

High
該当作なし。

Low
『株トレーダー瞬』 Amazon評価 ×3 レビュー数 17件

2008年

High
『ソラユメ』 Amazon評価 ×4.5 レビュー数 35件

Low
『DS山村美紗サスペンス 古都に舞う花三輪 京都殺人事件ファイル』
Amazon評価 ×2 レビュー数 42件

2009年

High
『銃声とダイヤモンド』 Amazon評価 ×4.5 レビュー数 42件

Low
『ゴルゴ13 ファイルG13を追え』 Amazon評価 ×1.5 レビュー数 4件

2010年

High
『ゴーストトリック』 Amazon評価 ×4.5 レビュー数 82件

Low
該当作なし。

- 解説 -

ゴースト トリック銃声とダイヤモンド

 ゴールデンウィークから外れるため谷間と言って問題ないのだが、『ゴーストトリック』や『銃声とダイヤモンド』『HOSPITAL. 6人の医師』などやたら渋い雰囲気の作品が多く見受けられる月。渋すぎてパッとしないのが素直な感想だが、ラインナップ的には最も玄人受けしそうな気もする。はっきり言うと普通のアドベンチャーからはヒット作が出にくい時季でもある。

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7月

2006年

High
『緋色の欠片』 Amazon評価 ×4 レビュー数 183

Low
『プロジェクトハッカー 覚醒』 Amazon評価 ×2.5 レビュー数 51件
『かまいたちの夜×3 三日月島事件の真相』 Amazon評価 ×3 レビュー数 166

2007年

High
『ぼくのなつやすみ3 -北国篇- 小さなボクの大草原』 Amazon評価 ×4 レビュー数 67件

Low
『探偵 神宮寺三郎DS いにしえの記憶』 Amazon評価 ×3 レビュー数 54件

2008年

High
『零 ~月蝕の仮面~』 Amazon評価 ×4 レビュー数 143

Low
『ナナシ ノ ゲエム』 Amazon評価 ×3 レビュー数 116

color="white">2009年

High
『ぼくのなつやすみ4 瀬戸内少年探偵団、ボクと秘密の地図』 Amazon評価 ×4 レビュー数 88件

Low
『恐怖体感 呪怨』 Amazon評価 ☆×2 レビュー数 27件

2010年

High
『夏空のモノローグ』 Amazon評価 ×5 レビュー数 38件

Pick up
『TRICK×LOGIC Season1』 Amazon評価 ×4 レビュー数 51件
『華ヤカ哉、我ガ一族』 Amazon評価 ×4.5 レビュー数 136

Low
該当作なし。

- 解説 -

ぼくのなつやすみ4 瀬戸内少年探偵団、ボクと秘密の地図夏空のモノローグ(通常版)

 夏休み前哨戦に位置するのが7月。毎年『ぼくのなつやすみ』が色んな形で出てくる月でもある。4~6月とは打って変わり、夏の入り口なので季節感が強い作品が多く投入されるのが特徴で、当然ながらホラー作品の数も7月から増加。評価が高ければ8月までに定番化するのがヒットのテンプレート。夏休みに合わせホラー以外の作品も出てくるため、意外と多様なジャンルが揃ってくる月でもあるが、なぜかデキ的に絶賛されるようなゲームは少ない。2010年は乙女ゲームが豊作だったらしく『夏空のモノローグ』『華ヤカ哉、我ガ一族』ともにかなり評価が良いのは新たなトレンドか。んなわけないか。

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8月

2006年

High
『planetarian ~ちいさなほしのゆめ~』 Amazon評価 ×4.5 レビュー数 21件

Pick up
『EVE new generation』 Amazon評価 ×3.5 レビュー数 23件

Low
該当作なし。

2007年

High
該当作なし。

Low
『ONI零 -戦国乱世百花繚乱』 Amazon評価 ×2 レビュー数 12件

2008年

High
『シークレットゲーム~Killer Queen~』 Amazon評価 ×4.5 レビュー数 26件

Low
『みてはいけない』 Amazon評価 ×2 レビュー数 20件

2009年

High
『いろづきチンクルの恋のバルーントリップ』 Amazon評価 ×4.5 レビュー数 56件

Pick up
『おおかみかくし』 Amazon評価 ×3.5 レビュー数 70件

Low
『スパロボ学園』 Amazon評価 ×2.5 レビュー数 27件
『あこがれガールズコレクション ステキにナースDays』 Amazon評価 ☆×1 レビュー数 3件

2010年

High
『二世の契り』 Amazon評価 ×4 レビュー数 70件

Pick up
『コープスパーティー ブラッドカバー リピーティッドフィアー』
Amazon評価 ×3.5 レビュー数 70件

Low
該当作なし。

- 解説 -

ナナシ ノ ゲエムコープスパーティー ブラッドカバーリピーティッドフィアー (通常版)

 夏休み商戦も本番なので当然ながらホラーゲームが1年で最も投入される月。近年は『コープスパーティ』や『おおかみかくし』『流行り神3』など、スマッシュヒット作も出ており景気の良い月でもある。ただしテキストのホラーは基本ニッチ商売なので、知名度とくらべて売上げ自体はそんなに高いモノではない。またホラーの評価傾向として絶賛されることが少なく、例えば『コープスパーティ』の場合は「確かに怖かったものの、インターフェースが最悪」という評価で☆×2なんてケースもレビュー開始初期では見かけ、商品としては値崩れも起こさず割とロングランしたもののAmazon等のレビューが掲載されているサイトでは低評価という不思議な現象が発生していた。

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9月

2006年

High
『龍刻 Ryu-Koku』 Amazon評価 ×4 レビュー数 11件

Low
『クラスターエッジ 君を待つ未来への証』 Amazon評価 ×2 レビュー数 11件

2007年

High
『ななついろ★ドロップス Pure!!』 Amazon評価 ×4.5 レビュー数 29件

Low
『うわさの翠くん!! 夏色ストライカー』 Amazon評価 ×2.5 レビュー数 14件

2008年

High
『薄桜鬼』 Amazon評価 ☆×4 レビュー数 197
『theresia -テレジア- Dear Emile』 Amazon評価 ×4 レビュー数 16件

Low
『ディー・グレイマン 奏者ノ資格』 Amazon評価 ×3 レビュー数 16件

2009年

High
『探偵 神宮寺三郎 灰とダイヤモンド』 Amazon評価 ×4 レビュー数 22件

Pick up
『アイドルマスター ディアリースターズ』 Amazon評価 ×3.5 レビュー数 61件

Low
『金田一少年の事件簿 悪魔の殺人航海』 Amazon評価 ×3 レビュー数 19件
『山村美紗サスペンス 京都鞍馬山荘殺人事件』 Amazon評価 ×2 レビュー数 5件

2010年

High
『ティンクル☆くるせいだーすGoGo! 』 Amazon評価 ×5 レビュー数 12件

Pick up
『探偵 神宮寺三郎DS 赤い蝶』 Amazon評価 ×4.5 レビュー数 8件

Low
該当作なし。

- 解説 -

探偵 神宮寺三郎DS 赤い蝶

 決算期直前なので意外と発売数の多いのがこの9月。3月と同じく中堅タイトルの競合が激しく、新規作よりもむしろシリーズものが投入されやすいのが特徴。また、9~10月は延期組の終着地点(その2)でもある。傾向としては妙な作品も出やすいものの、全体的にはアンパイ的な企画のゲームが多く発売されるため、下手を踏むことはあまり無い。神宮寺シリーズはここ2作この月で発売されており、2010年の『赤い蝶』はシリーズで一番高評価なのだが、これはレビュアーの傾向が減点方式なためで、例えば「声」という叩き所のある『灰とダイヤモンド』の方が文章の内容では褒められている。ある意味Amazonレビューの特色が出ている結果ではないだろうか。

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10月

2006年

High
『うたわれるもの 散りゆく者への子守唄』 Amazon評価 ×4.5 レビュー数 93件

Low
『Yo-Jin-Bo ~運命のフロイデ~』 Amazon評価 ×3 レビュー数 36件

2007年

High
『宝島Z バルバロスの秘宝』 Amazon評価 ×4.5 レビュー数 33件

Low
『アパシー ~鳴神学園都市伝説探偵局~』 Amazon評価 ×3 レビュー数 35件

2008年

High
該当作なし。

Low
『神代学園幻光録 -クル・ヌ・ギ・ア-』 Amazon評価 ×1.5 レビュー数 20件

2009年

High
『Steins;Gate』 Amazon評価 ×4.5 レビュー数 372

Low
『ヒイロノカケラ 新玉依姫伝承』 Amazon評価 ×3 レビュー数 70件

2010年

High
『車輪の国 向日葵の少女』 Amazon評価 ×4.5 レビュー数 12件

Low
『天下一★戦国Lovers DS』 Amazon評価 ×2 レビュー数 52件

- 解説 -

Steins;Gate (シュタインズ・ゲート) (通常版)

 10月は夏休みも決算期も抜けてしまい市場が停滞する谷間期間にあたるのだが、あの『逆転裁判』や『DS西村京太郎サスペンス』が10月発売だった様に、あまり期待度の高くない作品が大ヒットすることもたまにあるダークホースな月でもある。最近は『Steins;Gate』がこの枠で、Amazonレビュー数は今回調べたゲームの中ではダントツの372件。現代アドベンチャーの“流れ”をも変えつつある『Steins;Gate』の影響力の高さを感じさせられるだろう。ただ逆に谷間故にデキの悪い作品も出やすいのは確かで、ピックアップされてはいないものの低評価のゲームを良く見かけるのもこの時期だったりする。
 
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11月

2006年

High
『ブラック・ジャック 火の鳥編』 Amazon評価 ×4 レビュー数 11件

Low
該当作なし。

2007年

High
『レイトン教授と悪魔の箱』 Amazon評価 ×4 レビュー数 76件

Low
『四八(仮)』 Amazon評価 ×2 レビュー数 74件

2008年

High
『レイトン教授と最後の時間旅行』 Amazon評価 ×4.5 レビュー数 109

Low
該当作なし。

2009年

High
『レイトン教授と魔神の笛』 Amazon評価 ×4 レビュー数 57件

Pick UP
『CALLING ~黒き着信~』 Amazon評価 ×3.5 レビュー数 24件

Low
『サクラノート ~いまにつながるみらい~』 Amazon評価 ×3 レビュー数 21件
『パズル-ぼくらの48時間戦争-』 Amazon評価 ×2.5 レビュー数 3件

2010年

High
『ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生』 Amazon評価 ×4 レビュー数 119

Low
『雅恋 ~MIYAKO~』 Amazon評価 ×3 レビュー数 17件

- 解説 -

レイトン教授と最後の時間旅行(特典無し)ブラック・ジャック 火の鳥編

 毎年『レイトン教授』の新作が出ているため陰に隠れているが、良かれ悪かれ伏兵が出やすいのが10月後半から12月序盤。特に年末商戦に合わせて新作が発売される11月は『ブラックジャック 日野獲り編』(あのゾルゲ市蔵がシナリオ制作に関与していることでその筋には有名な作品。終盤は手塚治虫というより石ノ森章太郎ライク。難易度がかなり高いが、公式サイトでは易しめと書かれている。)『ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生』などクセの強い作品が出やすいのだが、当然年末にあわせて何かのボタンを掛け違っている作品も多量に出ているため、10月に続いて当たりはずれがかなりでかい。そして冬と言って問題ない時季にしてホラー作品が良く出る月でもある。

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12月

2006年

High
『夜明け前より瑠璃色な -Brighter than dawning blue-』 Amazon評価 ×4.5 レビュー数 68件
『銀魂 銀時VS土方!?かぶき町 銀玉大争奪戦』 Amazon評価 ×4.5 レビュー数 27件

Low
該当作なし

2007年

High
『涼宮ハルヒの約束』 Amazon評価 ×4 レビュー数 144

Low
『ひぐらしのなく頃に祭 カケラ遊び・アペンド版』 Amazon評価 ×2.5 レビュー数 56件

2008年

High
『428 ~封鎖された渋谷で~』 Amazon評価 ×4.5 レビュー件数104

Low
『赤い糸 DS』 Amazon評価 ×2 レビュー数 27件
『江戸川乱歩の怪人二十面相DS』 Amazon評価 ×1 レビュー数 4件

2009年

High
『リトルバスターズ! Converted Edition』 Amazon評価 ×4.5 レビュー数 31件

Pick up
『極限脱出 9時間9人9の扉』 Amazon評価 ×3.5 レビュー数 46件

Low
『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST -黄昏の少女-』 Amazon評価 ×1 レビュー数 1件

2010年

High
『うみねこのなく頃に ~魔女と推理の輪舞曲~』 Amazon評価 ×4.5 レビュー数 37件
『探偵オペラミルキィホームズ』 Amazon評価 ×4.5 レビュー数 31件

Low
該当作なし。

- 解説 -

428 ~封鎖された渋谷で~(初回入荷分) 特典 スペシャルDVD「SHIBUYA 60DAYS ~Making 428~」付き


 年末商戦本番なのがこの12月なわけだが、他の大作と競合して勝てるようなジャンルではないので、12月前半に一定の数字が期待できるであろうブランドの作品が出てからは、基本的に美少女ゲームや乙女ゲームの移植が発売されるっきりで特に動きがなかったりする。高評価でも埋もれてしまう作品が多めなため、実のことを言えば一年で最も不作な月と言って良いのかも知れない。

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【総括】

全体を通してレビューを観て目に付いたのは恋愛・乙女・キャラクターものは高評価と低評価が極端に出やすい点で、レビュー内容も「ゲーム的な仕掛け」というよりも如何にストーリーや演出が素晴らしいかについてピックアップされているものが多く、逆に一般的なゲーム性を重視したサスペンス系のゲームはストーリー以外の点も注目され減点方式での評価がなされているため、点数にギャップが生まれがちという印象を受けた。これは「それが悪い」という話ではなく、同じアドベンチャーという題材でも実は別の次元で評価されているのでは。という結論に行き着きそうだが、実のことを言えば『逆転裁判』や『神宮寺三郎』などキャラクター性の強い作品ではキャラ論を多く見かけるので、実際のところは傾向の差程度のものかと思われる。おいこれ総括にも何にもなってないぞ。

【コメント】
Amazonは基本的に美少女、乙女ともに高評価と低評価が極端になりがちなため、
ピックアップするとその筋には有名であろうタイトルが多くを占めてしまうため、
Pick UPというかたちで何とか一般のアドベンチャーも取り上げさせてもらった。
ただ、個人的には今の「オタク嗜好」を知る上でかなり楽しい記事になったかもしれない。

実のことを言えば評価が高いゲームが最も出やすい月はどこか、というプロットで開始し、
そもそも“評価”なんて曖昧なモノをどう数値化するかだ、どうだやってるウチに、
こういうとてつもなく観にくい内容に変わっていた…という迷走もあった記事。
一時は各ハードでの発売数比較なんて良く解らないものになりかけていたのだから恐ろしい。