アドベンチャーゲームの印象的なバッドエンディング10選 | アドベンチャーゲーム研究処

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アドベンチャーゲーム(AVG・ADV)の旧作から新作まで、レビュー+紹介を主として取り上げるブログ。(更新は不定期)
取り上げる範囲は家庭用のみです。

【概要】
エンディングネタなのでネタバレは避けられず。
趣旨的にメジャーなのしか取りあげません。

【アドベンチャーゲームの印象的なバッドエンディング10選】

10.『かまいたちの夜2』「釣りエンディング」



『かまいたちの夜2』の初回プレイでは最短のバッドエンディング。
釣りの話題になった際に出現する選択肢で分岐するボケエンディングなのだが、
それが話の流れ上、別に選んでも問題なさそうなもので、
しかも2つの選択肢しかない(つまり確率50%)という設計となっていたため、
00年代のアドベンチャーではセールスや距離的に最も観られたバッドエンディングかと思われる。
他にも駄洒落で終わってみたり、後ろから突然首を絞められて死んだり、
推理ミスと言うよりも運で行き着くエンディングが多く(前作も少数だがあったが)、
しかもギャグかグロが高頻出したため『かまいたちの夜2』の不評を招く原因の一つとなった。
ああ…ついでに※電波文はエンディングではない。勿論バグでもなく、演出だ。

※電波文…『かまいたちの夜2』で金の栞を獲得後にランダムで発生するバグ風の演出。正式な名称はないはずだが、意味不明な文章が載っているため、電波文か怪奇文章という呼び名で通っている。金の栞のおまけ要素はこれのみだったため、当時は隠しシナリオのキーになるのではと色々と議論を呼び、DVDの内容を解析する猛者までも出現した。

9.『ムーンライトシンドローム』「エンディング」



須田剛一がディレクションした作品でも、
大イレギュラーとしてファン内ではなかったことになっている
サイコホラーアドベンチャー『ムーンライトシンドローム』のエンディング。
ネタバレというかストーリーが未だに理解しきれないので詳しく言わないが、
つまるところに二段、いや三段夢オチ。しかも悪夢の。そんな一言でまとめて大丈夫なのか。

8.『四八(仮)』「トゥルーエンド」



00年代にプレイしたゲームのエンディングでは一番あっけに取られたエンディング。
もう何度も紹介している気がするのだが、それでも挙げたくなる。そんな終わり方。

7.『EVE the lost one』「エンディング」

The Lost One Last Chapter of Eve

発売後の評判の悪さからファンディスクで補完(言い訳)や、
リメイク版が発売された曰く付きの作品がこの『EVE the lost one』。
セカイ系のファンタジー文学小説をアドベンチャーでやろうとしたゲームのはしり。(深読み)
なんせ終盤に主人公がいきなり自我崩壊し、リアルな顔面CGと会話するハメになったり、
棺桶片手に失踪したにも関わらず目撃情報が殆ど見つからないキャラクターがいたり、
官邸に一般人が普通に入れたり、砂漠で関係者がいきなり勢揃いして種明かし始めるのだから、
もうこれはファンタジーとしか言いようがない。
終わり方については一口で言えば「アダムとイヴ」エンドだったのだが、
『EVE』のシリーズ化に伴い、ほぼなかったことになっている。
ついでに続編の『EVE ZERO』(多くの伏線を残し関係者が続々死亡。)も
『EVE FTA』(未完の作品に無理矢理エンドマークを打つ)も、
かなり酷いエンディングだったりする。

6.『東方見文録』「エンディング」



「おかーさん」連呼とムンクの『叫び』で一部に有名な『東方見文録』のED。
動画では解らないが、この直前にタイムトラベラーの主人公が呼び寄せた神風特攻隊に狙撃され
相棒キャラクターであるマルコポーロが死亡しており、主人公はそのショックで気絶。
気を失った間のナレーションで主人公がプレイヤーに「ムジツ」を主張し始める…
というとんでもない流れとなっていたりする。

最終的に主人公の行き着く「ジパング」は時の歪みが生んだ「日本ではない日本」で、
タイムトラベルによって時の流れを冒した主人公はその責任として、
そこ住人として幽閉されると宣告され、発狂というこのエンディング。
舞台や設定は解りやすく言えば『時をかける少女』の時の亡者なのだが、
前後関係から考えれば主人公がショック状況で生んだ妄想とも考えられるので、
逃避の妄想世界で更に発狂するという2番底みたいなオチの可能性もある。

5.『アイドル八犬伝』「きみはホエホエ娘」



同じエンジンが使われたため上の『東方見文録』とセットで語られることの多い
『アイドル八犬伝』のエンディング、「きみはホエホエむすめ」。
開発はナツメ(こちらが『東方見文録』の開発元)とトーワチキの共同開発。
本作で使われた「ありがトーワチキ」のダジャレはあまりにも有名(大嘘)。
厳密にはバッドではないのだが、ベタにセット枠で選出。

4.『探偵神宮寺三郎 灯火が消えぬ間に』「タバコ4000本喫煙エンド」



デビュー作では相棒格の刑事にアリバイを聞いたり、
やくざの事務所で挨拶をしないとゲームオーバーになったり、
(後年、FCソフトをPS向けに移植した『アーリーコレクション』でネタにされていた。)
最近でも聞き込みを失敗すると小学生に怒られゲームオーバーなんてのもある、
ハードボイルドかというと謎の多い神宮寺シリーズのバッドエンディングでも、
特筆して変な終わり方が、DECO遺作である『灯火が消えぬ間に』の喫煙エンド。
このシリーズは初期より「タバコを吸う」コマンドがあるのは今更言うまでもないのだが、
『灯火が消えぬ間に』では劇中でタバコを吸った回数がカウントされており、
その本数が4000本を超えた時、神宮寺の身に「何か」が起こるお遊びエンディングが用意されていた。
ただ本数的には狙っていないと観れないし、挑戦してても面白くないので内容を知る人は少ない。
ついでに喫煙でのバッドエンドはこれがシリーズ唯一だったはず。

3.『黒ノ十三』「羽音」

ベストプライス黒ノ十三

小説家の綾辻行人が監修したサウンドノベルとして売り出されたものの、
近年シナリオに参加した『TRICK×LOGIC』のインタビューでその存在をスルーされていた、
(代表作である『館』シリーズがテーマのRPG『YAKATA』には言及されている)
収録されているシナリオはどれも鬱展開ということで有名なホラーゲーム『黒ノ十三』。
どれも薄気味悪いのだが、その中でも未だに語り草なのがこの「羽音」で、
あらすじだけ言えば、いじめで黒くて素早く動く虫を食べさせられた主人公が、
復讐を果たすためかつていじめで自殺した幽霊を呼び出そうとするが…というもの。
一応サウンドノベルなので選択肢によってはバッドエンドにもなるのだが、
シナリオありきの作りだったおかげで、トゥールエンドが最もバッドという、
とんでもないゲーム構造になっている。

2.『シャドウゲイト』「バッドエンド」



「つかう」→「つるぎ」→「セルフ」で死亡。
なにげなく床をクリックすると死亡。壁を調べると死亡。移動すると死亡。
という死の八方塞で有名な『シャドウゲイト』のバッドエンディング。
むしろ、死ぬことがゲームデザインの一部となっている節がある。
即死ものというと『AKIRA』『時空の旅人』『ミシシッピー殺人事件』なども有名だが、
これは死に方がかなり間抜けで、微妙に愛嬌があるのが特徴。つまり死神萌えゲー。
続編(なのか?)の『デジャヴ』『悪魔の招待状』もかなりの理不尽さだが、
知名度、お約束ともに問題なしなので『シャドウゲイト』一択で。

1.『かまいたちの夜』「サバイバルゲーム」



恐らく日本で最も有名なミステリーアドベンチャーのエンディング。
犯人不明なまま疑心暗鬼に苛まれ、ヒロインに刺し殺される全滅オチという、
クローズドサークルもので想定しうる最悪の終わり方なのだが、
ゲームデザイン上、推理ミスをするとこのエンディングへ高確率で行くように設計されており、
多くのプレイヤーが初回プレイでこれに遭遇し、強烈なインパクトを残した。
だが、そのインパクトこそが2周目をプレイさせる理由ともなっており、
「あなたのせいで死体が増える」のキャッチコピー通り、
推理することで「最善」にも「最悪」にもなり得るという『かまいたちの夜』の特性を刷り込ませ、
同時にこの作品を名作にまで押し上げた画期的エンディングでもある。

【コメント】
こう言うのが求められてるのか。いや、ないか。
無理矢理ねじ込んだネタや、過去の記事との被りが気になるが気にしない。

- 関係ない話 -

「え、ミスター味っ子が解らないの?」
「ええ、なんですかそれ。」
「いや、あの『ルネッサーンス情熱ー。僕のこの手ぇ↑はぁ~』ってあれだよ?」
「え。いや、なんか裏声でキモいッスわ。」

という会話をした数日前にしたのを突然思い出す。

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二度揚げはそんなにマイナーなのか。
弁当二段ネタや、パイナップルのカレー、餅入りお好み焼き…解らない?
こう考えると、普通の調理法も凄い扱いだったんだな。アレ。