前回は「売れるキャッチコピー」のお話でした。
今回は「喫茶去(きっさこ)」というお話です。
◆その日は朝からイライラしていました。
禅の世界に「喫茶去(きっさこ)」という言葉があります。
「よう来られましたなあ。まあ、お茶でもお飲みなさいよ。」という意です。
この言葉の本当に意味するところは私のような煩悩の多い人間には
分かりませんが、先週の火曜日に私はこの「喫茶去」を経験しました。
その日の朝、私はイライラ!!していました。
その日は朝からパソコンの調子が悪く何度も再起動をかけていました。
起動のたびに時間がかかりイライラ・・・。
10時には白内障の手術で入院していた父が退院するため
病院に迎えに行くことになっていました。
仕事に区切りをつけて、時間ぎりぎりに家を出て病院に向かうと、
途中の信号には何度も引っかかる・・・。
時間ぎりぎりに病院に着くと、駐車場は満杯!
止める場所が見当たりません。
ぐるぐると場内を回り続け、やっと1台の空きスペースを発見。
病院の4階まで駆け上がるとまだ退院の手続きが完了しておらず、
薬の処方箋が出るまで1、2時間かかるかもしれないとのこと。(・・イラっ!)
院内に居るソーシャルワーカーさんにも相談があったので
1階に降りて部屋に行くと不在。(・・・・・・。)
入院費を引き出すために院内のATMに向かうと、
そこには長蛇の列が・・・しかも、高齢の方が多いので時間がかかる・・・・。
(あ~、イライラ。)
それでは先に快気祝いを買っておこうと思い、
病院近くのギフトショップへ。
お店に着くと・・・・・シャッターが閉まっている・・・。
ガ~ン!!お休みですかぁ・・。
(イライライライライライライライラ)
その日は朝から気温が上がり暑い日でした。
汗が体中から噴き出しています。
お店の裏手に回ってみると事務所があり、
そのドアが開いていました。
中に人がいたので声をかけてみました。
「すいません。今日はお休みですか?」
多分この時には私の目は引きつり、額には血管が浮き、イライラが顔と
口調に表れていたはずです。
イライラ度数→MAX!!の状態だったのです。
すると・・・。
◆まあお茶でもどうぞ。
私が声を掛けると、事務所にいた男性がこちらを振り返りました。
(男性)「はい、何でしょうか?」
(非常に感じの良い笑顔と言葉)
(私)「父が退院するので快気祝いを探しています。今日はお店はお休みですか?」
(非常にイライラした顔と言葉)
(男性)「それではお店を開けますね。どうぞ、こちらへ。」
(私)「あっ、すいません。ありがとう・・・。」
(ちょっと拍子抜けした感じ)
男性は私を事務所から店内につながる通路に案内し、
そして、店内に入ると明かりをつけてくれました。
するとすぐに、一人の女性が現れました。
年齢は60代くらいでしょうか。
ニコニコとした笑顔が印象的な物腰の柔らかな方です。
私が急いでいることを察してくれたのか、
その人はすぐに私に予算と数を確認して、
快気祝いに適した品物を熱心に探してくれました。
品物が決まると、社員の方らしき人に包装をお願いしてくれました。
そして、その女性はこう言いました。
『どうぞ、こちらでお茶でも。』
それまでイライラしていた私ですが、お店の方の対応で
そのイライラ度は少し下がっていました。
どうやらさきほどから私を案内してくれたその女性は
お店の社長の奥様のようです。
お店の一角にある小さなテーブルで
慣れた手つきでお茶を入れてもらいました。
汗をかいてのどの渇きを覚えた私はすぐに、そのお茶を頂きました。
◆亭主の作法。
ごくごくっ・・・。
私はそのお茶をひとくちで飲み干し、
『美味いっ!』
思わずそう声にだしていました。
「美味しいでしょ。2杯目がおいしいのよ。」
奥様はそういいながらさっと2杯目をお茶を入れてくれました。
これがまた美味い。
本当に美味しいお茶です。
私は毎日お茶を飲みますが、本当にこの時のお茶は美味かった。
その後、包装が出来上がるまで、
その方としばらくお話をしました。
気が付くと私はお茶を3杯飲み干し、イライラ度数は「0」を通り越し、
むしろ気分がよくなっていました。
そして、私はそのお店のファンになっていました。
茶席では亭主は貴賎貧富、老若男女等の区別無く、
みなに等しく「喫茶去」の心で接することが亭主の作法であり、
それが茶道だと言われています。
会社やお店の「亭主」も同じですね。
今回私が訪れたそのお店は地元で40年以上営業を続けているお店です。
もちろん、繁盛店です。
お店がお休みの日に訪ねてきたイライラした客を相手に
仕事の手を休め、「喫茶去」の気持ちで接するお店の方を見て、
私はそのお店の商売が40年以上も上手く周っているその秘密の一端を
垣間見た気がしました。
しばらくすると、包装が完了しました。
従業員の方は暑い中を車まで全ての荷物を運んでくれました。
私は思わず
「ありがとうございました!」
と言いましたが、それは心から素直に出てきた言葉でした。
私は車を運転しながらこう思いました。
「不思議なお店だったなあ・・・。」
だって、このお店は思わず
お客さんが御礼を言ってしまうお店だったのですから。
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