谷口正和「オンリーワンのつくり方」。 | アドマン3.0=人事になりました。

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知る人ぞ知るってレベルかもしれないのだが(僕の周りでは少なくてもそうだった)、ジャパンライフデザインシステムズ 代表の谷口正和氏の著書は、コンセプターとして非常に参考になるものが多い。というか、彼の思考法は非常に習得価値が高いものだと思う。

今読んでいるのはオンリーワンのつくり方という本。オンリーワンというコンセプトに主題が置かれた本だが、マーケティングのテキストとしても、自己啓発書としても読むことが出来る良書。
僕はもともとオンリーワンというコトバが嫌い。唯一無二・・・そんなものほとんどありえないし、ナンバーワンに慣れない言い訳をオンリーワンに求める風潮を嫌うところがある。だからオンリーワンを目指しますって企業より、ナンバーワンを目指しますって企業の方が好きだし、信用できる。

そんな中、この本の言うオンリーワンは、「なるほどな」と思わせてくれる。「はじめに」でこう書いてある。「私とあなたは違う、それが社会の多様性の根源である。でも、あるとき。あるテーマでは、ある好みでは同じ。それが統合性の根源である」と。

僕はオンリーワンと同じくらい多様性というコトバが大嫌いだけれど(逃げ口上なので)、統合性というコトバが出てくると、一気にリアルにハラオチする。視点が定まってくる。

個人の時代ってのを、オンリーワンとか多様性といったコトバで煙に巻こうとする評論家は多いが、それでは市場を見誤る。統合性という視点を追加して、どこが同じで、どこが違うのかそういう「目」で物事を考えなければならない。

そういう考え方の視座を、本書を含む谷口氏の著書は数多く提供してくれる。さらにこの本に限って言えば、やはりコンセプター、いろいろなオリジナルのコンセプトを紹介してくれている。

たとえば、気づきの3点リンク」「オンリーワン五術」「オンリーワンではなくファーストワン」「アンサー・コミュニケーション」「アイデア・コンプレックス」「メディアビリティ」「行列の法則9などなど、どれもが深く考えられていて、かつすぐに実践で使えそうなものばかり。広告、マーケティング大好きな人だったら、上記のようなコンセプト名を見ただけで、本書を手に取りたくなると思う。

いろいろな事象を複合的に考えて、一発のコトバで表現する・・・久々に読んでみて、やっぱり谷口氏の思考はいいなぁ~っと思う。多分こういう思考は今の広告業界に必要だ。





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