『劇場版 ウルトラマンオーブ 絆の力、おかりします!』(2017) | アディクトリポート

アディクトリポート

真実をリポート Addictoe Report



『劇場版 ウルトラマンオーブ 絆の力、おかりします!』
2017/3/11公開
9987
↑ゴチャゴチャと盛り込みすぎず、シンプルに徹するのはいいが、
イマイチ決まらないポスタービジュアルと、
弱々しいサブタイトルの字体が気になったが、
なにしろ、テレビ番組本編がシリーズ屈指の出来だったし、
ねんない
映画前作『劇場版ウルトラマンX きたぞ!われらのウルトラマン』(観てません)も、
すた
観客の満足度はきわめて高く
くしくも日本では同時期に公開された、
歴史あるヒーローの共演作という部分で通ずる、
バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生(観てません)
いks
の評判が散々だったのと好対照と、
およそマイナス要素の見つからない本作。
850
果たして実際に観てみた感想は?

2017/3/13

イオンシネマ浦和美園 スクリーン4 C列10席

結論から申し挙げると、
いささか期待はずれ。

「ため」や「ハッタリ」がほとんどなく、
見せ場になるはずの要素が無駄に流され、
人間ドラマも盛り上がらないこと、このうえなし。

1010
↑クレナイ ガイの初登場シーンはとぼけてて笑えたが、全編がグダグダな脱力系なため、次第に笑えなくなり、反対に欲求不満が募っていく。

123456789
↑予告編では期待させるシーンが、本編ではあまり効果を上げていないのは、『SWフォースの覚醒』の予告編で、ハン・ソロとチューバッカが出て来る場面が、本編ではあまりにもあっけなかったのに通じる無駄遣い。


段取りや手続きに振り回されて、
説得力のない予定調和的なドラマが「つなぎ」に終始。

そのため、シリーズ全25話で醸成された人間関係が台無しになり、
馴れ合いに堕してしまって、
せっかくこれまで築き上げたドラマも水の泡。

だからだんだんと退屈になり、
たった72分の短い上映時間が、
反対に長く感じられてしまう。

脚本の中野貴雄がダメ。

向こうは覚えていないだろうが、一度だけお会いしたことがあるんだが、
「ドブに捨てられたミラーマンのパチモンソフビの悲哀」
を嬉々として語る耽美な姿勢が相変わらず。

「脱力お笑い系」「ゆるキャラ系」という卑俗なスタンスは、
さすがにそろそろ卒業して、
もう少し、
50年以上の伝統ある作品の脚本を書くという責任感や使命感に目覚めて欲しい。

まずは、このキャラとこのキャラを前フリしておいて、
ここで合流させて、
ここでタネ明かし。
——という展開は、
『ごくせん THE MOVIE』(2009)で
ごくせん
たまたま仲間由紀恵が道を歩いていて、
たまたま小栗旬などの卒業生と相次いで出くわすとか、

相棒 -劇場版IV- 首都クライシス 人質は50万人! 特命係 最後の決断』(2017)で、
あああ
テロの標的となるパレードの観客の中に、
たまたま顔見知りの月本幸子(鈴木杏樹)を見つけて、
スマホを借りる等の、
究極の知恵遅れ展開と同じではないか。

たとえば、
この映画で初登場する新ウルトラマン、
オーブトリニティは、
おり
宝石化して身動きが取れなくなった、
エックス、
aaaaaaaaaaa
ギンガ、
ginngachann
ビクトリー
victory
の3人の力を借りた姿なわけだが、
トリニティ登場後に、3人は元の姿に戻り、
1280
オーブトリニティ、ギンガ、ビクトリー、エックスの4人がそろい踏みになる。

????

宝石化の前と後で条件が異なるから成立するのかも知れないが、
オーブがフュージョンアップした元ネタ戦士と、
融合後に同時に存在するのは、なんとも奇異。

まるでスペシウムゼペリオンと、
yanenn
初代マンとティガが同時に存在したり、
バーンマイトと、
いういういう
タロウとメビウスが同時に存在したり、
ハリケーンスラッシュと、
22222
ジャック(新マン)とゼロが同時に存在したり、
サンダーブレスターと、
620
ゾフィーとベリアルが同時に存在するような感じで、
違和感バリバリ!

テレビ「オーブ」最終回では、
ゾフィー
12345
初代マン
いっこ
新マン/ジャック
ジャックちゃん
タロウ
jpg
メビウス
ぺんた
ゼロ
ぜろろ
ベリアル
996587
ティガ
55598
——の8人と共に勢揃いした時の
ウルトラマンオーブは、
222
オーブカリバーを手にした基本体、
22214578
オーブオリジンだった。

まあこれは、最終回たった一度きりのために、
9人のウルトラマン合体させた、
オーブウルティメイトナイン(仮称)なんて、
出せっこないという事情もあったが。

オーブトリニティと、
ギンガ、ビクトリー、エックスを、
4人同時に出した弊害は他にもあって、
トリニティの武器や能力は、
333
3人のそれとかぶりまくること。

一応区別するために、
エックスはゴモラアーマーを装着するが、
7777
このアーマーは、サイバーゴモラの登場以来、
一線を退しりぞいた、すたれたよろいのはず。

先天的、デフォルトの要素をトリニティに移譲したなら、
各人の最新モードで差をつけるべきだったのでは?

例えばエックスは、
エクシードXになるとか、
656567
MCU(マーベルシネマティックユニバース)の「究極のくすぐりキャラ」で、
一向に姿を現さないサノスみたいに、

名前のみ登場のデザストロつながりで、
『きたぞ!われらのウルトラマン』だけに出て来た
ultimate
ベータスパークアーマーを装着させるとか、
ギンガは進化形のギンガストリウムになるとか、
esu
ビクトリーもビクトリーナイトになるとか、
bigdata
いっそギンガとビクトリーは合体して、
ギンガビクトリーになるとか、
gv
新調不要、既存スーツの使い回しで、
差別化も図れたし、
新味はいくらでも出せたと思うが。

悪人向けのオーブリング、
ダークリングの機能も不可解で、
ムルナウ(椿鬼奴の怪演!)はバトルナイザー代わりに使用しているのに、
ジャグラスジャグラー(青柳尊哉)は、
自ら合体魔王獣ゼッパンドンにフュージョンアップしておきながら、
その形質はもっぱらゼットンとパンドンのみで、
ジャグラーの姿は盛り込まれないなど、
もしかしたらテレビ「オーブ」本編からそうだったのかも知れないが、
スタッフへの不信感から、
どうにも素直に受け入れられない自分であった。

結局、冒頭に出て来るだけで、
それ以降すっかり不在の
↓こいつとか、
large
今年が50周年なので、
出ることが公開前からけっこう知れ渡っていた
↓この人の、
セブンだよ
唐突でぶつ切れな出番は、
エンディングクレジット後の、
「結局、これだけのためか〜い!」
とわかるや、更なる失望感にダメ押しされる。

もっとも、こんな些細なことにグダグダこだわるのは、
来月でいよいよ56歳になるジジイだからで、
同じ上映回に居合わせた子供は、
4人のヒーローが勢揃いしたところで、
思わず「カッコイイ!」と声を上げていたから、
この映画作品本来の想定していそうな対象年齢層(小学校低学年まで?)には、
これでいいのかもしれませんけど。

俺たちのウルトラマンシリーズ セブン&レオ (HINODE MOOK)
円谷プロダクション
日之出出版 (2016-12-02)
売り上げランキング: 79,189