大河原ザクの帰還(中編)/〜を求めて31年(13) | アディクトリポート

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前回は、大河原邦男が久々にデザインした、『第08MS小隊』(1996年~1999年)のザクまでたどりついたが、
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-ぎゃっぽ

このザクは『第08MS小隊』のために(完全新規に)描き起こされたものではなく、
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-しょうたい
リサイクル、つまり他作品、他企画からの流用である。

で、元々の企画は何かと言えば、
1995年10月発売の、バンダイ1/100MG(マスターグレード)シリーズのMS-06F/J。
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-ゆうじ
この製品のために、大河原氏が描き起こした画稿がこれ。
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-がこう
模型は破綻なく、画稿のイメージ通りに立体化されている。
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-ひかく

そして1年後の1996年に、このMGザクの画稿をチョイチョイといじくり、
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-115

何パターンかの準備稿を経て、
準備稿1
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-patan1
↑右肩シールドに突起あり。

準備稿2
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-same
↑右肩シールドに突起なし。

この形に落ち着いた。
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-えむえす
↑再び突起が復活。

準備稿から決定稿を並べても、
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-tiouio
右肩シールドの突起(スパイク?)の有無以外は、ほとんど違いがない。

のみならず、MG用の画稿と比べても、
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-hutatu
やはり右肩シールドの突起の有無以外は、ほとんど違いがない。

そのため、はじめは陸戦型ガンダムとセットで(1996年4月に)発売され、
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-ささき
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-oertr

2年後の98年4月に単体発売された、
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-ざっくーん
HG(ハイグレード) 1/144 MS-06J ザクII 『第08MS小隊』版(ボックスアートは上記)は、
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-みに
↑単品だけでは売れないと思ったのか、06F用のコンパチパーツ、スパイク無しのシールド、J型とは異なる形状の手首や足首、追加武装のヒートホークが付属。
MGザクを、そのままスケールダウンした印象。
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-なかよく

で、とにかくこの、MG用ザクもしくは『第08MS小隊』用ザクは、
これまで大河原邦男が延々と描き続けてきたザクの典型から、ついに自ら決別した記念すべき瞬間と言える。
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-しろくろ
ザクの「小顔化」は、
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-いろろ
1991~92年の『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』の、ザクⅡF2型MS-06F-2(デザインはカトキハジメ)
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-chuukan
の影響と思われる。

しかしこの改変はいきなりではなく、年月を重ねて、次第にこの形に落ち着いている。

$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-dereko
↑左から右へ順に。
*1981年頃のMS-06Jのリアルタイプイラスト。
*1984年発表のMS-Xのアクト・ザクMS-11で、上半身の角度、肩幅の示し方、腕の長さと構えの角度が変更。
*1990~91年のM-MSVのプロトタイプ・ザクMS-04で、MGザクの下絵的な構図が、ほぼ完成している。

というわけで、1995年の1/100スケールMGザクと、翌96年の1/144スケールHGザクで、史上初めて、大河原邦男の画稿=デザインに忠実なガンプラが製品化されるにはされたが、そもそもその画稿自体がガンプラ製品化を前提に描かれたわけで、純粋なオリジナル画稿からの立体化の動きは、
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-mitu
この時点でガンプラでは完全に放棄された、残念な瞬間でもあったといえる。



うえ~ん、今回を後編にするつもりだったのに、ちっとも結論に行き着かないよ~。

さすがに次回で、「大河原ザクの帰還」は終わり……のつもり。