前回少し触れた、聖悠紀(ひじりゆき)の「宇宙戦艦ヤマト」だが、その存在をほとんど知られていないので、まずはざっと説明をば。
月刊児童誌テレビランドの、
↓1974年11月号から(連載第1回)
↓同年12月号(連載第2回)
↓1975年1月号(連載第3回)
↓同年2月号(連載第4回)
↑この号のみ、国会図書館でコピーしました。
↓同年3月号(連載第5回)
の全5回で完結。
これとは別に、1975年2月増刊号にも、
実質の発行月は1月なので、お正月特別号ですね。
通常連載とは別の「余話」とか「番外編」みたいなのが掲載された。
↓表紙はたぶんこれ。
↓中身はたぶんこれ。
「たぶん」と書いたのは、ティム・エルドレッドが未所有で(他はすべて私費で購入!)、該当号は国会図書館にも、現代マンガ図書館(内記コレクション)にも収蔵されてないから、未確認のため。
じゃあ、上の「たぶん」(キーボードの上のトビラ絵)はなに?
当時の私設ファンクラブが、300部限定で発行したらしい。
聖版「ヤマト」は、
松本零士版や
ひおあきら版が、
30年以上に渡り、たびかさなる再版(再販)を延々とくり返しているのに対し、初掲載以外は、ただの一度も再録、再発行されていない。
なぜか?
西崎Pが気にくわなかったらしい。
で、先述ファンクラブ(ゼロ)は、資料目的でPを説得して、まとめたものを300部だけ発行したのだとか。
とはいえ、それははるか昔の話。
2000年ごろから2008年ごろ、いよいよ再版という企画が水面下で進行中だったが、聖氏の「ヤマト」生原稿が、まんだらけで売却されてしまったらしい。
ちなみに掲載誌は、聖先生は所有されておられないとか。
また版元の徳間書店は、自社ビルを売却したため、よほどの名目でもないと、蔵書を閲覧できなくなっちゃったらしいよ。
そんなこんなで、呪われた感のあるこの「ヤマト」、実際に目を通して、なんで西崎Pがお気に召さないかは、わからないでもない気がした。
なんでかっていうとですね、聖先生はあまりにも自分の作風にゆるぎないのはいいんだけど、少しでもテレビのキャラ設定に似せようとする意図が、絵柄からさっぱり伝わってこず、
ちっともさっぱり、テレビアニメのプロモーション機能を果たしてないからだ。
まあでも、キャラは可愛く、ヤマトはスリムであっさり味。
これはこれで魅力はあるし、やっぱり絵はうまく、捨てがたい独特の味がある。
これ(復刻の動き)については、また進展があり次第、お知らせします。
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