生頼範義のSW(13)/『エピソード1』1999年 | アディクトリポート

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「生頼範義のSW」は、今回で最終回です。

1997年の〈特別篇〉で、旧三部作(エピソード4~6)のアートの2ラウンド目を終え、生頼範義のSWアートも打ち止め?かと思われたが、その後でもう1回だけ、出番があった。

それは「映画秘宝」のリニューアル大判化第一弾の表紙。
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-ひょうし

折り込んだ部分を広げるとワイド画像になる。
オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-えぴ1

1997年の〈特別篇〉のマンガの表紙が、上下巻に渡っているため、画面右にもメインキャラが配されているのに対し、「秘宝」版「エピソード1」の画面右は、正直言って「なくてもいい」要素で占められているという違いはあるにせよ、
SW4作の生頼版パノラマアートは、こうして揃った。
オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-あsらたな
オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-ていおく2
オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-じぇだい
オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-えぴ1

しかしこの「秘宝」版アート、「エピソード1」以降のメイン出版権を獲得したソニー・マガジンズの逆鱗に触れたとか触れなかったとか。

同社は2年前の〈特別篇〉の時にはSW出版権の争奪戦を、(疲弊気味で手放し必至の)竹書房や、その竹書房の「SWクロニクル」を分冊化して再発売したメディアワークスと繰り広げ、どうにか権利を勝ち取って、大手を振って展開し始めるところだった。

この争奪戦を仕組んだ闇の勢力(笑)が、アメリカ本国版の小説の表紙のダメダメさと、日本では上下巻2冊の表紙に描き直す必要から、新たに起用したのが長野剛(ながのつよし)氏で、
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-2006
↑2006年のご近影
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-sittui
その方向性から行くと、生頼SWアートは、過去のものにしたいというムードもあった。

そうした思惑はともかく、「エピソード1」への生頼氏起用は、「帝国」(1980)以前の、初期の映画ポスターに氏が起用されていた頃の精神には、皮肉にも忠実だったのではないか。

つまり、「帝国」前には、
「テンタクルズ」(1977)や
オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-tennta
「メテオ」(1979)や
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-めてお
日本映画なら「復活の日」(1980)のように、
オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-hukkkatu
映画自体のショボサを、壮大な生頼ビジュアルで補完して、まるで別物に仕立て上げてくれることが起用の理由だったのに、
超大作「帝国」で、「まともな映画」のビジュアルを、「まともな手法でアートにする」手腕の方を買われて、
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-kochira
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-doya
↑生頼「帝国」アートは、実際の映画プロモーションには使用されなかったアメリカでも今ではすっかり有名で、「ファミリー・ガイズ」でパロディポスターまで作られている。
当然のごとく旧三部作は(順番がイレギュラーながら)3連投。
オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-あtらたな
↑1982年
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-jedi
↑1983年
ジェダイ翌1984年からは、現代まで続く東宝の「ゴジラ」シリーズ、
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-giri
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-ふぁいなる
最新作は「ゴジラ・ファイナル・ウォーズ」(2008)
「グーニーズ」(1984)など、
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-ぐーzにーず
メジャー作品に活躍の舞台を移しながら、
それでも時折、「コモド」(「エピソード1」同年の1999)
オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-komodo
などのB級作品も引き受けてしまう生頼範義氏が、初期の精神に立ち返って、
しょぼい中身の『エピソード1』本編を観るまでは、生頼アートの壮大さに、「これはスゴイ映画に違いない!」と期待に胸を膨らませてしまい、観終わってから生頼アートとの落差にガッカリするという、正しいありかたに戻ったように思えてならないからだ。

表紙を飾った雑誌の、「社会の裏街道を好んで歩く人たち向け」(笑)という編集方針への合致度まで考え併せるとね。

以上、実に13回に渡ってお送りした、生頼範義(おうらい・のりよし)のSW、いかがでしたか?


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