副砲とその周辺(前編)/蒼きヤマトへの憧憬(24) | アディクトリポート

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前回までで、司令塔とその土台の形状について分析したので、今回から、わざとふれないでおいた武装について。

今回からは、副砲とその周り。
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-ちちち
↑これはパイロットフィルム。ほぼ設定側面図どおり。

……ではあるが、ヤマトの副砲にこだわりのある人なんて、およそ聞いたことがない。
いえ、いるのかもしれませんけど、設定でも劇中カットでも、はたまた立体でも、ここに注力した例というのに行き当たったおぼえがさっぱりない。

まあ、ぼちぼちと見ていきましょう。
まずは1作目。

ですがまずは、私にとって「1作目」というとテレビ第1シリーズ、「2作目」というと映画「さらば」で、その後は個人的にはどうでもいいんですが、今後の便宜上も、
1作目の艦を「ヤマト2199」とし、
オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-2199

「蒼きヤマト」は、ガミラス地球侵攻開始の2192年から、移民船として建造開始されたので、
「ヤマト2192」と呼び、
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-2121

映画「さらば」とテレビ「ヤマト2」、舞台は2202年でも外形が同じ「新たなる旅立ち」までを
「ヤマト2201」(=2201年式モデルと同義)とし、
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-212121

以下同様に、「永遠に」と、翌2203年が舞台のテレビ「ヤマトⅢ」が
「ヤマト2202」
オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-rushuiyt
※波動砲口上と舷側、主砲上部にイカリマーク、主砲の砲身に参戦章の白いストライプが追加。

「完結編」が
「ヤマト2203」
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-hukkatu
※イカリマークが消え、ストライプのみが残る。

「復活篇」が
「ヤマト2220」
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-ふっじゃつ
※「完結編」と逆にイカリマークが復活、ストライプの参戦章が消える。

そして「YAMATO 2520」のヤマトはもちろん
「ヤマト2520」
オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-2520

「新宇宙戦艦ヤマト」のG(グレート)ヤマトは、3199年なので「ヤマト3199」?
だけど「Gヤマト」でいいでしょう。
この先分析するかどうかもわからないし。
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-great

「大ヤマト零号」も「新」と同じ3199年だが、こちらは西暦ではなく宇宙歴とのこと。
それもあって「大ヤマト」
オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-dai
と勝手に呼び分けることにします。


ではヤマト2199の副砲あたりを見ていこう。
オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-hukuhou
↑「冒険王」の75年2月号の折り込みピンナップ。背景には、
↓これが控えている。
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-ばると
副砲部分を拡大すると、
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-ふくほう
初期の設定画では非常に小ぶりで、添え物扱いだったことが読みとれる。
オープニングの名カットでは副砲がけっこう映り、
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-gukugu4
オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-ghuhuhu
オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-guku
同時期に描かれた↓これも傾向は同じ。
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-bridges
↓松本零士のマンガ単行本の表紙と、
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-まsy
それを描き直したこれ↓にも、かろうじて副砲がチラリと顔をのぞかせている。
オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-kome
この絵は、1998年のヤマト25周年の劇場版LDボックスのジャケット用。
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-jakettu
当時西崎氏が「不在」(笑)だったので、「新たなる旅立ち」以降ヤマトと疎遠で、自作「999」「ハーロック」等のアニメ化に注力だったはずの松本零士の絵柄に、ジャケットだけでも統一させようということになり、この任には川元利浩が起用された。
TVシリーズ用も、元絵が存在しないものまで正しく松本零士していて、後年の増永計一氏よりも、作風の忠実度はきわめて高い。
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-てれびLD
↓というわけで、DVDのジャケットにも再利用。
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-3232321
後年のヤマト2199の描き直しで、副砲が明確に描かれているものといえば、
LDボックスセットの解説書用に1990年に庵野秀明が寄稿した、
↓これとかもある。
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-anno

……これだけ?

2199に限れば、こんなもんです。
副砲は劇中でもアップになることが少ないのです。

しかたない?ので、2199以外も見ていきましょう。

ヤマト2202
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-three
1994年に窪岡俊之が描いた、「ヤマトⅢ」のLDボックスのジャケットアート。

艦橋の窓の灯火がオレンジ色のヤマト2203。
「完結編」劇中やセル画より。
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-おれんじ
オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-hukuhou1

モデル未特定(測距儀内が赤くないので、たぶん2199)
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-gyarari
これは1991年のバンダイ、宇宙戦艦ヤマトメカニック大図鑑2の表紙絵
オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-baiburu

以上、華々しくカラー画像をちりばめて引っ張りましたが、ここからようやく、地味目のモノクロの資料を検討します。

オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-joumenn
上面図で、副砲の形状がよくわかる。若干扁平な印象。

オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-koi2
有名な側面図。前の一番副砲より、後の二番副砲がわずかに低い位置に設置されていることが、同じ箇所を線でつなぐと判明する。
この図面では、副砲の側面には「つまみ」(円錐状の突起)がない。

オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-koikoi
内図構造図には「つまみ」があるが、劇中に描かれている位置とは異なる。

$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-262
宮武一貫の斜め俯瞰図にも、副砲側面には突起がない。

オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-hukuhou
主砲の設定には、言い訳程度に副砲も描かれているが、扱いはかなりいいかげん。

ところが上の方で例示した劇中のヤマトでも、副砲といえば側面のつまみというイメージがあるが、これはなぜか。

それは、最初期の内部図解の、カラー版でなく、加藤直之の線画の方に、この突起が描かれているから。
オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-zennkei
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-apu

特に設定の細部をくまなく拾った泉口薫の作画が、
オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-ghuhuhu
「副砲両脇には突起がある」というイメージを定着させたと思われる。

というわけで、次回は立体模型の副砲の突き合わせ。


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