前回までで、司令塔とその土台の形状について分析したので、今回から、わざとふれないでおいた武装について。
今回からは、副砲とその周り。
![$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-ちちち](https://stat.ameba.jp/user_images/20100409/22/addicto/05/e8/j/t02200106_0800038610489457307.jpg?caw=800)
↑これはパイロットフィルム。ほぼ設定側面図どおり。
……ではあるが、ヤマトの副砲にこだわりのある人なんて、およそ聞いたことがない。
いえ、いるのかもしれませんけど、設定でも劇中カットでも、はたまた立体でも、ここに注力した例というのに行き当たったおぼえがさっぱりない。
まあ、ぼちぼちと見ていきましょう。
まずは1作目。
ですがまずは、私にとって「1作目」というとテレビ第1シリーズ、「2作目」というと映画「さらば」で、その後は個人的にはどうでもいいんですが、今後の便宜上も、
1作目の艦を「ヤマト2199」とし、
![オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-2199](https://stat.ameba.jp/user_images/20100410/15/addicto/43/29/j/t02200242_0545060010490258230.jpg?caw=800)
「蒼きヤマト」は、ガミラス地球侵攻開始の2192年から、移民船として建造開始されたので、
「ヤマト2192」と呼び、
![$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-2121](https://stat.ameba.jp/user_images/20100410/17/addicto/3e/47/j/t02200112_0800040710490411615.jpg?caw=800)
映画「さらば」とテレビ「ヤマト2」、舞台は2202年でも外形が同じ「新たなる旅立ち」までを
「ヤマト2201」(=2201年式モデルと同義)とし、
![$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-212121](https://stat.ameba.jp/user_images/20100410/17/addicto/23/c0/j/t02200198_0410036910490454772.jpg?caw=800)
以下同様に、「永遠に」と、翌2203年が舞台のテレビ「ヤマトⅢ」が
「ヤマト2202」
![オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-rushuiyt](https://stat.ameba.jp/user_images/20100410/18/addicto/27/75/j/t02200153_0491034110490480223.jpg?caw=800)
※波動砲口上と舷側、主砲上部にイカリマーク、主砲の砲身に参戦章の白いストライプが追加。
「完結編」が
「ヤマト2203」
![$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-hukkatu](https://stat.ameba.jp/user_images/20100410/20/addicto/d0/cd/j/t02200089_0696028310490683772.jpg?caw=800)
※イカリマークが消え、ストライプのみが残る。
「復活篇」が
「ヤマト2220」
![$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-ふっじゃつ](https://stat.ameba.jp/user_images/20100410/20/addicto/97/01/j/t02200299_0478064910490658403.jpg?caw=800)
※「完結編」と逆にイカリマークが復活、ストライプの参戦章が消える。
そして「YAMATO 2520」のヤマトはもちろん
「ヤマト2520」
![オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-2520](https://stat.ameba.jp/user_images/20100410/15/addicto/52/a6/j/t02200166_0698052810490272634.jpg?caw=800)
「新宇宙戦艦ヤマト」のG(グレート)ヤマトは、3199年なので「ヤマト3199」?
だけど「Gヤマト」でいいでしょう。
この先分析するかどうかもわからないし。
![$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-great](https://stat.ameba.jp/user_images/20100410/17/addicto/86/9f/j/t02200148_0398026810490428525.jpg?caw=800)
「大ヤマト零号」も「新」と同じ3199年だが、こちらは西暦ではなく宇宙歴とのこと。
それもあって「大ヤマト」
![オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-dai](https://stat.ameba.jp/user_images/20100410/18/addicto/b4/d4/j/t02200111_0717036310490480220.jpg?caw=800)
と勝手に呼び分けることにします。
ではヤマト2199の副砲あたりを見ていこう。
![オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-hukuhou](https://stat.ameba.jp/user_images/20100409/03/addicto/d5/0b/j/t02200076_0800027710488444599.jpg?caw=800)
↑「冒険王」の75年2月号の折り込みピンナップ。背景には、
↓これが控えている。
![$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-ばると](https://stat.ameba.jp/user_images/20100331/17/addicto/d3/8f/j/t02200121_0402022210475345911.jpg?caw=800)
副砲部分を拡大すると、
![$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-ふくほう](https://stat.ameba.jp/user_images/20100409/22/addicto/65/66/j/t02200163_0270020010489499528.jpg?caw=800)
初期の設定画では非常に小ぶりで、添え物扱いだったことが読みとれる。
オープニングの名カットでは副砲がけっこう映り、
![$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-gukugu4](https://stat.ameba.jp/user_images/20100409/23/addicto/fb/49/j/t02200167_0628047810489537296.jpg?caw=800)
![オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-ghuhuhu](https://stat.ameba.jp/user_images/20100409/23/addicto/1e/c8/j/t02200167_0627047610489537302.jpg?caw=800)
![オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-guku](https://stat.ameba.jp/user_images/20100409/23/addicto/58/e3/j/t02200167_0628047710489537291.jpg?caw=800)
同時期に描かれた↓これも傾向は同じ。
![$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-bridges](https://stat.ameba.jp/user_images/20100409/03/addicto/33/1b/j/t02200319_0551080010488446679.jpg?caw=800)
↓松本零士のマンガ単行本の表紙と、
![$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-まsy](https://stat.ameba.jp/user_images/20100409/23/addicto/4b/fb/j/t02200343_0250039010489610733.jpg?caw=800)
それを描き直したこれ↓にも、かろうじて副砲がチラリと顔をのぞかせている。
![オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-kome](https://stat.ameba.jp/user_images/20100409/03/addicto/da/b4/j/t02200243_0640070610488444598.jpg?caw=800)
この絵は、1998年のヤマト25周年の劇場版LDボックスのジャケット用。
![$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-jakettu](https://stat.ameba.jp/user_images/20100410/20/addicto/17/97/j/t02200044_0800015910490712948.jpg?caw=800)
当時西崎氏が「不在」(笑)だったので、「新たなる旅立ち」以降ヤマトと疎遠で、自作「999」「ハーロック」等のアニメ化に注力だったはずの松本零士の絵柄に、ジャケットだけでも統一させようということになり、この任には川元利浩が起用された。
TVシリーズ用も、元絵が存在しないものまで正しく松本零士していて、後年の増永計一氏よりも、作風の忠実度はきわめて高い。
![$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-てれびLD](https://stat.ameba.jp/user_images/20100410/23/addicto/51/d8/j/t02200109_0800039810491022075.jpg?caw=800)
↓というわけで、DVDのジャケットにも再利用。
![$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-3232321](https://stat.ameba.jp/user_images/20100410/14/addicto/42/f2/j/t02200312_0353050010490233381.jpg?caw=800)
後年のヤマト2199の描き直しで、副砲が明確に描かれているものといえば、
LDボックスセットの解説書用に1990年に庵野秀明が寄稿した、
↓これとかもある。
![$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-anno](https://stat.ameba.jp/user_images/20100409/03/addicto/3b/64/j/t02200155_0800056510488446501.jpg?caw=800)
……これだけ?
2199に限れば、こんなもんです。
副砲は劇中でもアップになることが少ないのです。
しかたない?ので、2199以外も見ていきましょう。
ヤマト2202
![$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-three](https://stat.ameba.jp/user_images/20100409/03/addicto/6e/f8/j/t02200220_0600059910488446946.jpg?caw=800)
1994年に窪岡俊之が描いた、「ヤマトⅢ」のLDボックスのジャケットアート。
艦橋の窓の灯火がオレンジ色のヤマト2203。
「完結編」劇中やセル画より。
![$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-おれんじ](https://stat.ameba.jp/user_images/20100411/00/addicto/dd/23/j/t02200169_0394030310491100825.jpg?caw=800)
![オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-hukuhou1](https://stat.ameba.jp/user_images/20100409/03/addicto/3c/72/j/t02200166_0600045210488444600.jpg?caw=800)
モデル未特定(測距儀内が赤くないので、たぶん2199)
![$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-gyarari](https://stat.ameba.jp/user_images/20100409/03/addicto/14/89/j/t02200311_0566080010488445772.jpg?caw=800)
これは1991年のバンダイ、宇宙戦艦ヤマトメカニック大図鑑2の表紙絵
![オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-baiburu](https://stat.ameba.jp/user_images/20100410/15/addicto/4f/fc/j/t02200179_0467038010490272629.jpg?caw=800)
以上、華々しくカラー画像をちりばめて引っ張りましたが、ここからようやく、地味目のモノクロの資料を検討します。
![オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-joumenn](https://stat.ameba.jp/user_images/20100411/03/addicto/22/42/j/t02200130_0713042010491247458.jpg?caw=800)
上面図で、副砲の形状がよくわかる。若干扁平な印象。
![オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-koi2](https://stat.ameba.jp/user_images/20100411/03/addicto/99/72/j/t02200144_0641042110491247456.jpg?caw=800)
有名な側面図。前の一番副砲より、後の二番副砲がわずかに低い位置に設置されていることが、同じ箇所を線でつなぐと判明する。
この図面では、副砲の側面には「つまみ」(円錐状の突起)がない。
![オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-koikoi](https://stat.ameba.jp/user_images/20100411/03/addicto/a0/b8/j/t02200131_0756045110491247455.jpg?caw=800)
内図構造図には「つまみ」があるが、劇中に描かれている位置とは異なる。
![$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-262](https://stat.ameba.jp/user_images/20100302/10/addicto/af/b9/j/t02200151_0800055010434713333.jpg?caw=800)
宮武一貫の斜め俯瞰図にも、副砲側面には突起がない。
![オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-hukuhou](https://stat.ameba.jp/user_images/20100411/03/addicto/3e/74/j/t02200124_0524029610491247457.jpg?caw=800)
主砲の設定には、言い訳程度に副砲も描かれているが、扱いはかなりいいかげん。
ところが上の方で例示した劇中のヤマトでも、副砲といえば側面のつまみというイメージがあるが、これはなぜか。
それは、最初期の内部図解の、カラー版でなく、加藤直之の線画の方に、この突起が描かれているから。
![オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-zennkei](https://stat.ameba.jp/user_images/20100331/10/addicto/b0/b5/j/t02200109_0800039810474881312.jpg?caw=800)
![$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-apu](https://stat.ameba.jp/user_images/20100412/19/addicto/79/b8/j/t02200170_0234018110493620004.jpg?caw=800)
特に設定の細部をくまなく拾った泉口薫の作画が、
![オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-ghuhuhu](https://stat.ameba.jp/user_images/20100409/23/addicto/1e/c8/j/t02200167_0627047610489537302.jpg?caw=800)
「副砲両脇には突起がある」というイメージを定着させたと思われる。
というわけで、次回は立体模型の副砲の突き合わせ。
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