スター・ウォーズ公認アーティストって、これまでイマイチ信用できなかった。
画力はともかく、本当にSWが好きで描いてるわけじゃなく、あくまでビジネスとして続けてるのはシラケるからね。
そうじゃなくて、本当に好きなものを描いていた真のSWアーティストといったら、オーストラリアのヒュー・フレミングじゃないだろうか。
そもそもフレミングの代表作が、(クリックで拡大。以下同様)
↑この『スター・ウォーズ・ロック』で、
映画本編とは無関係、なのにSWスピリットはしっかり表現していたことから始まり、
↑およそ他のどのアーティストも題材にしないような、氷獣ワンパとエコー基地の反乱軍兵士の戦いをダイナミックに描いたり、
↑『侵略の惑星』のコミックス版の表紙では、ルークの顔を『新たなる希望』と同じ、マーク・ハミルが交通事故で顔を負傷する前の初々しい表情で描いている。
物語が『新たなる希望』と『帝国の逆襲』の間ということを、よくわきまえた英断。
フレミング以降は、こういう気骨あるアーティストに久しく出遭わなかった。
しかし、ついに登場した!
これだ!
どーですか、お客さん?
アーティストの名前は、
Benjamin Carre
フランス人なので、ベンジャミン・カーと英語読みはぜず、
「バンジャマン・キャレ」もしくは「ベンジャマン・カレ」と読むらしい。
ここでは一応、バンジャマン・キャレと呼ぶ。
で、このキャレ、最初は日本のアニメを題材に描いたりしていた。
現在はファンアートの領域から脱して、SW公認アーティストとしてコミックスの表紙なんかも手がけちゃいるが、
キャレの真骨頂は、ワイド画面の横構図に尽きると思う。
↑各部の拡大部分↓
キャレは平面アーティストにありがちな、細部の省略をあえて行わないという、珍しいタイプの画家であり、その手法はイラストや絵画よりも、立体模型を製作するモデラーに創作の姿勢が近い。
たとえば、このアート。
雨ざらしか、もしくはボディ洗浄なのか、ベイダー専用機には細かい水滴が降り注いでいる。
ベイダーと戦闘機の対比は、現在の公式設定よりも、映画に使用されたプロップモデルのスケールに準じているのも、鋭いところ。
このアートで想起されるのは、このヤタさんのベイダー機の作例である。
タイ・ファイター単体だけでなく、周囲の環境まで創出するという手法は共通している。
そんなキャレの、モデラー魂を刺激する新作アートが、これだ!
だれか、これをディオラマにしないかな~?
今回は、お楽しみいただけましたでしょうか?