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真実をリポート Addictoe Report

またまた以前の日記の修正。
まさに賽(さい)の河原状態……

「ヤマト」「マクロス」の権利問題について、演出の石黒昇氏が絡んでいたのではないかと邪推したが、それは全くの勘違いでした。

ここにお詫びして、訂正します。

石黒様、すみません。←読んでるわけないが……

で、聞くところによると、この石黒ディレクター、本当に懐の深い、寛容で鷹揚な人物らしい。
自分以外の才能も認め、他者の仕事を愉しむ心の余裕があるらしい。
いかにも取って付けたように書いてますが、うそいつわりのないことです!(なぜか断言)

それに比べて……って話はやめておくけど、せっかくなので、ヤマト裁判について。

フットワーク出版というところから、1999年6月、つまり約10年前に、
宇宙戦艦ヤマト伝説
$オレにやらせろ! 作家浪人Addicto救出プロジェクト-futto
という本が出た。

実を言うと、そこでヤマトのメカについて書いた。

当時はヤマト裁判が係争中で、この本は松本氏の主張を後押しする意味合いも含まれていた。

なので、同書の中では、
*「電光オズマ」(1961~)に「宇宙戦艦大和の巻」を描いたこと、
*宇宙波動理論は、松本氏の弟さんが大学教授で、「あながち的外れとは言えない」との言葉をもとに、提唱した。
などが書かれていた。

裁判では、『電光オズマ』と共に、『光速エスパー』(テレビ放映終了から半年後の昭和43年-1968年-6月から「少年ブック」に連載)の主人公の名前に、同じ「古代すすむ」を用いていたことも根拠の一つにあげて、原作権を主張したらしい。
$オレにやらせろ! 作家浪人Addicto救出プロジェクト-すすむ
故郷バシウト星(後ろから読むとト・ウ・シ・バ…)の政変により難民となった宇宙人少年エスパーは地球にたどり着き、異端の科学者古代博士の養子となり、古代すすむと名乗ることになった。

しかし、「宇宙戦艦大和」は名称が同じなだけでデザインはロケット型であり、著作物としての類似性はないとして、この主張は退けられた。
オレにやらせろ! 作家浪人Addicto救出プロジェクト-やまと
2001年12/3に西日本で、東日本では翌2002年に2/18に発売された、
フルタ製菓の玩具菓子「宇宙戦艦ヤマトピンズコレクション」
ピンズは全部で26種類で、そのうち25番と26番がシークレット。
26番は『電光オズマ』に登場した宇宙戦艦大和!
オレにやらせろ! 作家浪人Addicto救出プロジェクト-バッジ
23番は色違いのレアが2種類存在し,全部集めると28個になる。 詳しくはここで


で、裁判の時に聞こえてきた、制作当時にいっしょに作品を作り上げた人たちの不満(個人的な誰々の意見と言うよりは、皆の共通した意見)というのは、まとめると「みんなで手分けしてやった共同作業まで、全部自分が一人でやったことにされている」ということだったらしい。

で、どうも松本先生は、自分の権利が認められないという不満が鬱積してしまい、記憶の置き違いだとか書き換えが発生してるんではないだろうか、という疑惑もあって、それはそういうところもあるかもしれないな、という気はする。

スタジオぬえとの共同作業で、ぬえ(加藤直之+宮武一貫がメイン。ちょっとだけ松崎健一)としては、松本氏の意向を受けてデザイン作業の分担やクリンナップを図ったわけで、つまりは「言われたとおりにやった」もしくは、「納めた仕事は松本先生の承認済みだった」と認識して、当時はたしかにそのとおりだったはずなのだ。

だけど、時と共に記憶があいまいになることも加わり、ヤマトのデザインについて本人から直接インタビューした際も、「何度言っても(ぬえの二人に)真意が理解されず、あそこはああいう形になった」とか、「この三面図は見たことないから、番組が終わってから書き直したんだろう」とか、部外者の私でも、「それはありえない」とわかる「間違い=記憶違い」が多かった。
オレにやらせろ! 作家浪人Addicto救出プロジェクト-まる1
オレにやらせろ! 作家浪人Addicto救出プロジェクト-まる
--先生、ここ(楕円内の明るい部分)は、展望窓ですよね?
「いいや、砲塔だよ」
--でも、砲身が見あたりませんが……
「描き忘れたんだろ。そこは砲塔でしかありえないよ」
--(無言で納得できない様子の私。それを察してか)
「ヤマトのことは、自分が一番よくわかってるからね」
(マーミットから1メートルヤマトを製品化する予定で、インタビューに行ったときの思い出)


もちろんそれに加えて、ヤマトの原作権という念願のチャンスが巡ってきた裁判だから、「がんばってしまった」=使える証拠は総動員する、という別の意気込みだって加わっただろう。

だけど「電工オズマ」の宇宙戦艦大和は全くの偶然で、松本氏の参加する前からタイトルの「宇宙戦艦ヤマト」はとっくに決まっていたし、
$オレにやらせろ! 作家浪人Addicto救出プロジェクト-新旧
↑新旧企画書の表紙。松本零士の参加前から、すでにタイトルのみならず、ロゴまで確定していた。
$オレにやらせろ! 作家浪人Addicto救出プロジェクト-きゅうきかく

Wikiによれば、松本氏の途中参加の経緯は以下の通りである。

松本零士は、1974年の4月頃デザインのスタッフとして参加依頼を受けた。これは、設定制作の野崎欣宏の推薦によるものだった。結果的に、キャラクターや個々のストーリー作りなど作品制作に深く関わるようになる。さらに石黒昇のサポートを受けながら監督も務める。これは、監督を務める予定だった山本暎一が、他の仕事のため1974年6月末にヤマトから抜けることになったのが理由である。

また、「日本最初のアニメーション専門誌」と銘打たれた、季刊ファントーシュの第2号、昭和51年4月1日発行号には、松本零士インタビューが掲載されている。
$オレにやらせろ! 作家浪人Addicto救出プロジェクト-ふぁんとーしゅ
$オレにやらせろ! 作家浪人Addicto救出プロジェクト-geiouyu

以下の二つの画像が該当情報だが、
$オレにやらせろ! 作家浪人Addicto救出プロジェクト-きじ

$オレにやらせろ! 作家浪人Addicto救出プロジェクト-kilu

誤字が多すぎるので、ここに修正した文字情報もついでに(?)載せておきましょう。

--「宇宙戦艦ヤマト」の監督をやる話は、どんな形で……

「あれは、ホントに降ってわいた話で、ボクの所へ話が来るまでに、企画書もできてたし、よみうりテレビで放送することも決まってました。ただ、“ヤマトがどこかへ行くんだ”という、行くという部分までの設定ができてたわけです。その段階では、イスカンダルへ何をしに行ってどうこうと言うような、細かい設定はできてませんでしたね」

--企画はだいぶ前からあったようですが……

「うん、それはね、ボクもこの頃になって知ったことなんですが、それはヤマトではなく小惑星を、つまり岩みたいな船を飛ばすという話があったというのを、ずうっと経って聞いたのね。こちらはいきなりヤマトの話で、戦艦大和を宇宙に飛ばすんだという話でどうだろうか?という話を聞いたから、こちらの噛み方としては非常に遅かったわけね。なぜそれ(小惑星の船)がヤマトに変わったかは、わかりません。ボクが行った時には、あの立派な企画書ができていて、ヤマトのデザインも岩盤をつけたような船……いわゆる船ね、戦艦ではない……のデザインができてましたね。誰のデザインかはわからないけど、コスチュームデザインも何点かありました。さて、どうするかという段階で、会議に入ったわけです」

--「宇宙戦艦ヤマト」の原作者は?

「ヤマト」は正確に言うと、企画・原案というのが西崎氏で、ストーリーの原作者となると、曖昧でわからない。協議して作り上げたものとなるのかなあ? 自分として言えることは、各話を追っていく基本的なストーリーやアイデアの大部分を出したという記憶があるわけで、設定を含め、個々の細かい戦闘アイデアまで含めたもの、アイデアその他も共同作品だからと言って出し惜しみもしなかったし。だからその問いに対しては曖昧だね」


この記事のタイトルは、
私は「みつばちマーヤ」を作りたい。
だった。


最後に、後年の槇原敬之氏の曲の歌詞が、松本氏の「銀河鉄道999」からのパクリではないか、という、2006年10月からの訴えについて。

あそこで出てきた、

「時間は夢を裏切らない 夢も時間を (決して) 裏切ってはならない」
って、「999はよく知ってるけど、そんなセリフは知らないよ」という人が多いと思う。

該当のセリフは、少年キングで(めずらしく)きちんと完結した「アンドロメダ編」からではなく、
1996年に再開されたエターナル編からのもので、初出は第1話だった。

一方でケミストリー 「約束の場所」 (作詞・作曲/槇原敬之) (2006年)
では、
* 「夢は時間を裏切らない 時間も夢を決して裏切らない」
* 「未来は夢を裏切らない」 (CD帯)
とある。

この問題についての詳細な検証は、こちらがとても興味深い。

ところで、
「時間は夢を裏切らない 夢も時間を (決して) 裏切ってはならない」
が意味するところは、なんなのか?

松本零士には、まだ果たせていない夢がいくつかあって、それはたとえば、壮大なところでは宇宙旅行だとか、あるいはせせこましいところでは、「宇宙戦艦ヤマト」を自分の作品として位置づけ、取り込むとか、いろいろあったわけで、それらがことごとく実現するまでは死ねない、という強い思いがある。

ところがそんな中で、自分と同じ生年月日(1938・昭和13年1月25日)で、経歴や作品傾向にもかぶる部分が多い、つまりは自分の分身のような石ノ森章太郎が亡くなったり(1998・平成10年1月28日)、あるいは死亡原因(火災による焼死)に不審さがつきまとう横山光輝(2004・平成16年4月15日)に直面すると、それより前から提言していたこの言葉、
「時間は夢を裏切らない 夢も時間を (決して) 裏切ってはならない」
に、ますます強くすがりつきたくなる。

時間は夢を裏切らない
というのは、
夢を持っていれば、それを「時間切れ」つまり死という幕切れで、裏切られたりすることはない
という意味だろう。
夢も時間を (決して) 裏切ってはならない
というのは、
だからといって、まるで無限に猶予が与えられているかのように慢心せず、夢の実現に向けて努力を怠ってはいけない
という意味だと思う。

となると、松本零士からしか出てこない言葉という気がするし、だからこそ「自分以外にこのフレーズが出てくるわけねえだろ!」という確信は心情的にはホンモノだし、一方で槇原敬之は「銀河鉄道999」を読んだことはないのは本当でも、そのマンガが元になった映画「銀河鉄道999 エターナルファンタジー」(1998)の主題歌、THE ALFEEの「Brave Love ~ Galaxy Express 999」 (作詞・作曲/高見沢俊彦 [THE ALFEE])は聞く機会はあったろうから、意図的ではなくともその記憶に触発されて「約束の場所」を書いているが、自分でそれに気づいていない可能性だってある。

というのも、

夢は時間を裏切らない 時間も夢を決して裏切らない
という槇原敬之の歌詞を、ではどう解釈すればいいのか。

夢は時間を裏切らない
とは、
夢を持つ者は、時間(=自分の人生の終点)を裏切らない
という意味だろうが、
夢の方は、裏切るも裏切らないも、いつ自分が死ぬかわからないんだから、時間を裏切りようがないという気がしてしまう。

一方で
時間も夢を決して裏切らない
とは、夢の実現に達するまでは、死がそのチャンスを取り上げることはない
って意味でしょうが、まずはこの前提(時間も夢を裏切らない)があってこその、そこから導き出される、「夢は時間を裏切らない」であるはずで、つまりは夢と時間を取り替えてしまうと、話のつじつまが合わなくなってしまうから、そもそも「時間」と「夢」を単純に取り替えたり、順番を変えちゃったりしちゃダメなのだ。

というわけで、たぶん響きの良さを気に入りはしたが、本当の意味するところを理解もしないで、盗用されたんじゃないかって気がする。

だから裁判では、「そのフレーズはどういう意味なんですか?」って、双方に聞けばよかったんではないでしょうか~。

松本零士氏は、作品は舌足らずで中途半端だが、ご本人は饒舌だし、言っていることに説得力があってウソがないという、漫画家にはめずらしいタイプの人である。

なので基本的には、本当のこと、あるいはご自身を通しての本音を語っていると思う。

というところで、今回はこのへんで~!

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