セレブにまつわるエトセトラ〈中編〉LFL訴訟の行方(11) | アディクトリポート

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2005年、実写映画最終作『シスの復讐』の前景気をあおるため、SWC3が開催された。
↓C3のシンボルロゴ(左)は、『帝国の逆襲』(1980)のクルーパッチ用にラルフ・マクォーリーがデザインしたもの(右)を、25年ぶりに転用している。
オレにやらせろ! 作家浪人Addicto救出プロジェクト-炎のベイダー

場所は前回C2と同じ、インディアナポリスのコンベンションセンター。
ということもあり、イベント内容は基本的にC2を踏襲したものだった。

違っていたのは、主催が(グッズだとか商品を展開している)関連業者(の一社)ではなく、コンベンション専門業者のジェンコンだったことだ。
ジェンコンは主にゲーム関連のイベントを仕切っており、その手腕を買われてのC3運営への起用となった。

同じ会場だから基本的にはC2と同じだろうとタカをくくっていたが、実際は色々と勝手が違って面食らった。
まず、ホテルが取れない!
最後の映画を祝うために、最後のセレブレーション(当時はそうだった)にこそは参加しようと、世界中から会場隣接のホテルが早々と予約で埋まり、会場からかなり離れたところしか取れなくなった。

結局はC2と同じマリオットに泊まれ(と言うより、知人の部屋に転がり込ませてもらったんだが)、ここは会場から通路が直結した一番便利なホテルで、LFLのスタッフや招待ゲストも宿泊していた。
うんと早く満室だったのが、開催直前に空きが出た。
泊めてくれた知人は、アメックスゴールドの力だと言ってたが、それだけじゃなく、別のファクターもあった。

この年、日本でのSW関連イベントと言えば、2003年から全国を巡回し、いよいよ『エピ3』の展示を足してフィナーレとなる「アート・オブSW」展があり、
オレにやらせろ! 作家浪人Addicto救出プロジェクト-SW展
この運営母体がネット展開に柔軟な対応を示したため、2005年にはネットを活動拠点とするオフィシャルファンクラブまで運営していた。
以前から、日本でもSWC(セレブレーション)をと言う声があり、やるとすれば映画最終作『シスの復讐』で一番盛り上がるこの時期で、主催もこの団体が最適任と思われたが……展覧会とファンクラブ運営、日本語版公式サイトの運営で手一杯で、そこまで手が回らなかった。

そのため、ファンクラブから参加者を募り、割高のツアーを組んで、見込み客の部屋数をマリオットに予約していたが……
本場のセレブレーションに参加したい人は、みな自分で勝手?にエントリーしていて、バカ高いツアー料金で参加する人は集まらなかった。
で、予定催行人員ってやつに足りずに、ツアーは中止。マリオットに急遽空き部屋ができた、というわけだった。

話をジェンコンの運営に移すと、これはジェンコンのダメさと言うより、めったに大きなイベント経験のないインディアナポリスの現地スタッフのせいかもしれないが、公式ショップの対応はのろのろ。
オープニングイベントには、マスコミだと言っても会場ドアの前で足止め。「もうマスコミ席はいっぱいです」と言われる。
係と押し問答になり、気迫に押された彼女が「入っていいです」と許可して、あわててステージ近くに行ってみると、
マスコミ席に割り当てられたあたりは、一つも埋まっていなかった。

このイベントのもう一つのウリは、ジョージ・ルーカス自身が直々にやってくるということだったが、当日のドア前での、殺気だった押し問答もひどかった。
マスコミ席の割り当てなんかなく、うんと早朝に会場に行ったのに、もう入れないと、オープニングセレモニーと同じことを言われる。

やむを得ず、一般観客といっしょに入場、うんと後ろの席から写真を撮ると、係から「写真は撮るな」と言われる。
↓なので、後方の大半の客は、ルーカスを拡大スクリーンで見るハメに(左)/果敢に前方で撮影した記者にもらったショット(右)
オレにやらせろ! 作家浪人Addicto救出プロジェクト-おっさん

で、このルーカスお披露目は、聴衆3000人ごとに3回行われたんだが、私が見た回では、最後の方にいかにも虚弱体質の男の子が登壇し、観衆が何事かと心配そうに見守っていると、その少年が弱々しい声でようやく、「サンキュー、ジョージ」と言い、カンゲキした観衆が、割れんばかりの拍手を送るという一幕があった。

後で聞いたら、この虚弱少年は、3つのステージ全てに登壇したとのことで、つまりはショーの演出の一つだった!


それからたった2年後の2007年。
ロスのコンベンションセンターで、C4が開催された。
オレにやらせろ! 作家浪人Addicto救出プロジェクト-コンベン
↓C4の公式エンブレム(中央)は、トム・ユングの1作目のスタイルAポスターの絵柄(左2枚)と、ラルフ・マクォーリーの第1作のクルーパッチのデザイン(右)を融合させたもの。
オレにやらせろ! 作家浪人Addicto救出プロジェクト-パッチ

それまで必ず3年あけていたセレブレーションの期間が、今回はC3からたった2年になったのは、2007年が1作目SWの本国アメリカ公開から、ちょうど30年目にあたるから。

だが、最後の映画公開から2年、街にはSWの痕跡は跡形もなく、広大なコンベンションセンターをSWだけで埋め尽くすのはムリがあり、閑散とした雰囲気が漂っていた。

C3では会場限定グッズの大半が初日で売り切れてしまったこともあり、C4ではなんと24時間の販売体制が整えられたが、今や伝統のハスブロのフィギュアはブームが去り、マクォーリーのイラスト版の限定フィギュアは見向きもされない。
最初は数量限定販売だったが、すぐに無制限に買えるようになり、それでも大量に余りまくった。
↓ハスブロブースで販売された初期設定版ルーク。潜水夫みたいな見慣れぬ姿に、全く人気なし。
オレにやらせろ! 作家浪人Addicto救出プロジェクト-ハスブロ
↓24時間体制で販売され続け、そして24時間あまり続けたマクォーリー設定版のドロイドコンビ。
オレにやらせろ! 作家浪人Addicto救出プロジェクト-コンビ

結局大量の売れ残りを抱えた会場限定グッズ売り場は、最終日にはオール50%オフで売りさばいたが、それでも売れ残りが多かった。

そんな中、一社だけ気を吐いていたのが、ジェントルジャイアント社で、豊富な限定品が、どれも飛ぶように売れていた。
まだ一般開場時間でなくても、内部のディーラーだけで早々と売り切れてしまうものも出るほどの過熱ぶりだった。

マスコミ名目で先に会場入りしていた私だが、この販売スペースには立ち寄れない。
ガードがかたく、マスコミでも一般入場まで外で列を作って待てと言うのだ。

で、ジェンコンのお偉いさんに、「開場でどっと押し寄せるお客を撮りたいから、中に入れてくださいよ」と陳情したが、相手はいかにも鼻であしらう感じで、「君さあ、会期なんてこれから何日もあるじゃん。写真撮る時間ぐらい、いくらでもあんだろ」と平気で言い放つ。

こいつ、サンスイートと歩いてたときは、うんとこびへつらってたくせに、オレには完全に上から目線だなあ。まあそんなもんだけど。

というわけで、「ルーカスフィルムご一行様々」でこびへつらってやって来たジェンコンだが、C4の収支はかなりやばかったらしい。
C3は言うに及ばず、ジェンコンが手がける他のゲームイベントと比べても、大赤字だったらしい。

そのため、チャリティで預かった一時金も、イベント全体の収益も、LFLに払う余裕がなくなった。

というのが、今回の訴訟に至った真相というわけ。

ここまでで一応「訴訟」の話は終わりだけど、セレブレーションの話をまとめておくために、今回は「中編」で、次回の「後編」でこの話はおしまい。

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