阻まれた挑戦(1)JAKの罠 | アディクトリポート

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ルーカスフィルムおよび関連会社には、都合3回応募した。

1回目はJAKプロダクションで、これはSWのためだけの会社名。
大半がILMからの臨時招集組。
JAKってのは、ジェット、アマンダ、ケイティという、ルーカスの娘や息子の名前。
で、却下の理由は、「エピソード3に必要なデザインじゃないから」
……あのなー。
極秘のスクリプトで、「エピ3」にどんなものが出てくるかなんて、社外の人間が知るわけねーだろっ!

実はダグ・チャンのデザインがしょぼいって感じてたのは、
それこそ世界中のデザイナーだったわけで、
「オレの方がまともだろ」デザイン画が殺到したらしい。
でも大半は無視された。
だってデザインチームの筆頭は、ダグ・チャンだったんだから!

↓ダグ・チャン(中国人だから、「チエン」が本当の読み方かも)
オレにやらせろ! 作家浪人Addicto救出プロジェクト-チャン

自分を追い落とすような才能を、受け入れるわけないよね。
というより、あんなへなちょこと比べたら、ほとんどのデザイナーの方がまともだから、それを全部受け入れてたら、あっという間に社内がパンクしてただろう。
実際、英断も采配も下せないバカチャンは、『エピソード1』の最盛期には、誰もかれもを受け入れて、デザイン・アートチームは17人の大所帯になってしまった。

ちなみに、旧三部作の時は、ラルフ・マクォーリーとジョー・ジョンストンの二人だけが最初から、『帝国』でニーロ・ロディス・ハメロ(メキシコ系なんで「ジャメロ」じゃない)が途中参加の、わずか3人だし。

↓ラルフ・マクォーリー
オレにやらせろ! 作家浪人Addicto救出プロジェクト-ラルフ

↓ジョー・ジョンストン
オレにやらせろ! 作家浪人Addicto救出プロジェクト-ジョンストン

↓ニーロ・ロディス・「ハメロ」
オレにやらせろ! 作家浪人Addicto救出プロジェクト-ハメロ

と・に・か・く、人数だけ多けりゃいいってもんじゃねえんだよ!

そんな折、テーマパーク(たぶんユニバーサルスタジオ)のデザイナーだった二人組、
ライアン・チャーチと、エリック・ティーメンズが、ダグ・チャン防衛網突破に成功、
「エピソード2」でJAKプロダクションに入り込み、あっという間に主導権を握って、ダグ・チャン追い出しに成功した。

↓ライアン・チャーチ。こいつはまあ、器用だとは思う。
オレにやらせろ! 作家浪人Addicto救出プロジェクト-チャーチ

↓エリック・ティーメンズ。帽子をかぶってるのは、頭頂部がハゲてるから。
オレにやらせろ! 作家浪人Addicto救出プロジェクト-エリック

で、なんでダグが二人の侵入を易々と許したかって言うと、デザインじゃなくて情景担当として入り込んだから。
ダグ・チャンは、全体が似たようなトーンでけぶる情景ってのを描けず、クレヨン画みたいに塗りつぶしちゃう。

↓海洋惑星カミーノの海上都市。チャンのデザイン画(左)と実際の劇中画面(右)。
 これはまだ似てる方。
オレにやらせろ! 作家浪人Addicto救出プロジェクト-カミーノ

一方でライアン・チャーチとエリック・ティーメンズは、描画ソフトのペインターを駆使して、画面そのままの色調のコンセプトアートをしあげる……んじゃなくて、最終画面(下)がアート(上)の色調に合わせてるんだから、印象が同じなのは当たり前。

オレにやらせろ! 作家浪人Addicto救出プロジェクト-ジオノ1


オレにやらせろ! 作家浪人Addicto救出プロジェクト-ジオノ2

で、とにかく二人は入り込んだ途端、ダグ・チャンの仕事も横取りして、デザインも担当した。
ライアン・チャーチのデザインはまともだけど……。

オレにやらせろ! 作家浪人Addicto救出プロジェクト-チャーチ

エリック・ティーメンズのセンスは、かなりあやしい。
オレにやらせろ! 作家浪人Addicto救出プロジェクト-SPHA

で、このティーメンズ、エピ2完成打ち上げパーティーで、サンスイートから紹介されたけど、鼻も引っかけないって感じだった。

ライアンとエリックだって、しょせんはダグと同じで、自己保身にぬかりはない。
自分たちが「エピソード2」のデザインを救ったんだから、その自分たちが「エピソード3」を手がけるべきで、他のデザイナーなんて、それも自分たちと対等か、腕が上の奴なんか、必要であるわけがないっいぇ理屈だね。

実際、「エピ3」の臨時募集はあっという間に締め切られ、しかもちゃんと教えてもらえなかった。
採用されたのもウォーレン・「フー」だとか、またしても東洋人っぽくて、しかも仕事はうんと短期間で終了し、彼らのその後の話はあまり聞かない。

その後、C3(セレブレーション3)で、エリックと偶然エレベーターでいっしょになったら、SW展で日本に行けるのに興奮してて、日本人のオレに話しかけてきた。
当然、「エピ2」パーティーで素っ気なかったことなんか、むこうは覚えてない。

なあエリック、実力のあるライアンの腰巾着なんかに甘んじてるから、頭頂部がハゲて、帽子がかかせなくなっちゃうんだよ!!

ダグ・チャンといっしょに仕事をしてたメカデザイナー達は結局、連帯責任とでも言おうか、ライアンとエリックに役立たずの烙印を押されて、「エピソード2」でこぞってアート部門を脱退することになる。

多彩なポッドレーサーとか、クローン・トルーパーをデザインした、ジェイ・シュースター(シャスターじゃないらしいよ、スーパーマンの原作者のジョー・「シュースター」もね)も、後釜に追い出される形になった。
↓ジェイ・シュースター
オレにやらせろ! 作家浪人Addicto救出プロジェクト-シュースター

↓チャンはクズだが、シュースターは偉大だった、
オレにやらせろ! 作家浪人Addicto救出プロジェクト-シュースター2


後年にピクサー展に行ったら、『カーズ』のデザインで、細かな炎のマーキングをびっしり描き込んだクルマのイラストがあって、名前を見たらシュースターだった。

そしてシュースターは、その後もピクサーに在籍し続けて、このロボットをデザインする。

オレにやらせろ! 作家浪人Addicto救出プロジェクト-ウォーリー

一方でダグ・チャンは、『宇宙戦争』『ポーラー・エクスプレス』等に参加するが、デザインクレジットは常に連名で、1枚看板を張らせてもらえない。

教訓:実力のあるものは生き残る!