【続き】
さて「手伝ってくれる先生」とは、H先生というサイコオンコロジー(精神腫瘍)の先生で、たまたまその日の午後にキャンセルが出た30分をゲットした。サイコオンコロジーとは、がんが心に与える影響や、心ががんに与える影響を研究する学問。先生はざーっと私のヒストリーを聞いてくださった後、うつ病には運動療法が薬物療法と同じくらい効くという臨床試験の話を教えて下さった。「処方箋」として、スクワット、腹筋、背筋各10回を3セット、週に二回やること。できれば週に一回水泳かランニングをすること。


ここでの先生の質問の仕方は「どんな運動ならできると思う?」といった、患者に答えさせるやり方で、部下にコーチングする時とまったく同じだ。先生や上司が答えを出すのではなく、患者や部下自身に考えさせ答えさせるものである。


先生は私のことを「ラッキー」だという。今日空いたスロットをすかさずゲットできたこと、予約がなかなか取れない患者さんもいるのに、これは相当ラッキー。そして医者運がいいこと、まわりの友人からソーシャルサポートを受けられていることなど、「君はツイてる、これからも絶対に元気にやっていける」と太鼓判を押された。
【続く】