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NYUのシュナベル先生のご講演の後は、日本人の医師たちによるパネルディスカッションだった。外務省医務官の方によれば、治療方法を医者にお任せなのは主に途上国であるが、日本人も「がん」と告知されると「お姫様状態」になってしまい、患者意識の上では途上国並みだそうだ。そして例えば1日に60人も患者を診なければいけないことに代表されるような医療体制でも後進国であるという。


アメリカでは、どのように「悪いニュース」を患者に伝えるかというコミュニケーショントレーニングを医師も積んでいるという。しかしこれはいかに自分の聞きたいことを先生から聞き出すか、患者側にも求められるコミュニケーション技量でもある。なぜなら治療のゴールは、患者にしか決められないからだ。どういう風に生きたいか、人によって人生のゴールや価値観が違うからだ。


先生たちから患者へ、患者力向上のための下記のような提言がなされた。
1. 自分自身の体に責任を持つ
科学的根拠に基づいた知恵を身につける
2. コミュニケーション能力を高める
医師や医療関係者との信頼関係を作る
受信後は必ず感謝の言葉を伝える(医師だって人間。「ありがとう」は嬉しい。)
メモをとる、質問は予め整理して
医師に相談する、わからないときはセカンドオピニョンも視野に入れて


コミュニケーションは一方だけの努力では成立しえない。双方の努力が必要だ。でもこれって本当に難しいこと。簡単にできりゃ、離婚なんてしないよねぇ。まだ結婚してる皆さんは努力しましょうね。