前回の日記で、“日ざし曲線メジャー”“日ざし曲線メジャー”と、さんざ言い続けてきましたが、そもそも“日ざし曲線メジャー”って何?

その前回の日記に“日ざし曲線メジャー”の写真を掲げたけど、

「何やの、あの緩い曲線だらけの図面は?」

と、私を含め読者の頭にはチンプンカンプンな疑問符が浮かんだに違いない。


テキスト『日影図作成の演習と実務』(以後日影図テキスト)に詳細な説明があるけど、このブログでその説明を転載することは本意ではない。(という以前にそのまま転載したら著作権で訴えられちゃうし。。。)
ですので、ここではザックリとした説明だけにとどめ、早速AutoCADで“日ざし曲線メジャー”を使った日影図の作図方法へ話を進めていきたい。



“日ざし曲線メジャー”でできること

①・・・ある特定の観測地点に“日ざし曲線メジャー”をかざすことによって、日影時間を読み取ることができる。

②・・・建築物の特定部分の日影位置を“日ざし曲線メジャー”で読み取ることができる。


以上の2点を応用して“日ざし曲線メジャー”を使うことによって、確認申請図書に必要な時刻日影図と等時間日影図の作成ができる。
但し手書き(もちろんAutoCADで作図するのではあるが、ココでは手書き風作図方法でという認識)で作図するのはかなり煩雑で、複雑な形状の建物では限界があるのも確かだ。
そのことはいずれ述べるつもりの建物の簡略化という手法で解説するが、そもそも買うとなると100万円以上もするような日影図作成専用プログラムに勝とうと最初から思ってはいけない。



★ステップ1・・・地球と太陽の関係

ここからの解説は少々ややこしくなる。
なので、「ふーん、そうやって“日ざし曲線メジャー”を作図するんだ。」って感じで、軽く読み流してくださって結構です。

太陽は東から昇って西に沈む。そんなことは当たり前だけどシビアに数値化することは大変難しい。
太陽の軌跡を数値化し曲線を描こうとするためにはいくつかの公式を駆使しなければいけない。高校時代に物理で学んだように、地球の自転軸は太陽を中心とする公転軌道面に対して約23°27′傾いており、日影計算をしなければいけないとされる冬至(年によって変動するがココでは12月22日で設定しておこう)は、ほぼ一日中23°27′の角度であると考えて支障はなかろう。

更に観測地点となる日本のどこか(ブログではその都度緯度を変えて説明するのが面倒なので、東京より少し北の位置となる北緯36°辺りの地点で話を進める。)は、その自転軸からいくらか北へ傾いている。
しかもほとんどの観測地点は、南中する時刻は当然ながら正午とはならない。読者の皆さんもご存じのように日本の標準となる子午線の位置は明石市付近であり、東経135度となる。すなわちその観測位置で微妙に南中する時刻へと補正する必要があるのだ。

従って、日影を観測する際の北は磁北ではなく、太陽が南中する時の真太陽時(12時)から導き出される北を求める必要がある。その北のことを真北(しんぼく)と呼ぶ。(あかん、説明してても何が何だか分からんなってくる~~~)