昨日3月21日、新大阪にて『AutoCAD オープンキャンパス』というセミナーに行って来ました。
例年、この時期に行われるAutoCAD最新バージョンの紹介がメインのこのセミナー、今年はやや規模が縮小され100人程度の会場でしたが、例年になくユーザに寄り添った充実した内容のセミナーだったと思います。
★セッション1:クラウドサービスとAutoCAD WSまで 講師・伊勢崎 俊明氏
今年のテーマはワークフロー!
AutoCADの機能としては、日頃、あまり気にかけていない領域ですが、仕事の効率化を図るには、かなり即効性のある領域でしょう。
すこし漠然として、各論の話がイメージできない感じも否めませんでしたが、クラウドサービスはユーザがやるかやらないかで、くっきり差が出てきそうだと思った。
既に昨年より開始したクラウドサービス“Autodesk Cloud”改め、“AutoCAD360”となった。
その“AutoCAD360”サービスの目玉は、なんといっても「レンダリングサービス」でしょう。
これはAutoCADのサブスクリプションユーザにもクラウドユニットが設定されておれば100回までレンダリングサービスを受けられるという恩恵は、ハッキリ言って驚いた!
個人的には正直なところ、AutoCADユーザには恩恵はなく、スイーツ関連商品ユーザだけの差別化をはかる特典だと思っていたので実にうれしい。
そして注目の新機能のひとつ「モデル図面化」に注目したい。
伊勢崎さんがおっしゃっていたように、レイアウトのビューポートとは違うという点、正直、確かに違うのでしょうが、何が明確に違うのか、よく分からなかった。
単にビューポートの有無なのか?
とここまで書いて、大きな違いに気が付いた。
ビューポートはあくまで、モデル空間のある図をレイアウトに見せる機能だ。
ところが、モデル図面化は、なんとモデルの3Dオブジェクトをひとつ作れば、側面図や断面図が自動的に作られるという機能。これは凄い!
けれど、このレイアウトにできた断面ビューは、JwCADとかにコンバートするとどうなるのだろう。多くの外注や客先がJwなので、そこら辺りが気になる。
前回から強化されたという機能「点群サポート」。
正直、私のような零細個人事務所では無用の長物です。(笑)
でも、この機能の進化によっては、世にある全てのものを3D化し、いずれ地球を計測すれば、バーチャル地球ができるんじゃないかと、ちょっとSFチックなロマンも感じたりした。
「コマンドラインの強化」も使ってみると手放せなくなりそうな機能だと思う。コマンドラインはAutoCADの原点といかキモですね。そこにメスを入れ、浮動するようにした。きっと多くのユーザは戸惑うに違いない。個人的に気に入ったものがコマンドラインから選択肢を直接クリックできる機能。よく、コマンドラインの中から選択できたらいいのにって思うことが年に2回はあるし。(笑)
最後に配列複写の旧ダイアログ復活は笑えた。
個人的には新しいリボン形式で十分慣れたので、やはりみなさん変革に戸惑うのですね。
但し、ブロックのインプレイス編集で配列複写が効かないのはなんとかならないのでしょうか?
おそらくもう一つの目玉が『AutoCAD WS』だと思うが、私の場合、スマホやiPadを持っていないのでピンと来ません。
但し、現場とかでWSを起動すれば図面参照できるという点ではいいかもしれないが、まぁ、経験上、現場って、大勢でバタバタしている環境なので、ゆっくりPCに向かって、WSを起動して、あれこれ言うという状況にはなりにくいかと。。。
★セッション2:800枚の図面評価でわかった改善ポイントとは?-APE:AutoCAD生産性向上プログラムを始めよう- 講師・清水 卓宏氏
一般的なAutoCADユーザとエキスパートなAutoCADユーザとの間に高い段差があるという。このことは日頃私も痛感していることですし、実際にはAutoCADのエキスパートは一握りしかいないので事態は深刻だろう。
ここにメスを入れようとオートデスク社が頑張っているのは、ユーザに寄り添った画期的なアプローチであると高く評価したい。
毎年この時期、花粉症で悩んでいる清水氏は、その大きな段差の中で何が問題か800枚、実際には1000枚を超える図面を検証したという。
もし私の書いた図面を渡せば、かなり恥ずかしい結果であると思って冷や汗タラタラで聞いていました。(笑)
その検証結果として、ここを習得すれば大幅な効率化(時間短縮)になると示したのが『Big5』!
なんか宝くじのネーミングかと一瞬思ったが、そうじゃない。
ほんの1時間あまりのセッションで清水氏はひとつひとつ解説してくださった。
○Big5-1.表の作成
正直なところ、私は実務で表コマンドをそこそこ使うが、便利な機能だなって思いつつも、よもやBig5に選ばれるほどの機能とは思っていなかった。
但し、恥ずかしながら表はモデル空間で作図していることが多く、レイアウトで作成するというツボには、思わずなるほどと納得した。
○Big5-2.注釈スタイル
これは恥ずかしながら使ったことはない。
使わない理由は、なんとなく小難しい印象があるから。
私もそうだが設計者って、図面を作図する以外の、設定っぽい機能はたとえ便利であっても、そこへ思考を向けるのは負担に感じる。
注釈スタイルが便利そうだと分かっていても、なかなかそこに意識が行かない。
でも、徐々にそういう機能へと意識を持っていきたいが。。。
○Big5-3.図記号
標準化された図記号が図面枠の外側に並んでいる情景、笑えない。
私もそうですし。。。
ツールパレット、もちろん便利だと分かっちゃいるが、先ほどの注釈スタイルと同じで、設計者って、思考がシステマチックな部分に向かない。
なんかアナログ思考で止まっている。
ダイナミックブロックも、便利そうだと分かっていても使えないのも同じ理由だろう。
○Big5-4.印刷設定
ここは多くのユーザ同様、私も痛感している。
パブリッシュは便利だと分かっていても、客先から出てくる図面は、ほぼモデル空間で枠共作成されていて、結局その都度コーナーとか取って出力している。
テンプレートをマメに作っておけばいいと思いつつ、なかなかできないままであるが。
○Big5-5.図枠ブロック
ここはいずれじっくり取り組みたい。
シートセットは効率化を図る特効薬という感じは常々思っている。
先日も、まさに図面枠に設計者を入力せよという依頼があって、シートセットを施しておけば、きっと一瞬で終わったんだろうなって、100枚近い図面にネームを入れながら思った。
以上、どこれこれも私にとっては身につまされる思いで聞いていましたが、何度も書いているように、分かっちゃいるが出来ないという実態です。
主な二つのセッションを通して言えること、AutoCADの革新的な進化にユーザが置いて行かれているということ。
おそらく一部のユーザは大いに受け入れている新機能でしょうけど、その他大勢のユーザが私も含め、ついて行けなくなっていると思う。
しかし、進化を止めるワケにもいかない。そこで生まれたのが『AEP』なのだろう。
ユーザに寄り添いながら進化するAutoCADの今後に期待する。