8年目を迎える
忌野清志郎トリビュートライブ
ロックンロールショー は
今年
日比谷公園の中に ある
日比谷野外音楽堂で 行われた



ここは 昔
RCサクセションの
伝説的なコンサートが 数々 行われた

いわば
彼らの 聖地





当日

私は 去年に引き続き
清志郎が 最後に着ていた衣装と 同じ布で 作ってもらった
桜柄のバッグを 持ち
参戦した


桜柄のバッグ

http://ameblo.jp/abekawa-maki/entry-12022646712.html




公園内の 木々が
青々と 葉を繁らせ

初夏の風が とても 気持ちのいい日だった


私は 公園に足を踏み入れた 途端
一気に 30年前に ワープしてしまった


だって
私の体が 覚えてる

あの日の風 さんざめく光 匂い

まるで デジャヴ




RCサクセションの もう一つの 聖地 久保講堂は
もう とうに 無く

去年 ロックンロールショーが開かれた 渋谷公会堂は
あの後
建て替え工事に入った


だけど
日比谷公園は そのままで

野外音楽堂も 30年前のまま
何も変わらず そこにあった




故郷に戻れない人が いる

故郷が無くなってしまった人が いる



そのことが どんなに辛いことなのか



戻るべき場所が そこにそのまま あるだけで
人は こんなにも シアワセなんだ



その ことが

その 瞬間
 
今さらながら わかった

遅いよ…










いつも一緒に行く ライブ友だちは
今年は 別々に チケットを取ったので
座席は ひとりだけで 座った


ライブの 途中
セットアップの時間に 隣の人から


そのバッグ いいですね
どこで 手に入れたんですか

と 声をかけられた



振り向くと その人は
恐らく 私と同年代

だけど
この場にいるのが 場違いじゃないか
と 思うくらい
落ち着いた 奥さま風 の人だった


私も 普段は 全然
ロックなカンジじゃないけど

その日だけは
買ったばかりの 
ど派手な キヨシローTシャツを 着て
サングラスをかけて

かなり イカレたオバサン風


彼女の佇まいは かなり 異質だった



私は 彼女に ひとしきり
バッグの自慢を   した


彼女は
名古屋から 一人でやってきた
という 話だった


本当は 毎年 来たいけれど
お金も 時間も かかるので
2~3年に1回 来ています



そっ…かあ

地方から ライブを観に来るって
そういうことだよねえ



ひとりで
名古屋から この場に来るってことは

上品で 物静かな奥さまに見える 彼女にも
心の中には
燃える ロックな思いが あるんだろう


 
それでも

彼女は
ライブの途中までは
 静かに座って 聴いていた


だけど 後半になって

清志郎の盟友が 登場してきて
会場のボルテージが 一気に上がると

いきなり

豹変した



立ち上がって
バンドマンの名前は 叫ぶわ

腕は 振り回すわ

もう 別人



私も 触発されて
彼女と競うように 叫び 踊って

あとは もう 狂ったように
ふたりで 爆音の海にダイブした








ライブも 終盤を迎え

さっきまで明るかった 空が
気が付くと 暗くなっていた


ステージが 闇に 浮かび上がっていた


やさしいバラードが 漆黒の闇に 吸い込まれ
初夏の夜風が ステージと客席を
やさしく 流れていく

バンドマンの上着の裾が
ひらひらと 風に揺れている



それを 観て

またしても
意識が 30年前に飛んだ


あの時 確かに 観た風景




ド派手な衣装が 風に揺れていた

夜風に吹かれて 気持ちよさそうだった 清志郎






清志郎の盟友は ステージから 観客に
声をかけた


空の上から このライブを見ている 清志郎を
感じるよ

来てるよ きっと




私も それは ずっと感じていた

だから ライブ中
何度も 何度も 空を見上げた








ライブが終わって

濃密な時間を共有した 隣の人と 私は


さようなら

お気をつけて


さり気ない挨拶を 交わして
別れた

もっと いろいろ 話したいことがあった

伝えたいことが あった

でも

彼女とは
また 会える気がした


彼女は きっと
ロックンロールショーに
また 戻って来る


だって そこは
彼女の青春が あった場所


←ポチッと押してね♡