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カヌレは、なぜ流行らなかったか?

はい。阿部秀之です! 調子にのってもうひとつフランスのお菓子ネタ。いつの頃からか、外国のお菓子を「今年はコレがくる」的に紹介して流行らせるのがブームになった。テラミス、パンナコッタ、ナタデココ、マカロン、杏仁豆腐。あっ、杏仁豆腐はちがうか(笑)


流行らせようとする業界と女性誌の結託は明白だ。まぁ、読者すなわち消費者もわかった上でわざとのせられているのだろう。で、カヌレもそうだったけど、カヌレはあまり流行らなかったよね。

カヌレ


カヌレというお菓子。あれはボルドーのものだ。ボルドーといえば、メドックに代表される赤ワインの産地。わざわざそんなところのお菓子を流行らせようとしていたわけだ。ボルドーの街では、どこでもカヌレを買える。お菓子屋はもちろん、パン屋やスーパーマーケットでも売っている。でも一番有名で美味しいといわれているのは、「BAILLARDRAN」というお店。チェーン展開していて街中にある。御殿のような立派な店も、写真のようなボルドー駅の屋台もある。店も店員も真っ赤だからすぐにわかる。

カヌレ


売っているのはカヌレとマカロンのみ。カヌレは大中小のと3種類あって、中で1コ、2ユーロちょっとだったと記憶している。マカロンの種類の多さは驚くほど。どちらもばら売りを買うと、可愛い赤い袋に入れてくれる。

カヌレ


カヌレは、つぶれないように、くっつかないように、ちゃんとガードがされている。

カヌレ


ところで、なぜカヌレは、日本では流行らなかったのか。ズバリ、日本で売っているのは、たいして旨くない。見た目はカヌレだったけど、味がちがう。本物のモチッとした舌触りは、お菓子が好きじゃない僕が食べても美味しい。カヌレの独特のコシは、そう簡単に再現できないのではないか?

カヌレ


実はマカロンもそう。日本で食べるのとフランスで食べるのは、けっこう味がちがう。ただ、カヌレのほうは出来が悪すぎたんだろう。マカロンは、日本のものもそれなりに美味しい。ボルドーに行くことがあったら、ぜひ本場のカヌレを試してほしい。きっと驚くほど美味しいはずだ。



フランス人とケーキ

はい。阿部秀之です! 〆切で閉じこもっているので、またまた手持ち写真でフランス、ネタ。いわゆるケーキの本場といえば、フランス。パリに限らず、ど田舎の小さな店のケーキでも十分に美味しい。

フランスのケーキ


ただ、フランス人といえども白人はおおざっぱだから、見た目の繊細さとかはない。ほら、このレモンタルトにコゲがついている。日本人だと許さない。でも、これを気にするフランス人は、そう多くない。僕が自由が丘に住んでいた頃、歩いて1分のところに「モンサンクレール」 がオープンした。辻口さんは、フランスのパテシェの大会で優勝したというが納得できる。味だけなら、彼に負けないフランス人はたくさんいるはずだ。でも、あの細かな芸当がフランス人にはできない。

フランスのケーキ



ところで、あまりケーキなんか食べないのだけれど、唯一、好きなのはサバランだ。

フランスのケーキ


フランスでは、ババ、あるいはババ・オウ・ラムという。バサバサしたスポンジにラム酒をかけた安いケーキ。上には、なにかの赤い実が飾られる。日本で食べても旨いがフランスのは格別。

フランスのケーキ


汚くてごめん。でもほら見て。このラム酒のヒタヒタ加減。これは、はたまらない。店によっては、出す前にもう一度ラム酒をかけてくれるところもある。

フランスのケーキ



ところで、日本でケーキを買うと、1コでも2コでも立派な箱に入れてくれる。まるでケーキ様のようだ。昔はケーキが高級品だったし、ぶつかると壊れるからだろうが、ここにも日本人の細かさが見てとれる。フランスでケーキを買うと、台紙はあるものの紙で包む。

フランスのケーキ


この包み方、見事といえば、見事。でも、150%の確率でケーキのどこかがぶつかってベタッとなっている。これを気にするフランス人はもちろんいない。

フランスのケーキ


自分でブログを書きながら、またまた食べたくなってきた。渋谷界隈は、洒落たケーキばかりで、美味しいサバランはないんだよね。残念。



フランスでも冬の味覚は牡蠣

はい。阿部秀之です! ちょっとバタバタして更新できなかった。とぎれついでに旅行記を書くことにした。これまでクロアチア、ポルトガルなどを記してきたけど、僕がもっとも詳しいのはフランスなんだ。自慢ぽくってちょっと恐縮。すんません。日本ではすべての都道府県所在地行ったことがある。フランスもほとんど同じ。僕のフランス通いはもう20年以上になる。


さて、日本で冬の味覚といえば牡蠣。仙台産も広島産も厚岸産も、それぞれの旨さがある。フランスでも牡蠣をよく食べる。採れる場所も種類も豊富で、必ず明記されている。生でレモンかビネガーをかけて、食べることが多い。レストランで頼むときは、6コ、9コ、12コというように頼む。

フランス牡蠣


牡蠣だけでなく、海老や蟹、貝類などを盛り合わせた大皿もある。場所、店のランク、具の量と種類によってプライスはさまざま。1人分で30~60ユーロ。オマール海老が入るともうちょい高くなる。この写真のはたしたことはない。

フランス牡蠣


蟹が立派に見えるけど、この蟹の身は、爪と脚の付けねのところぐらい。ただ、蟹ミソがぎっしり詰まっている。蟹ミソを食べるための蟹だ。
フランス人はムールやアサリも生で食べる。大丈夫かな? と思いながらつい食べる。いまのところ当たったことはない。巻き貝は煮てある。これがちょっとピリ辛で美味しい。

フランス牡蠣


パリなら街中どこででも、こういった魚介を食べられるけど、新鮮で安価ものというなら、北駅の前がオススメだ。このあたりのレストランなら60ユーロ程度の1人分を頼めば、2人でお腹いっぱいになる量がくる。2人で1人分で問題ないのかとか、魚介類は前菜扱いだけど、メインを頼まなくていいのかとか、心配する必要はない。OKだ。
ワインはミュスカデかシセロンなどのさっぱり系を頼むのが基本。

フランス牡蠣


でも、フランス人は、ロゼを頼んだり、赤を頼む人もけっこう多い。庶民的な店では、ズーズーと、音をたてて飲み食いさえしなければ、特に決まりはない。ご自由に、どうぞ。



フランスといえば、鴨、鴨、鴨!

はい。阿部秀之です! 月末でピンチなんだけど、気分転換にもうひとつアップ。フランスに行くと、もう食べたくて、食べたくて、しかたがないものがある。それは鴨だ。日本でもちょっといい焼鳥屋なんかにはある。安い店では頼んでみると合鴨だったりしてガッカリする。あっ、名古屋の「勝手屋」は最高だ。あそこの鴨は本物中の本物。

その鴨が、フランスでは、どこででも食べられる。扱いは鶏と同じと思っていい。さて、鴨料理でもっともポピュラーなのは、鴨のコンフィだ。

鴨のコンフィ


脂で煮る料理法をコンフィという。ただ煮ただけでは、ベタベタなので、最後はオーブンで皮をカリッと焼く。この焼き加減が重要。

鴨のコンフィ


ちょっと切ってみた。うん、脂がベタベタじゃない。付け合わせは、じゃがいもが圧倒的に多い。全部食べると太るだろうな、とか思いつつ全部食べちゃうんだよね。

鴨のコンフィ


鴨料理でもうひとつ定番といえば、鴨のオレンジソースだ。日本に初めて紹介されたフランスは料理の中に、鴨のオレンジソースは入っていたと思う(笑)

鴨オレンジソース


カリッと焼いた鴨には、ちょっと甘く香りのいいいソースがよく合う。付け合わせでじゃがいもと並んでポピュラーなのは、インゲン。じゃがいもだけより、さっぱりして美味しい。

鴨オレンジソース


うーん。コンフィ、食べたくなってきた。鴨、鴨、鴨!





新橋特集 その3 新魚金

はい。阿部秀之です! 新橋特集、その3としては、新魚金を紹介したい。「魚金」 は、これまでにも何度も取り上げた。でも、それは本店か、2号店。今回紹介する新魚金は、実は内緒にしていた店。ごめんちゃい。なんで内緒かって、そりゃ魚金の中でも隠れ家的存在なんだ。魚金もぐるなびに、新魚金は載せていない。さぁ、初めて公開される新魚金の真実(笑)

新魚金


なんつって、ほかの魚金と料理やプライスは同じなんだよね。ただ、店のつくり雰囲気がまったくちがう。いつも行く本店や2号店は、ずばり典型的な居酒屋。おやじたちが大声でしゃべる。周りがうるさいから、ついこっちも大声にならざるを得ない雰囲気。まっ、それが新橋的でもある。グループならOKだよね、ただ、2人とかだと困っちゃう。その点、新魚金はデート、接待可の店。こぢんまりとして静か。椅子が高級。照明も暗め。実際に訳ありみたいなカップルも多い(笑)

新魚金


ただし、超入店困難。新橋でもっとも混んでいる店だと思う。予約なしでは5時半をすぎるとまず入れない。ぶっちゃけ、新魚金がいいなーと思いつつ、入れないからほかの魚金に行く人も多い。ほかの店も、普通の居酒屋に比べたらはるかに混んでいるけどね。ならば予約って思うでしょ。でも残念。6時過ぎの予約は受け付けていない。そのころには、もう混み混みなんだ。ようするに早く行くしかないんだよね。でも、がんばって行っちゃう価値がある。めでたく入れたら乾杯!

新魚金


はい。これがメニューの一部。絶対にオーダーしたいのは、お刺身6点盛り。6点といいつつ10点以上ある。

新魚金


この日は刺身が1品チョイスできて、アジかサヨリだと1980円。ウマヅラハギだと2280円だった。ウマヅラハギを選択。

新魚金


タコ、カニ、なぜか栗。あん肝も見える。

新魚金


ウマヅラハギ。肝をちょっと付けて食べる。もう最高っす。

新魚金


寒サバ。脂のりのりっす。こりゃあ旨い。

新魚金


ビールばかりではお腹がぱんぱん。ならば焼酎。日本酒より焼酎の種類が豊富。

新魚金


白子焼き。あまりばかでかくない白子。これなら食わず嫌いな人もいけるかも。

新魚金


このあとまだ食べられるなら金目の煮付けがオススメ。いまの時期なら牡蠣フライも最高。魚はもういいやっていうなら、せっかく入った新魚金だけど、思い切って店を出ちゃう。烏森神社の参道には、ほさか、とか旨い焼き鳥があるよ。ちなみに新魚金は、新橋特集その2で紹介した蘭苑のほぼ反対側。新魚金→蘭苑ってのもありだ。

新魚金


さて、3回連続の新橋特集はとりあえず終了。しばらくしたら、また続きをお届けしたい。


●新魚金

東京都港区新橋3丁目17-7

電話 03-3432-1456