11月7日広島県呉市で開催された、日本英語音声学会で、
共同研究「日本人小学生における英語の発音と国際的理解度の一考察」
を発表してきました。

本研究は、個人英語教室に通う小学校3~6年生、27名の発音録音と
インタビュー調査、四人の英語話者による国際理解度調査(録音をきいて判断)、
音響分析によって実施しました。

 

研究の結果、日本人小学生の発音は、

・L、Rの区別が殆どないこと

・存在しない母音を挿入して、2音節になっていること

・促音ッ、撥音ンが入り一拍多くなること (例、pigがピッグ、pink がピンクへ)

・破裂音 /p/, /t/,/k/の帯気が弱いこと 

が、わかりました。

一方、学習歴6年、フォニクス指導歴2年、家庭学習や英語への興味が多く、
洋楽を日常的にきいている小学校六年生の発音は、

・英語話者も聞き取りやすい発音と判断
・音響分析でもネイティブ話者と近い

という結果になりました。 この生徒は、他の同じ学習歴の六年生に比べ、
インプット量(きく、よむ)が多いのが特徴です。

英語話者が聞き取りにくいとした生徒は小学校三年生、学習歴は四年、
家庭学習量も多く、小学校三年生の中で音響分析可能であった
数少ない生徒の一人です。
産出(発音)については、学習者の年齢も、関係することがわかります。

今後の課題は、

小学生においても、聞き取り練習だけで、産出できるようにならないため、

 ・文字と音の結びつきと調音法(どう発音するか)を明示した音声指導が重要

・日本語と英語の音の違いを示すことが必要

・大量のインプット(早期英語教育にとくに重要)が重要。

・小学校英語教育では「音声教育」が必要、従って指導を行う教員養成、教材作成が必須。

教員養成は、資金と時間が多量にかかりますので、教材作成が最も効果的で急務かも
しれません。

公立小学校で、英語が教科化される2020年まであと四年、どの地域でもどの先生でも、
子供たちが英語の音声教育を十分に受けられるには、どこでも使える、誰でも使える、
「教材」の作成が必要です。

学会の翌日は、宮島まで一人旅。世界文化遺産の厳島神社では厳かな静寂と美しさに感動しました。宮島のもみじ谷(写真)は、黄色や赤に染まり見事でした。宮島では11か国の人と話しました。みな口をそろえて、日本は美しい、人々が優しく親切、きれいで温かい素晴らしい国だと言っていました。 
日本は素敵な国です。世界の人に知ってもらえるのは嬉しいですね。
日本の良さを伝えるのも英語という道具(言語)が重要ですね。