厚年法:障害厚生年金5 年金額の改定、支給停止、失権
●年金額の改定
障害が軽くなったり重くなったりして、今現在の障害等級に該当しなくなることがありますよね。
そんな時には、障害等級の改定が行われます。
改定のパターンは以下の4つ。。。
・厚生労働大臣の職権
・受給権者からの増進改定請求
・その他障害による改定
・障害基礎年金との調整
「職権改定」と「増進改定請求」は、障害基礎年金 にもありました。
職権改定 → 障害の程度を診査し、従前の障害等級以外に該当すると認めるときには年金額を改定
改定請求 → 受給権者は、障害の程度が増進したことによる年金額の改定を請求できる
(受給権取得日 or 診査を受けた日から起算して1年を経過した日後でなければ請求できない)
ただし、65歳以上の者 or 老齢基礎年金の受給権者(繰上げ受給している人のことです。)であって、障害厚生年金と同一の支給事由に基づく障害基礎年金の受給権を有しない者(最初から3級の人)については、障害厚生年金の改定は行われません。
また、「その他障害による改定」というのも、障害基礎年金にありましたよね。
障害基礎年金※の受給権者に、さらに障害等級(1級・2級)に該当しない程度の障害(この障害をその他障害といいます)が発生した場合のことです。
障厚2級 障厚1級
━━━━━ + その他障害 --(併合改定)-→ ━━━━━
障基2級 障基1級
この場合は、その他障害に係る障害認定日以後65歳に達する日の前日までの間に、それらの障害を併せた障害の程度が元々の障害よりも増進したときには、改定を請求できました。
※権利を取得した当時から引き続き障害等級1級 or 2級に該当しない程度の障害状態にある受給権者を除く
最後の「障害基礎年金との調整」というのは、障害厚生年金の受給権者※が、元々もっていた障害厚生年金とは別の事由で障害基礎年金の受給権を有するようになったときの話です。
この場合にも、併合した障害の程度に応じて障害厚生年金の額が改定されます。
障厚2級 × 障厚1級
━━━━━ + ━━━━━ --(併合改定)-→ ━━━━━
障基2級 障基2級 障基1級
※権利を取得した当時から引き続き障害等級1級 or 2級に該当しない程度の障害状態にある受給権者を除く
例えば、「サラリーマン時代に障害にあった人が、脱サラして自営しているときにまた障害になった」なんて場合が考えられます。
●加給年金額の消滅に基づく改定
加給年金の対象となっている配偶者が以下のいずれかに該当した場合には、加給年金額は加算されなくなります。
(該当した翌月から、年金額を改定します。)
・死亡したとき
・受給権者による生計維持の状態がやんだとき
・配偶者が離婚 or 婚姻の取消しをしたとき
・配偶者が65歳に達したとき(T15.4/1以前に生まれた配偶者は対象外。)
●支給停止
支給停止の事由には、以下の3つがあります。
・障害等級に該当しなくなった場合
・労基法上の障害補償との調整
・共済年金との調整
労基法との調整というのは、「障害厚生年金の受給権者が労基法上の障害補償を受ける権利を取得したときには、6年間、障害厚生年金の支給を停止する。」ということです。
また、「障害厚生年金の受給権者が同一事由に基づく障害共済年金の受給権を有するときには、その間、障害厚生年金の支給を停止する。」という制度もあります。
●失権
一応かんたんにまとめておきますので、障害基礎年金と比較してみてください。
・併合認定されたとき(従前の受給権が失権)
・受給権者が死亡したとき
・障害等級に該当する障害の程度にない者が65歳に達したとき
(65歳に達した日において、該当しなくなってから3年を経過していない場合を除く)
・障害等級に該当する程度の障害状態に該当しなくなってから3年を経過したとき
(3年を経過した日において、65歳未満であるときを除く)
3つめと4つめの要件をまとめていうと、「3級の障害状態にない者が65歳に達した」 & 「障害状態でなくなってから3年経過した」の、いずれか遅いほうがきたときに失権するということです。
↓必ず障基年金と合わせて見てください↓
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