雇保法:求職者給付 基本手当2 | 簡単!! 社労士勉強法

雇保法:求職者給付 基本手当2

●基本手当の賃金日額

基本手当の趣旨は、「失業した場合の生活保障のために、その人の収入に見合った額を保障してあげましょう」です。

ということは、まずその人がいくら貰っていたかを計算する必要がありますよね。

この額のことを賃金日額といいます。

 
考え方としては、労基法の平均賃金 や労災法の給付基礎日額 と同じようなものです。

ただし、計算方法は雇保法独自のものです。

 
 ・賃金日額の算定式(原則)

 
    最後の6ヶ月間の賃金総額
 = ─────────────
           180日

 

ですから、辞めようと思う方は退職月の半年前からできるだけ残業や休日出勤をしましょうね(笑)

 

ただし、賃金の総額に、臨時に支払われる賃金(=臨時賞与など) & 3箇月を超える期間ごとに支払われる賃金(=ボーナスなど)は含まれません。

1日分の生活保障という意味合いで、その人がどれだけ貰っていたのかを計算するんですから、計算期間にたまたま出たボーナスを足すのはおかしいですよね。

 

 
上記は、月給や週給など、決まった期間で給料が支払われる人の基本手当を計算する式ですが、日給や時間給、出来高払制で支払われている場合には、以下の式で算定された額が最低補償されます。

 

・賃金日額の算定式(例外)

 

    最後の6ヶ月間の賃金総額
 = ─────────────────  × 70%
      6ヶ月間の労働日数

 

 
労働者の賃金が「固定給+歩合給」のように組み合わされている場合は、固定部分は原則、歩合部分は例外で計算し、それぞれを合算したものが基本手当となります。

 

 
もし、どうしても今までの計算式では算定できないような人がいるとしたら、その労働者の基本手当は、厚生労働大臣の定める額となります。

 

なお、育児休業や介護休業をしているために賃金が出てなかったり少なくなっている期間中に、倒産や解雇などの理由により離職した者については、休業や短縮をする前の賃金日額に基づいて算定された金額が高ければ、そっちで計算してもらえます。 

「倒産や解雇などの理由により離職した者」というところに注意してください。

自己都合で退職した人は、「わざわざ賃金が下がっている時期を選んで退職するあなたが悪いんだから・・・」ということで対象外です。

 

 

ところで、賃金日額には上限と下限が設けられています。

いくら「自分は月100万円の給料を貰っていたから・・・」といっても、基本手当の額が際限なく高くなるわけではありません。


年齢に応じた上限額(12740円~15550円)が決められています。

もっとも高くなるのは45歳以上60歳未満です。
一番お金が必要な年代だからでしょうか?

 

一方、下限額は年齢に関わらず、一律2290円となっています。

 

 

 

●基本手当の額

今まで賃金日額について書いてきましたが、賃金日額が1万円だったとしても、基本手当はまるまる1万円貰えるわけではありません。

 

給付率というものがあるからです。

 

給付率というのは、賃金日額に多少に応じて、50~80%(60歳以上65歳未満は45~80%)の間で定められています。

 
賃金日額にこの給付率を乗じた額が、やっとみなさんの基本手当(の日額)となるんです。
「失業中なんだから切り詰めて生活しなさい。」ということなんでしょうかね。

 

 
しかも、失業の認定の期間中に「自己の労働により収入を得た」場合、収入額に応じて基本手当の額は減額されてしまいます。

 賃金日額×80% ≧ (収入1日分-1282円)+基本手当日額 → 全額支給
 賃金日額×80% < (収入1日分-1282円)+基本手当日額 → 超過分を控除
 賃金日額×80% < (収入1日分-1282円)            → 不支給


 基本手当の減額



 
ちなみに、自己の労働による収入というのは、内職程度の仕事(4時間未満 or 賃金日額の最低限度額以下)によって収入を得ることをいいます。

(一日フルで働けば、その日は就業したとされますので基本手当は不支給です。)

       

  

 

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