H26選択式の解説(労基法)
例年どおり、労基法はかなりの長文でした。
しかし、大問ひとつではなく複数のジャンルからの出題でしたので、
ある意味良心的だと言えるでしょう。
内容もテキストレベルなので、きちんと勉強した方は得点できたと思います。
安衛法についても同様、テキストレベル(しかも講師だったら授業中に
絶対念押しするであろうところ)からの出題でした。
【A】 ⑯ 含まれるもの
最高裁判例からの出題です。
今年の労基法では最新にして唯一の法改正分野からの出題だったので、目にしていた内容ではなかったでしょうか?
私が教えている予備校のテキストにも当然載っていましたし、演習問題にもたびたび登場していたところです。
使用者から「今日でクビだから明日から来なくていいよ。」と言われた人が、不当解雇だということで裁判をおこし、めでたく主張が認められたので復職したとしましょう。
その人の有給休暇の出勤率を計算するにあたって、『来なくていいと言われた日~復職の前日まで』については、出勤していないのでマイナスするよと言われたら・・・
出勤しなかったのはその方のせいじゃないのに、欠勤扱いにするなんて不公平ですよね。
従来は、このような日(使用者の責に帰すべき事由による休業日)は一律に全労働日から除くものとして取り扱われていました。
この部分の扱いが変わり、労働者の責に帰すべき事由とはいえない不就労日は、(一定の例外を除いて)出勤日数として全労働日に算入することになりました。
【B】 ⑩ 時間単価に換算した賃金額
名ばかり管理職についての設問です。
ちょっと前にマ○ドナ○ドの店長は労基法41条の管理監督者に当たるかどうかの裁判がありましたので、記憶にある方も多かったんじゃないでしょうか?
管理監督者に当たるかどうかは部長や課長といった役職や店長という名称にとらわれず、実態で判断するんでしたよね。
その判断ポイントのひとつが、ここに書かれているように「その立場にふさわしい賃金をもらっているかどうか」です。
もらっている賃金は多くても、「時給に換算したらアルバイトと変わんないよ~」では、その地位にふさわしい賃金とは言えません。
ということで、Bに入るのは総賃金額や役職手当額、あるいは平均賃金額ではなく、時給換算した賃金額になります。
それ以外の要件については、厚労省からパンフレットが出ていますので、この機会にチェックしておいてください。
【C】 ⑬ 重要な要素
上記で書いたように、管理監督者は、一般の労働者と比べて、定期給与や賞与、その他の待遇が、それ相応のものでなければいけません。
つまり、賃金額というのは(ちょっとした判断材料のひとつなんかじゃなく)重要な要素になるということです。
【D】 ⑤ 衛生委員会若しくは安全衛生委員会
健康診断で引っかかったから配慮が必要ですよ・・・ということです。
健康については安全委員会の仕事ではないので、①の選択肢は間違いです。
また⑨ならループしちゃいますよね。。。
【E】 ⑥ 勧奨する
『安全衛生改善計画の作成を指示』する段階では、その会社が法違反を犯しているわけじゃありません。
ということは、都道府県労働局長といえども命令とか指示なんかはできません。
ましてや、労働安全コンサルタント(労働衛生コンサルタント)に頼んだらお金がかかるんですから、せいぜい「受けたほうがいいんじゃないかな~」と勧奨するのが精いっぱいです。
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