■ 「新旧シルクロード」「楼蘭 四千年の眠り」総集編
NHKBSプレミアム 5/25(水)21:00~22:00
放送80周年を記念して桜蘭(ろうらん)を扱ったNHKスペシャルの新旧二本の総集編「シルクロード全集」として放送する。
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□ 「シルクロード」第5集「楼蘭王国を掘る」
NHKBShi 1980/8/4初放送
シルクロードの要所のタクラマカン砂漠の東端にある、"さまよえる湖"と言われる美しい湖ロプ・ノール。
その湖畔に今から2000年前、シルクロードに栄華を誇った楼蘭王国。その後どうなったであろうか?
陽関から楼蘭への旅は、砂嵐、風化土堆群、死のアルカリ平原の白竜堆を越えるシルクロード最大の難所。
シルクロードの歴史の中で最も神秘に満ちた王国の住居・井戸跡・墓地から発掘された貴婦人のミイラを紹介する。
1934年の調査以来、中国学者にとっても解放後初の神秘の国への調査に、新疆考古学研究所と人民解放軍が協力してくれた。
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□ 「新シルクロード」第1集「楼蘭 四千年の眠り」
NHKBShi 2005/1/2初放送
天山南路と西路南道の分岐点にある廃墟・楼蘭の西100Kmの砂漠。
奇怪な地形の魔鬼城(龍城)。
その中から発見された巨大で不思議な古代墓地「小河墓(しょうがぼ)遺跡」。北緯40.20東経88.30。
そこは"千の棺が眠る墓"と呼ばれ、枯れ木のように見える胡楊材の墓柱が約140本、舟形の棺。
3~4千年前の白人系(コーカソイド系)のミイラが次々と数百体も発掘された。
タクラマカンにあらわれた最初の人類か? 彼らはタクラマカンに最初の文明をもたらした人たちかもしれない。
楼蘭人はどこから来たのか? どんな人々だったのか?
シルクロードの夢とロマンをかきたてる象徴、古代楼蘭の謎に迫る発掘ドキュメント。
シルクロード黎明期の東西文明が明らかになる。
メモ
豊かな胡楊の森林・オアシス、牧畜、小麦の種、麻黄などの防腐技術。
青銅・玉石(蛇紋石)などの交易品。
コーカソイド系(ヨーロッパ系白人)・・・5千年前に黒海北沿岸⇒南シベリア・アルタイ山脈⇒タクラマカンのオアシス。
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□「新シルクロード」第4集「タクラマカン 西域のモナリザ」
NHKBShi 2005/4/17初放送
NHKBSプレミアム 5/28(土)13:30~14:30アンコール放送
タクラマカン砂漠の南、崑崙山脈との間を走る"流砂の道"と呼ばれて来た西域南道に、
紀元前1世紀頃から紀元後11世紀にイスラム勢力に敗れるまでの、千年余に亘って栄えた仏教王国・ホータンの首都・ダンダンウイリク。
今は中国新疆(しんきょう)ウイグル自治区。その8割がイスラム教を信仰するウイグル族。
20世紀初頭(1900年)の英国考古学者オーレル・スタインによる伽藍の発掘・・・絹の蚕種西漸伝説図(大英博物館)以後、
その痕跡はイスラム勢力に破壊・盗掘されタクラマカン砂漠の流砂に埋もれて、
中国や日本に大きな影響を与えた仏教美術のほとんどが失われてしまった。
ダンダンウイリク(峠の家の意)遺跡を中心に、かつて翡翠(ヒスイ)に似た玉の交易を背景に栄えて来た、ホータン王国独自の仏教文化の遺跡調査。
敦煌や日本の白鳳文化に影響を与えた、華麗な如来仏壁画 "西域のモナリザ"を2002年に発掘。
唐代の「歴代名畫記」に登場した于闐(ウテン、ホータン)國の絵師・尉遅(ウッチ)乙僧。
この尉遅派による鬼子母神・韋駄天の屈鉄線画法⇒法隆寺金堂壁画・阿弥陀浄土図の鉄線描法の根源を探る。
2004年、日中合同調査。
古代仏教王国の芸術とその美の秘密を砂漠の遺跡に求めた歴史ロマン紀行。
"西域のモナリザ"如来仏壁画
法隆寺金堂壁画・阿弥陀浄土図
メモ
ホータン王国の菩提寺・ラワク遺跡・・・ガンダーラ仏の影響を色濃く遺す。
紀元前1世紀頃の交易による、前漢代の2,498枚の金縷(きんる)玉衣。
敦煌莫髙窟の緑玉に飾られたホータン王の壁画。
牛角山の荒廃した寺院跡。
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□ 参考文献
テレビは中国をどう伝えてきたか~NHKの特集番組を中心に~(「放送研究と調査」2009年1月号)
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■ スーパープレミアム「シルクロード 謎の民~タクラマカン砂漠 楼蘭の末裔?~」
NHKBSプレミアム 5/28(土)21:00~22:30 初放送
出演: 俳優・満島真之介
中国の秘境タクラマカン砂漠、別名"死の砂漠"の過酷な地。
その中央の奥に黄金に色づく胡楊(こよう)の森があり"謎の民"のオアシスがある。
世界初のテレビ取材。
"謎の民"は森に守られ羊を追い暮らす。
古代楼蘭の地で発掘された美女ミイラの墓と似た墓・埋葬方法。
満島が砂漠を歩きミイラと対面。
4000年の歴史に大胆な推理に挑む。
シルクロード、楼蘭とつながる文化。
北京テレビとNHKの国際共同制作で、砂漠とオアシスの絶景と謎に迫る。
メモ
崑崙山脈⇒西域南道の于田(ユーティエン)⇒タクラマカン砂漠のケリヤ川に沿って進む。
240km北のオアシス・ダリヤブイ(大きな川の畔の意)に"砂漠の王樹"胡楊(ポプラの仲間、コトカケヤナギ)の林と初夏の綿毛。
白系の美女ばかり、羊の牧畜。
新疆ウイグル自治区(旧・新疆省)の首都・迪化(現・ウルムチ)に在る新疆文物考古研究所。
タリム川末のオアシス「小河墓遺跡」から出土された楼蘭王国人20代白系(南シベリア・アルタイから移動したコーカソイド系)女性のミイラ。小麦・羊。
更に、ケリヤ川流域のオアシス・ダリヤブイの北から出土された白系男性のミイラ。フェルト帽。ケリヤ川はタリム川に合流していたと推定。
胡楊で造った棺に土を被せて腐敗を防ぐ墓。お参りの度にも胡楊を墓に刺して亡き人の罪を減らす。
ベニヤナギに寄生させて育てる滋養強壮の芋・大芸(肉従蓉、自然薯のように掘って探す)が、貴重な現金収入となる。
しかしダリヤブイのオアシスが涸れつつある。乾燥化と人口増加。
遠く4~5世紀までにケリヤ川流域のカラドン、ニヤ川流域のニヤなど、流れの変化でオアシスが涸れ放棄された痕跡。
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