アースルーリンドの騎士『二年目』29 合同授業の行方 13 | 「アースルーリンドの騎士」

「アースルーリンドの騎士」

オリジナル  で ファンタジー の BL系小説。
そしてオリジナルのイラストブログ。
ストーリーは完全オリジナルのキャラ突っ走り型冒険ファンタジーです。
時折下ネタ、BLネタ入るので、年少の方はお控え願います。

ギュンター、弟が二人いて

面倒見てたから、年下の者の面倒が

見られる奴は偉い事を知ってるんですね…。

スフォルツァへの評価は、高評価のようです(笑)


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王冠2 アースルーリンドについて。国の紹介
王冠2 イラスト入り登場人物紹介(まだ全部じゃありませんが…)



がギュンターは気づく。
剣を下げた時衣服の袖から覗く、赤く染まる手首に。

「…右の手首も痛めてるな。
医療室で診て貰ったのか?」

サリアスが、首を横に振る。
ギュンターはサリアスの右手首をそっと、取る。

赤く腫れていた。
「…これで剣なんて振ったら、振り損なうだろう?
先に医療室で手当して貰って来い。
一人で行けるか?無理なら誰か…」

「一人で行けます」
サリアスはギュンターを見上げそう告げ、そして行きかけて振り向き微笑んだ。
「手当を受けた後で必ず…皆の様子を観察してご報告いたします」

ギュンターはそう告げるたおやかな二年生に、無言で頷く。
サリアスはギュンターの信頼を貰ったように嬉しげで、足早に医療室へと姿を消した。


「あっ!」
どさっ!
ふっ飛ぶ小柄なアスランを、背後でギュンターが抱き止める。

アスランは止められて背後に振り向き、それがギュンターだと解ると、真っ赤に成った。

「…頭の怪我はまだ痛むんだろう?」
ギュンターに尋ねられ、アスランは包帯に手を添え、囁く。
「…これ…大袈裟なんです。
傷だってそんなに大きくありません」

が、相手をしていたスフォルツァが、正面から告げる。
「確かに、挫いた足首の方が、重症かもしれません」

ギュンターは剣を下げる、スフォルツァの顔を見た。
“全然強く、打っていないのにコケる。
それは痛めた足首で、体を支え損ねたせいだ”

その表情はそう、告げていて、ギュンターは吐息吐いた。
「足首も痛めたのか?
次に乗馬の講義があったら、どうする?」

スフォルツァが吐息吐き、ギュンターに囁く。
「…その時は私が、彼の馬に同乗します。
ずっと…彼の面倒は私が見ていたので」

ギュンターはスフォルツァを見、微笑った。
「…偉いな。
悪いがもう少し、アスランの怪我の具合を見てくれるか?
無茶はさせるな。
いつ迄も、痛みが長引くのは良くない」

スフォルツァはびっくりしたように瞳を、見開いた。
「どうした?」
ギュンターに聞かれ、答える。
「少々の傷は傷じゃなく、休むなんてもっての他だと…」
「誰が?
………前の、監督生か?そう言ったのは」

スフォルツァが頷き、ギュンターは吐息を吐いた。
「全然逆だ。
痛むなら、その痛みをどうやれば一刻も早く取れるかを考えろ。
敵の前で、動けなく成ったら最期だ。
嬲り殺されるのが嫌なら、出来るだけ動ける方法を考えるしかない。

が、休めるんなら、休むに越した事無い。
解ったか?」

スフォルツァが頷き、アスランはギュンターに見つめられ、真っ赤に成って顔を、下げた。







つづく。
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