連載二本同時掲載だと、どんどん手抜きになっちゃうので
毎日交互アップにします。
とりあえず今日は「幼い頃」更新です。
イラスト入り登場人物紹介(まだ全部じゃありませんが…)
テテュスはフラつく身を何とか必死で、馬上で保った。
ダンザインに包まれなかったら…間違いなく気絶していた。
いや…もしかしてそれで、済まなかったかも知れない。
が、顔を上げないテテュスは意識で感じ取っていた。
周囲一帯は力尽くで薙ぎ払った。
が、離れた場所から続々と…自分を取り巻く為に歩を進める敵の気配が近づいてくるのを。
間違いなく『影』の殺気が自分を標的とし、滅するために向けられ始めていた。
ダンザインが警告を送る。
更にレアル城から馳せ参じる『影』の狼が、次々と兵達を、操る様が意識に昇り来る。
が。
ふっ…。と意識が途切れる。
身を、保とうとしてもひどい、目眩に襲われる。
体が揺れ、自分が馬上に居る。と思い出す。
咄嗟に身を保とうとするが、ぐらり…。と空間に放り出されたように身が横へ、大きく泳ぐ。
落馬する。
地面への衝突に一瞬、身構える。
「テテュス!」
咄嗟にアイリスの、声が頭の中で響く。
心配で…張り裂けそうな声。
六歳の時の私に貴方は…そんな声を上げたのか…。
私の時代に貴方はどっしりと確かな存在感で他を圧倒し…私に対してもいつも優雅な微笑を、崩した様等見せなかった。
だから余計に心が、痛んだ。
そんな風に…なりふり構わず心配で叫ぶ、貴方に。
つづく。