アースルーリンドの騎士外伝。『幼い頃』冒険の旅 268 | 「アースルーリンドの騎士」

「アースルーリンドの騎士」

オリジナル  で ファンタジー の BL系小説。
そしてオリジナルのイラストブログ。
ストーリーは完全オリジナルのキャラ突っ走り型冒険ファンタジーです。
時折下ネタ、BLネタ入るので、年少の方はお控え願います。

王冠2 登場人物紹介
王冠2 イラスト入り登場人物紹介(まだ全部じゃありませんが…)
 途端、はぁ………。と戸口から吐息が漏れ、皆が一斉に振り向くとそこにはローフィスが、腕組みして戸に肩をもたせかけ、隣の小柄なシェイルに『ほら見ろ』という視線を投げかけていて、シェイルはぷりぷり怒っていた。
シェイルはローフィスを放ってさっさと室内へ足を踏み入れ、テーブル回りのソファの、開いたディングレーの横に席を見つけ、ずかずかとディングレーを押し退ける勢いで割って入る。
「…早かったな…」
ディングレーがぼそりと洩らすと、シェイルはきっ!と、その頑健な肩の男前を睨む。
「…それは俺への嫌味か?」
ディンダーデンが戸口にまだ肩をもたせかけているローフィスを眺め、呻く。
「逃げられたんだな?」
その言葉に、シェイルはきっ!と顔を上げて鋭いエメラルドの瞳をローフィスに投げ、殆ど怒鳴った。
「俺が控えてたって、ギュンターは控えないぞ!
俺の影響なんかで、あるもんか!」
ローランデも同意するように頷く。
「ギュンターは、何処まで行ってもギュンターだ」
ローランデの言葉に、ギュンターの眉が一気に、寄る。
ローフィスはまだ脇腹に手を当て肩を戸に持たせかけたまま、俯き気味にささやく。
「…だとしても…。
お前が平気で人前ですれば、それが許される雰囲気が出来上がる。
ただでさえ戦闘後だ。
奴が暴走するのを、止める役割をディングレー一人に割り振るのは酷だろう?」
シェイルは隣のディングレーをきっ!と見つめ、途端ディングレーは怯み、狼狽えた声音で告げる。
「…勿論……迷惑だなんて思って無いが……。
ローフィスの言う事ももっとも……」
ディングレーの言葉を遮り、シェイルは怒鳴る。
「ディングレー一人で半死人のギュンターの暴走は十分、止められるさ!」
ローフィスは強気で怒るシェイルの横隣で弱り切った表情をするディングレーをジロリ。と見る。
「…お前、まさかシェイルが怖いのか?」
ディングレーは俯いて頭を横に振ると、呻く。
「欲求不満で殺気立ってる奴はギュンター一人で十分だ。
これ以上の敵は出来るだけ、作りたくない」
ぷっ!
ディンダーデンは吹いたし、ゼイブンも吹き出す。
が、ディングレーはゼイブンを見た途端、一瞬で青ざめ、さっ!と顔を下に下げた。
シェイルはその様子に気づき、両手に握るフォークでたっぷりのパスタを自分の皿に盛りながらささやく。
「…夕べ見たって?」
ディングレーは顔を下げきって肩を震わせている。
シェイルはつい、皿の上にパスタを乗せきるとディングレーを覗き込み、尋ねる。
「…笑ってんじゃ無いよな?」
ディングレーは咄嗟に顔を上げ怒鳴った。
「当たり前だ!」
ぷっ!
今度は、ディンダーデンとギュンターが吹いた。
テテュスもファントレイユもレイファスも、大人達を見回す。
ゼイブンは不機嫌そのものに成って、ディングレーに唸る。
「…どうして自分の夢に他人を割り込ませるかな…。
ガード出来ないのか?!」
ディングレーはゼイブンを見、大声で怒鳴った。
「見たく無い夢迄無理矢理見た上、どうやって見物人をガード出来るかさえ知らないんだ!
お前!
知ってんなら、奴らを何とかしろ!
この道のプロだろう?!」
ローフィスがようやく吐息混じりに戸口から肩を外すと、ディングレーの、シェイルとは反対側の隣に腰掛けて横のディングレーをジロリ。と見る。
「どのみち、見られたんじゃ後の祭りだ」
ディングレーは隣に座るローフィスを心から嬉しそうに見たが、後からじんわり彼の言葉の意味が脳に染み込み、唸った。
「お前でもどうにも出来ないのか?」
ローフィスは肩を竦める。
「見た奴の記憶を消せって?」
ディングレーは凄んだ。
「出来るんだろう?何たって、ここは“里”だ!」
ゼイブンが上目遣いにディングレーを睨む。
「あのな。幾ら奴らでも、特定の記憶だけを消す。だなんて、器用なマネ出来る訳無いだろう?!
いっそ奴らの記憶全部消して、別人にするか?」
ディングレーはほっとしてゼイブンを見つめる。
「それでいい」
つづく。

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