4大会連続で、オリンピック女子マラソン代表選手を
輩出している名門チームの監督に
原選手が「走り続ける為に必要なこと」を訊いてみると
「何よりも、まずは走るのを楽しむことだよ」
という言葉をかけて頂きました。
「今までは、使命感に迫られて走っていたと思う」
「これからは、走るのを楽しむこと」
「それが、長く走り続けられるコツだと思うよ」
楽しく走るというのは、実業団選手にとっては
とても難しいことです。
環境と待遇を与えてもらう代わりに、
常に結果を求められるのが実業団です。
結果を出すと、最初は、とても喜んでもらえますが、
次からは、常に同等の結果を求められます。
そこには、どんなエクスキューズも存在せず、
結果を出さなくては認めてもらえない現実があります。
それが給与にも反映されます。
楽しく走り始めた頃の気持ちは、次第に薄れ、
結果を出さなきゃいけないという使命感が
常に頭から離れない状態が続きます。
その状態が続くと、カラダの機能に変調をきたし、
原因不明な脚の痛みや痺れや、
ストレス性の様々な障害、
目的意識の消失、などによって、
心と体のバランスが崩れていきます。
皆が皆、そうだとは言いませんが、そうして
実業団から離れていく選手は少なくありません。
そういう現実を多く見てきた監督だからこそ
今の原選手の表情と、これからの可能性を思い
そういう言葉をかけて頂いたのだと思います。
ほんの数十秒の会話でしたが、心打たれる瞬間でした。
温かくて、思いのこもったお言葉に感動しました。
末永くマラソンを続けていきたい方には、
「走るのを楽しむ」気持ちを忘れずに
これからも走って頂きたいと思います。