ワヒダッド・キャンプはアンマン屈指のスーク | アーディで行こう

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「普通」を意味する便利な言葉、「アーディ」 地元の足として、とことこ走るバスなんかを「アーディ バス」、エジプトではエアコンなし列車を「アーディ」 そんな方法での旅を紹介しましょう。
え、そんなの自分には無理だって? 大丈夫。「アーディ、アーディ」

前回ちょいと触れたワヒダッド・キャンプですが、今は難民キャンプというより、アンマン屈指のスーク(商店街)となっています。
初めて迷い込んだ時がちょうど土曜日、キャンプ特有の狭い路地(難民キャンプは都市計画対象外なので、道路に歩道がなく、すれちがいできない1車線分しかない)にアーケードを付け、無秩序にできたように見える商店街が多くの買い物客でごったがえしていたのにびっくりした思い出があります。
中東はアジアといっても、イスラームのおかげもあるのか、わりと整然とした雰囲気の商店街が多いのですが、ここワヒダッド・スークは東アジアばりに混沌としていて、その魅力にちょこちょこ通うことに。
普段でもダウンタウンのスークで買い物をしていたのですが、ワヒダッドはまた違うんですよね。別に何を買うんでも、買いたいものが見つかる訳でもないんですが。

アーディで行こう$アーディで行こうアーディで行こうアーディで行こうアーディで行こうアーディで行こうアーディで行こうアーディで行こうワヒダッドへは、ダウンタウン西側の交差点からマダバへのバスが通るプリンス・ハッサン通りに入り、これでもかという急坂を登ります。ダウンタウンの標高は800m、ワヒダッドは900m前後。直線距離にして1.5kmほど、道のりでも2kmで100m登るんですから、上から見た景色は絶景です。バスから振り返ったら、右写真のとおりです。
道路上の看板は、この写真右手にある赤新月社病院のもの。日本の赤十字病院にあたります。日本人は、あまり使っていませんね。看板の向こうに見えるのは、ザハラン通りを背骨とするジャバル・アンマン。ぼこっと飛び出ている高層ビルが、3サークルのル・ロイヤルホテルです。

ワヒダッドのスークは、プリンス・ハッサン通りの東側に広がっています。目印はワヒダッド警察署ですかね。警察署の脇から東へ入ると、500mほどでモスク前の広場になります。この辺が金曜日に露店が出る中心部。ヨルダンはじめアラブ圏では金曜日が休日。週休2日制のところは土曜日も休み。ですので2月5日(日)は週はじめの平日1日目にあたります。

金・土だとこんな陽気なシャバーブも。
シャバーブというのは、若者を意味するアラビア語です。厳密には
単数形 شاب シャーブ
複数形 شباب シャバーブ
ですね。よく使う言葉ですので、知っていると便利です。シャバーブの方は、日本語ならさしずめ「若い衆」といったところでしょうか。
ソマリア武装勢力やシリア政府側民兵「الشباب‎アルシャバブ」も、この言葉から。なお、日本の報道機関ではアルシャバブorアルシャバーブで統一しているようですが、アラビア語では本来の発音は「アッ・シャバーブ」と、「ル」をとって詰まります。アルシャ~とはなりませんね。

閑話休題 ここはキャンプなので、UNRWA(国際連合パレスチナ難民救済事業機関)が学校など教育や福祉を担当しており、広場の奥に大きな小学校があります。そのあたりまでがスークです。小学校前からは、ムジャンマ・ラガダン行きのバスやセルビスが出ていますが、ダウンタウンを通らず、アシュラフィーエの丘の上を通って行きます。
写真は小学校の塀を背にしたタマゴ屋さん。さすがにこの露店で買おうとは思いませんが、私がいつも買っていた店もこんな感じで30個単位で売っていました。大きさでやや異なりますが、1ケース1.5~2JDくらいでしたね。

モスクの広場の周りには食料品店やら雑貨店が並んでいますね。この時計屋さんはもはや帽子屋なんだか時計屋なんだかわからなくなってしまっています。店頭のワゴンでも帽子ですし。まあ、日差しが強いんで、帽子とサングラスは必需品です。どちらも安いもので1JD、見た目のいいものでも2JDくらいで買えました。サングラスだと、いちおうRaybanとか入っていましたが、本物でしょうか。

右の写真はモスク広場前の肉屋さん。といってもこの雰囲気は鶏肉専門です。
手前の冷蔵ケースには丸まんまの鶏がみえますし、右のケースにはハツだのレバーだの砂肝だのが入っています。砂肝やハツはフライパンで炒めると美味しいですよ。お手軽な酒のつまみになるのでよく食べていました。砂肝は異物が集まる前室を取り除いていない店が多いので、要注意です。私が買うのはこれをちゃんと取り除いてくれている、ダウンタウンの屋根ありスークの鶏肉屋で一番出口に近い店でした。なので、この店では買っていません。


難民キャンプの子どもたちもUNRWAの学校へ行っているはずですが、店を手伝っている子どもの姿はダウンタウンよりも多く感じます。金土曜に行くことが多かったからでしょうか。
右の写真はいっぱしに露店を仕切る小学生。


モスク前の広場の手前の路地を南へ折れると、そこがワヒダッドスークの心臓部。キャンプの住宅街を強引に商店街にした地域になります。この写真の道路はまだ広い方。奥へ進むと、まるで大阪の鶴橋のように路地が入り組んでいます。そっちには洋服屋と雑貨屋が多いですね。ウェディングドレスやカクテルドレスも売っていますよ。ここの路地は土曜日には女性だらけになります。迷路のような路地巡りをぜひしてみましょう。